零号機

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Nifty、Web、そして

[1] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/10/10 02:32 (Sun) No.261


とある所の情報を見ていたら、XXXsさんの所が閉まった今、古参と言われるレイ系のサイトで稼働しているのはtumbさんの「綾幸」(通称でごめんなさい。ある種「敬意」とご理解頂ければ嬉しいのですが)と「綾波展」とどうやらウチだけのようです。
そして稼働はしていないもののサイト自体が残っている所としてA.S.A.Iさんの「「Artificial Soul〜Ayanamic Illusions 〜」がフルコンテンツで残置しているのと、@isaoさんの「 Innocent Red Eyes 」が投稿作作品へのアクセスだけ、という限定した状態で残っていますね。
あとは私自身として知己は無かったと思いますが「NAC BOX]と「 レイが好き!」が残存しているようです。
まぁ、ウチは動いているには入らないと思いますけど。(苦笑)

まぁ、すっかり少なくなってしまいましたね。
私がココを立ち上げた頃は「レイ系」のサイトという括りだけで一回りするのに小一時間はかかり、そこに総合的なサイトを加えれると2-3時間必要だった記憶があるのに。

そんな状況下で「綾波展」の中のコンテンツで、かつてumaさんが作ってくれた年表\を見ていた思ったのですが、エヴァの二次創作は、かつてNiftyから始まったんですよね。
一部の作品はそれこそ本編放送中に発表\され、TVの弍拾六話から「デス・リバ」までの間にも多数の作品が発表\されていたようです。

と、同時期に当時ようやく一般的になり始めたweb側でも二次創作物を扱うサイトが登場し始め、そちら側で初出/発表\される作品も現れ始めたみたいです。
改めて少し驚いたのがウチでお預かりしている「記憶のノート」byゆきかきさんのNiftyでの発表\はWebの上での「FMTTM」の開設時期をさほど変わらないのですね。
つまり TV本編から「デス・リバ」の時期は、二次創作の発表\場所としてNIFTYからWebへ移行するタイミングとも合致していたようです。

私自身はエヴァとは全く関係無い分野でNIFTYで活動していたのですが、エヴァ関連に関してはあくまでもWebで動き始めたのでそれこそSGAINAXの動きなどは全く知らず、そのため後に「綾波展」の本展を行う際に、NIFTYの作品はNIFTY側の動きを把握されている方のご協力を得なければ何をどうすればよいのか分からず、その部分に関しては多数の方のご支援をいただき、展示にたどりついた記憶があります。
(その節は本当にありがとうございました。>関係各位さま)

[2] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/10/10 02:35 (Sun) No.263



ところで、先日「綾幸」の20周年の記念イベントが行われました。
本当にとても素晴らしいイベントで、多数の投稿作品が集まり、大盛況でした。
私も最近の作品に触れることが出来、とても楽しく、嬉しく、そしてどこか懐かしい時間を過ごすことが出来ました。
(本当はもっと感想をアウトプットしたかったのですが、色々忙しく、全然発信出来なかったのが心残りなのですが・・・
 でも、これから少しずつ返せたら、と思っています。)

そしてこの「綾幸」のイベントを見ながら思っていました。

かつてNIFTYからWebへ、フィールドのトレンドが動いたように。
今回はWebのHPやBBSからSNS、PIXIVへ。
そして、活動の中心メンバーも新たな方々へ。

これは当然であり、必然であり、そして素敵なことなのだと思います。
新たな萌芽が無く、ただ消えていく・・・そんな哀しいことはありませんよね。

そう。希望はいつも存在するのです。

でも今回、XXXsさんのサイトの閉鎖を見て思うんです。
(以下、決してXXXsさんを責めてませんよ。むしろXXXsさん個人を知っている私個人として、そんなXXXsさんなら
どれだけこの点に関して悩まれたか、が十\分想像できるだけに、だからこそ今回のXXXsさんのご判断を全面的に
支持したく思います。)

消えてしまう作品達を、どうやったら、
せめてもう暫くの間だけでも守ってやれないだろうか?

少しだけ具体的に言わば。たとえば今回のXXXsのところの閉鎖でKameさんの「夢祭」がDL不可になったんですよね?
私にとっては「Holiday」シリーズ中のとてもとても大事な一編です。
なんとか救う道は無いのかな?

また同時に思います。

そう、もうサイトが残ってないんです。
でも、新しいフィールドには、多数のエネルギーが動いているんです。
かつてNIFTYからWebへフィールドが動いたように。
そこに私できることって何か無いのだろうか?

これから初めて「エヴァ」という物語に出会う人々に。
これから初めて「綾波レイ」に出会う方々に。

エヴァって何?
「綾波レイ」って何?

その理解と、その先の創造への手助けになれる事って何か無いのかな?

何ができるわけではないでしょう。
むしろどれだけ自分が無力なのか、はこの25年で十\分、知ったつもりです。
でも、

でも、



でも、

ちょっとだけ考えてみたいかな・・・・・


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Rei I

[1] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/11/24 01:07 (Wed) No.289

TV本編5話のことでは無く曲名の方。とはいえこの曲が最初に流れるのは確か5話だったと思うけど。

私のとって「綾波レイ」を印象付けているものは「あなたは死なないわ、私が守るもの」などの有名なセリフや
逆手での雑巾絞り(製作側の狙い通りで少しムカつきますが:笑)など色々有るのですが、中でも実はこの曲に
投げかけられたいイメージはかなり強烈です。

硬質で透明、神秘的かつ仄かに伺える悲劇性、そんな所かな。

で、私の個人的な嗜好や諸々背景も有りますが、下手にTV本編見返すより、この曲聞いた方が手取り早く自分の
中の「綾波レイ」を思い出すことが出来ます。

ちなみにこの曲。ピアノだと結構\簡単に雰囲気出せます。
その昔、ちょっと必要に迫られて鍵盤に触っていた時代があるのですが、その当時「物は試し」と音拾って
練習してみたら結構\雰囲気出せました。
(私自身はクラシックピアノのレッスンを受けた経験の無いド素人ですが:草)

コードに親しんだ経験の有る方なら冒頭4小節を無理やりコードネームにすると・・・・

C6 add9
C6 add9 
G     
F add9
B on F#
B on C#
F

上記を4部音符で。
みたいな感じかな?
(最後2つは違うかも。あまり信用しないで下さい:笑)

で、第一主題みたいな所(綺麗なメロのところね)は基本

Am F

かな?
でそこから無機質な4部音符和音で降りてくるところが

B F

の繰り返し。

あまり正確性を求めないなら大体これで雰囲気は出るかも。
そしてこの「B / F」の繰り返しによる無機質且つ透明な浮遊感、これこそがが私にとっての「綾波レイ」って感じかな?。

ちなみに。
一部では昔から指摘されているみたいですが。この曲、もしくはこの作曲家から影響を受けているかな?って気がします。

●「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」より「聖母の初聖体拝領」
メシアン作曲

https://www.youtube.com/watch?v=eHYxKDNjR4Q

念の為書いときますが決して「パクリ」とかの意味じゃないので。
くれぐれも誤解無きよう。

では。


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【名場面】EASY WAY OUT.

[1] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/11/7 00:04 (Sun) No.283


暑さにマンションでひとり目覚めたシンジ。
いったいどれだけの時間眠っていたのだろう?

いや「目覚めた」のでは無く「気付い」だけなのかも知れない。

同時に襲ってくる圧倒的な憔悴、絶望、後悔、そして孤独

耐えられずに「誰か」を求めて一人、外に出る。

ーーー本文よりーーーーー

誰か・・・・助けて・・・・・

「・・・・ここには・・・いたくないよ・・・」

シンジは人影を認識し、それが彼女であると気づいた瞬間、反射的に顔を伏せた。

ーーーーーーーーーーーー

無表\情な紅い瞳に怯えながら、
それでも誰かにそばにいて欲しくて
彼女を連れ、彷徨うシンジ。

彼女は、決して逆らわず
シンジ共に歩み、そして

何も語らない。

[2] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/11/7 00:06 (Sun) No.284

ーーーーーーーーーーーーーー

シンジは軟らかな感触の中で目が覚めた。ゆっくりと瞼を持ち上げる。暗い。自分
は軟らかな何かに包まれているようだ。目が慣れてくると視界にアスファルトの路
面が映る。シンジはゆっくりと身体を起こした。あたりはすでに夜。まばらな街灯
が国道を照らしている。

「・・・・・・」

シンジは彼女の膝の上で寝ていたのに気づいた。彼女も上体をベンチが作り付けら
れたバス停の壁にあずけて目を閉じている。

「・・・あや・・な・・み・・・」

シンジはじっと彼女の寝顔を見つめていた。そしてゆっくりとマンションを出てか
らのことを思い出していった。

・・・僕は・・・僕は・・・

久しぶりに味わった安らかな眠りと目覚めの余韻が急速に遠のいて行く。シンジの
胸に逃れることにできない現実が苦い感触とともに重くのしかかってくる。

・・・いつまで・・続くんだ・・いつまで・・・

シンジは彼女の白い頬を見つめたまま全身が冷たい汗に包まれていくのを感じた。
軽い嘔吐感がこみ上げてくる。シンジは目を閉じてそれをやり過ごす。

「・・・くっ・・・」

シンジは目を開けるともう一度彼女の寝顔を見つめた。疲れきったシンジの心にも、
彼女の姿はたとえようもなく美しいものに思えた。だが同時にそれはシンジにとっ
て恐怖の対象でもあった。

・・・行かないで・・・行かないでよ・・・

シンジの瞳に恐れと狂気の色が浮かぶ。シンジはゆっくりと彼女の肩に手を伸ばした。

[3] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/11/7 00:07 (Sun) No.285


シンジの瞳に恐れと狂気の色が浮かぶ。シンジはゆっくりと彼女の肩に手を伸ばした。

「・・・う・・んっ・・・」

シンジは彼女の肩を掴むと乱暴\に唇を重ねた。彼女が驚いて目を開ける。彼女の頭
が背後の壁に強くぶつかった。

「・・・んんっ・・・ん・・・」

彼女は反射的に両手でシンジを押しのけようとしたが、シンジは全身の力で彼女を
壁に押し付けていた。彼女は何が起こったのかを理解するとシンジの胸に両手を置
いた姿勢のままじっとしていた。

・・・行かないで・・行かないでよ・・・綾波・・・

シンジは何かから逃れようとするように彼女の身体に自分の身体をあずけていった。
シンジの体重を支えきれない彼女は左手をベンチについたが、それでも支えきれず
に2人は重なるようにベンチに倒れる。

「・・・ん・・・・」

ベンチに倒れ込むと自然に唇が離れた。シンジは目を開けると彼女の瞳を見つめた。

・・・くっ・・・

そこには翳りのない紅い瞳があるだけだった。彼女はその紅い瞳でシンジの黒い瞳
をじっと見上げていた。深く、澄んだ紅い瞳で。だがそこには何もなかった。

・・・どう・・して・・・・・・どうしてだよ・・・

シンジは耐え切れずに彼女を押し倒した姿勢のまま目を閉じた。そのままのろのろ
と起き上がると彼女とは逆の方向に倒れ込んだ。

「・・・君は・・・君は・・・本当に・・・」

シンジが小さな声でつぶやいた。だが彼女は何も言わずに起き上がり、静かにシン
ジの背中を見つめた。彼女自身も気づいてはいなかったが、かすかに紅い瞳が潤ん
でいた。


------------------------------------------

[4] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/11/7 00:11 (Sun) No.286


作者はShinさん。
以前「想い - Always...with you.」を紹介した際に触れた作品です。
初出はこの作品も@isaoさんの「Innocent Red Eyes」でした。

引用部分は作品中盤での比較的温かい情景部分ですが、本作、とにかく全編通して見事なまでの憔悴感と
閉塞感の中で描かれるレイとシンジの物語は、私的に、とても辛いながらも、ある意味「これもLRSなのでは?」と言いたい作品です。

比較的短い作品だからなのかな?
昔からあまり話題にならない作品だったような気もするのですが何故なのでしょうね。
やはり内容が「キツい」からなのかな?
でも、TV本編の「綾波レイ」を追いかけた方なら絶対に理解出来る作品だと思うのですが。

「綾波展」でも「Innocent Red Eyes」」どちらもでも、現在でも読むことが可能\な作品です。
未読の方は是非、本作ラストのレイを受け止めてあげて下さい。


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【名場面:番外】それから 

[1] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/10/28 00:30 (Thu) No.277


あの赤い波が打ち寄せる砂浜にシンジとアスカが帰ってきてから10年。
今日、森の中に置き去りされたようにひっそり佇む教会で行われるのは25歳になった「碇シンジ」の結婚式。

そして純白のドレスに身を包んだその美しさに、列席者から驚嘆の声が上がる新婦の名前は

「綾波レイ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 
幾度か通った控え室への小道。

ただまっすぐな道が続いている。

少し傾いた太陽がその道を真上から照らし、短く刈りこまれた芝を黄金色に染め上げる。

周囲の木々による暗さが、よりその光を際立たせている。

その光景にシンジはどこか既視感を覚えた。

『どこだったろう』

大事な記憶のはずなのだがどうにも思い出せない。

「なにか、この道見慣れちゃったね。」

何度も通ったからだろうと自分を納得させる。

その思いはレイも同様であったのだろう。一点を除いて。

「違うわ。エデンへの路。神の御許を離れたヒトが通った路だもの。」

「綾波?」

思わず昔の言い方でレイを呼んでしまう。いったい彼女は何を言っているのだろう。そう思う。

レイはしっかりと腕を組んだまま、視線を前に固定して歩き続ける。

「あなたが私から離れる時に通った道。それに似ているのよ。」

淡々とした口調。昔のように一切の感情を感じさせない口調。レイが不機嫌になるとこのような口調になる事をシンジは知っていた。

[2] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/10/28 00:31 (Thu) No.278



「僕が・・・綾波から・・・あっ!」

後になってレイから聞かされたあの戦闘の顛末。

シンジは補完計画の事も多少は聞かされていた。

自分は夢だと思っていた事が、人類の未来を決めたとは未だに信じがたいが、とにかく最後になって、「現実」に生きる事を選らんだ。アスカを選び、レイから離れた。

そして現実に帰ってくる時、一本の金色の道を通った事を思い出したのだ。

一切の闇の中、不安に押し潰されそうになりながら進んで行く。直感に頼りながら進み、後僅かでそこから出られると感じた時、何気なく振り向いたシンジの後ろには、金色の道が出来ていた・・・

「あの時は・・・その・・・」

「何も言わないで。」

思わず謝りそうになるシンジだったが、レイの言葉に何も言えなくなってしまう。

「碇君のあの時の選択は間違っていたとは思わないわ。だからいいの。」

レイはいったん息をつくと、口調も声色も普段の物に戻した。

「それにこれからは私の隣りにいる。それで十\分。」

「レイ・・・」

「そう思えば、あの道は私達の始まりだったのかもしれないわね。」

「そうだね」

そう返すシンジだったが、本当は違うのかもしれないと考えていた。自分が始めて第三新東京市に来た時に見たレイの幻。そこから始まっていたのではないかと思う。

あの変わらない夏の中で繰り返された多くの悲劇と、少しの喜劇。

何もなかったお互いにできた、ほんの少しの絆。

すべての物語はそこから始まったのではないか、そんな気がする。

「僕たちはどこに行くんだろうね」

少々感傷的になったシンジは、遠い目を空に向けながら呟く。

「明日。」

レイの返答に迷いはなかった。

[3] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/10/28 00:32 (Thu) No.279

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

作者はHALさん。
初出は@isaoさんの「Innocent Red Eyes」で現在でも同HPでの閲覧も可能\ですが「綾波展」にもHALさんご自身の
サイトであった『HALの惑星」のサルベージサイトが置かれており、そちらからでも閲覧可能\です。

引用したのは、続編の「これから」を含めると全5編で構\成されている連作中の前半部分「それから」のラストシーンとなります。

TEOE後の比較的早い時期(1997年10月)に発表\された本作ですが、当時はまだ『LRS」展開は少なく、
TEOEをガッチリ受け止めた上で描かれた本作は、After E.O.Eでの『LRS」作品としての本当に極初期の作品だったと
記憶しています。
それだけに本作が当時の綾波系のSS/FF界に与えた影響は大きく、この作品によって(当時の表\現ですが)「補完」された
「アヤナミスト」が数知れないのでは無いか、と思います。


さて本作「それから」は、先に「名場面」を集めていた時にも当初から念頭にあった作品だったのですが、反面、HALさんは
リナレイ系の作者としても人気があったので、他作品とのバランスその他を考え、一旦、選から外れたのですが、どうしても
触れておきたいポイントが有り、敢えて番外としてご紹介したく考えました。

それは「天使としての綾波レイ」というポイント、イメージについて、です。

本作が書かれた当時、一部の考察系のSS/FF読み手や書きての中では「綾波レイ」というキャラクターは受け手側の嗜好や解釈に
よって、そのイメージが大きく変化するキャラククターだ、というある種のコンセンサスが得られ始めており、同時に
「タイプ別綾波レイの分類」的な試みも行われていました。
そのひとつの結果が拙HPの「綾波補完委員会ーANNEX-」に置いてあるmalさんの「4人のレイ」ですね。

[4] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/10/28 00:34 (Thu) No.280


ただ、malさんの「4人のレイ」は「個人の性格」としての「綾波レイ」の分類なのですが、同時に「設定」としての「綾波レイ」の
部類も一部議論されており、例えば「本編系」「異世界系」「リナレイ」などの分類がされていたと思います。
そしてその中の「本編系」のレイを描く際の大きな分類分けとして「人間なのか、そうでは無いのか?」という分け方が
存在していたと記憶しています。
そして仮に「人間では無い」として場合、ある種「聖化するか、しないか」などもある種の分類分けになっていたと思います。

※例えばdoc_itohさんの「I burn for you」のレイは、ある種「聖化」の典型かと思います。
※反面、例えば「記憶のノート」のレイや「時が、走りだす」のレイは「人」では有りながらも「聖少女」的に描かれたレイだと
※思いますが、これはこれでまた別な観点での分析が有った(と、いうかある種もっとも批判/否定された綾波レイ)と言えるかも
※知れませんが、それはまた別途。)

私個人は当時、徹底的に「綾波レイ=少女」に拘った人間だったので、そもそもTEOEでレイが「リリス」にされてしまった
事自体が耐えられなかった癖に、反面、どこか綾波レイに「天使」というか「聖化」的な部分を感じているめんどくさい嗜好の
持ち主だったため、結果としてその両面、「少女的」なレイと「天使的」なレイが描かれる作品を好んで読んでいましたが、
同時にいつも「矛盾」を感じながら読んでいました。

そんな中、本作「それから」はそんな私の中の矛盾を解決(?)してくれる作品だったんです。
本作にはリツ子の台詞として以下のような部分も有りました。

[5] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/10/28 00:35 (Thu) No.281


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これから話す事は、あくまで状況証拠とレイの記憶に頼った推測になるのですが、レイはサルベージされました。誰の意志かは不明です。レイ自身か、シンジ君か、他の誰かか、単なる偶然か。ですが当時、人の溶けたLCLとリリスの構\成物質が大量にあった事は事実です。それを基に身体を再構\成したのではないでしょうか。証拠はありませんが、話を統合しますと最も高い可能\性です。」

「機械の力なしにか・・・まさに神の業だな・・・で、君はそれを知ってどうしようというのだね。」

「別に何も・・・知りたかっただけですから」

口にはそう言う。

『神様ね、あの時の神様はおそらくレイ。その栄光の座を捨ててあなたは何を求めたの?』

思ったのはそれだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


TEOEで「神、もしくはそれに類する存在」にされてしまった綾波レイ。
本作のレイは「リリス」で有りながら、その部分を自ら捨て去り「一人の人間の女性」として生きていく判断をしています。
当時、私はこの展開に心底安堵し、嬉しかったことを覚えています。

別に「人間」が神に勝るとか劣るとかではなく「共に生きる」ということ。
自分自身が何であろうと、相手が何であろうと、そのようなこととは無関係に「共に生きる」ということ。
それこそが「LRS」の理想なのでは?

本作の初読後、そんなことを感じたことを記憶しています。

ただねぇ、ここにある議論が有るんですよ。私的に。
貞本さんのコミック版と Kameさんの「 Holiday」、そして「Portrait」

また「EASY WAY OUT」や「PIECE」、「時が」や「記憶のノート」での「綾波レイ」。
私自身が最も望んでいた「綾波レイ」は、どのレイ?

じゃ、本当のレイはどれ?どこ?
「絆」のレイや、いっそ「秋日和」のレイは受け入れられる?

今回はそんなところで。

[6] 投稿者:ZETTON 投稿日時:2021/10/28 00:36 (Thu) No.282


あぁ、出来たらいつか「LAS」について少し書けたら、と思っています。
大したことはかけないけど、私、『LAS」には若干の尊敬というか、感謝、というか、いずれにせよ
どちらか?といえばポジティブなイメージあるので、その辺りを少し書けたら、と備忘も含めて。

では。


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【名場面】PIECE

[1] 投稿者:管理人 投稿日時:2021/6/21 00:58 (Mon) No.178


レイを助けるためにその身を盾にしたシンジ。
以来、眠り続けるシンジに、目覚める可能\性が薄いことを知らされたレイは一つの決断を下す。
そんなレイとシンジに寄り添うアスカとかつての友人達、
そして父としてのゲンドウの願い。

あの日と同じ月明かりの元、レイはその一歩を踏み出す。



------------------------------






午前0時、約束の日
三人で過ごす最後の夜。


窓辺にもたれたまま、アスカは眠っている。


夕方から窓の外を眺めたまま
一人涙を流していたアスカ。

私への気遣いからか、その顔を決して見せはしないが
時折目をこするアスカの仕種で解る。



何日も眠っていなかったのだろう・・・



開け放たれた窓から差し込む月光。
アスカの横で、暫く月を眺める。


「ごめんね、アスカ・・・」


アスカにそっとカーディガンを掛ける。


カチャ・・・


気付かれない様に、折畳み式の簡易ベッドを用意する。


コポポポポ・・・


携帯用のボンベとレギュレーターに酸素を送る。


カラ・・・カラカラ・・・

キィッ・・・カチャ・・・ン・・・


病室のドアをゆっくりと閉めると
私は碇君を乗せたベッドを押して、エレベーターへ向かった。






[2] 投稿者:管理人 投稿日時:2021/6/21 00:59 (Mon) No.179



カシュー
コォー

蒼い月の光に包まれる屋上


カシュー
コォー


ここにあるのは

月の光と静寂

そして

私と碇君と

彼が生きている証の・・・音。


カシュー

コォー

カシュー

コォー

カシュー

コォー

カシュー


シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・



呼吸器を外して碇君を抱き上げる


彼が自分より軽くなっている事に気付いたのは何時だったか・・・
溢れる涙を堪えながら、両腕に力を込める。


トクン・・・トクン・・・


微かな心音。

不安と
焦燥と
絶望と

そして、安らぎ。


トクン・・・


『レイ・・・大丈夫?』

アスカの声が聞こえたような気がする。



ごめんね、アスカ・・・わがままで・・・
私、そんなに・・・強くない・・・


トクン・・・


アスカが居てくれて、本当に良かった・・・
でも・・・


トクン・・・


碇君の居ない世界・・・
考えられないの・・・


トクン・・・



碇君を抱きしめたまま、屋上の縁まで数歩進む



トクン・・・



碇君、憶えてる?
あの日・・・あの日も二人きりだったわね・・・


トクン・・・


貴方はあの日、微笑む事を教えてくれた


トクン・・・


約束、守れなかった・・・


トクン・・・


碇君を・・・守れなかった・・・


トクン・・・


私が・・・私が死ねばよかった・・・



トクン・・・


私の頬を伝った涙が、碇君の頬に落ちる。


トクン・・・


再び彼を、きつく抱く。


トク・・・


まだ暖かい唇に
私の唇を合わせる。


トク・・・


もっと早く、こうしていれば・・・


トク・・・


碇君に・・・


トク・・・


碇君に、きつく抱きしめて欲しかった・・・



トク・・・


さよなら、アスカ。


トク・・・








あと

あと、数歩進むと

私達の存在は消えてしまう





見上げると

滲んだ月は

蒼く・・・

ひたすら、蒼く・・・



もう一度

彼をきつく抱きしめる



そっと目を閉じ

ゆっくりと



月の光に吸い込まれるように

私は

一歩、踏み出した。





































碇君・・・

やっと一緒に、なれるね・・・



[3] 投稿者:管理人 投稿日時:2021/6/21 01:01 (Mon) No.180


作者は@isaoさん。
ご自身のHPで公開されていました。
私のこのHP自体がこの作品へのオマージュなのをご存じの方もいるかもしれません。

改めて読み直してみると「時が、走り出す」との相似性が指摘出来るかもしれませんが、
@さんご自身も「時が〜」には思い入れが有る的なことを仰っていたともあるので意図的なのかもしれませんね。

引用したのはラスト少しだけ前。
少ない言葉と改行で表\現された静謐さと月明りの下、哀しくもあまりに一途なレイの想いが心に染みる場面だと思います。

ちなみに、上記引用の後にほんの少しだけ続きが有り、そこが本当のラストなのですが、実は初稿では別の言葉での
ラストだったそうです。
その言葉とは・・・・・覚えてるけど教えてあーーーげない。

[4] 投稿者:管理人 投稿日時:2021/8/12 00:50 (Thu) No.241

----以下、追加引用----------



それから・・・いつだったか・・・

僕の方が綾波より先にこの部屋に来た時
僕は勝手に、部屋の床を雑巾で拭いた。

その後、帰ってきた綾波は・・・

黙って、玄関で靴を脱ぎ、入ってきた。


そして・・・

僕がケトルを持ち込み、紅茶を入れた。
次の日、僕が部屋に来ると
綾波は黙ってお湯を沸かし始めた・・・


あの頃からだったかな・・・


それまで、綾波はベッドに座って本を読み
僕は椅子に座って音楽を聴いていたのが・・・

二人並んでベッドにもたれかかるようになったのは・・・


そして、僕が学校の帰りに偶然見つけたこのジグソ\ーパズル。
白と、青のコントラストに惹かれて思わず買ってしまった。

必然的にこの部屋で始める事になった。

最初は僕が、一人でやっていた。
相変わらず綾波は、興味無い様に本を読んでいたっけ・・・

何処だったかな・・・
僕が空のピースを持って悩んでいた時。

『それ、多分、そこよ・・・』

僕の背後から声がした。

Pati!

綾波の指した場所に、ピースは正確に埋め込まれた。






もう、8割程出来上がったパズル。
綾波と、一緒に創ったパズル。

ピースが埋め込まれた瞬間、綾波が時折見せる微笑み。
その横顔・・・


”干渉しない優しさ ”


違う・・・
干渉しないんじゃなくて
綾波は僕を・・・

「僕を受け入れてくれていたのか・・・?」

不意に顔を上げ、部屋を見渡す。


差し込む西日

括られたカーテン

きちんと折りたたまれた毛布

磨かれた床

空の郵便受

整頓されているキッチン

二つのスリッパ

二つのカップ

一緒に創っている・・・パズル


綾波・・・

だとしたら、僕は綾波に・・・

綾波に言わなければならない・・・

言わなければならない事があるんだ。

[5] 投稿者:管理人 投稿日時:2021/8/12 00:51 (Thu) No.242

@さんの「PIECE」より追加引用&紹介



冒頭から少し進んだ箇所。
シンジとレイの静かで、穏やかな、
でも確かなふれあいの描写から、



多分、私が作品として一番好きなのはKameさんの作品世界なのですが(Kameさんの作品に関しては、いつか
少しまとめて書いてみたいけど俺じゃ無理かな:笑)、でも@さんの描く世界観は、私の中ではもうちょっと別格。
そして一番好きなレイは@さんのレイなんだと思います。

@さんのレイって、それこそ超絶的に可愛かったり、もの凄く哀しく儚い存在だったり、絶妙に「ボケ」てたり、
作品毎に結構\「幅」があったんですが、でもいつでも、とても「暖かな」な女の子だった気がします。
で、どことなく「大人」な部分も感じさせる。
この「PIECE」冒頭部のレイなんかその典型ですね。

と同時に、@さんのシンジもまたTV本編のシンジよりもっとずっと「男の子っぽい」んですよね。
貞本シンジほどは斜に構\えてないけど、こちらも「暖かい」男の子、って感じかな?

そんな@さんの作品、ご自身のHPはまだ残ってはいるけれど自作は全て撤去されているんですよね。
今更だけど、頼んだら引き取らせてくれるかなぁ?
勿論ウチじゃなくて「綾展」でもいいけど。

でも、あの人のことだから「・・・私の作品なんて・・・」とか言いそうだな・・・


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