試練IF　初顔合わせ

試練IF　初顔合わせ

日時： 2024/04/21 07:52
名前： Ryu: 華々しい『凱旋』から2日後、フェンリル本部にて軟禁されていた秀作だが、ようやくその処遇が正式に決まったとの事で執務室に呼び出されていた。

勿論千鶴もその付き添いとして彼に同行している。

秀作「…」（遠慮無しに執務室のドアを開けようとするも…）

千鶴「秀作様」（小声で注意する）

秀作「…」（軽くノックをする）

？「入れ」

ドアを開けると奥にはここの『長』たる男が座っていた。一応ハワイで遠目で見ていたが、直に対面するのは初めてだ。

近くのソファーには誰か座っているみたいだが、そんな事はどうでもいい。

ゼラート「さて…順風満帆とは程遠い過程だったが畑方秀作、お前を我々『フェンリル』の預かりとなる事が正式に決定した、因みに大尉待遇となる」

秀作「…」

ゼラート「向こうでは少佐だったらしいが…まあ気にしない、というかどうでもいいのなら問題無いだろう」

秀作「フン、どうでもいいな。それよりちゃんと『奴』と戦える機会はあるんだろうな？」

ゼラート「ああ、来る時には我々は最前線で元ゼロ率いるブリタニア軍と殺り合う事になる、おそらく駆り出されるであろうお前の元同僚達諸共な」

秀作「…」

ゼラート「だが現状、何度やってもお前は『奴』に勝てん。それも一方的に、機体の性能差関係無く。はっきり言っておく」

秀作「！！！」

あんまりな物言いに激高しそうになるも、何とか抑える秀作。

ゼラート「だがそれで諦める様なお前では無いだろう。その態度から見てもそれは明白だ」

秀作「…当然だ」

ゼラート「で、そんなお前を鍛えるべくこちらとしても出来得る限りの体制を整えている」

その言葉に、執務室のソファーに座っていた2人の男がこちらに向かって歩き、秀作の前に立った。

ゼラート「まずはお前の身体トレーニングを監督する事となるネルゲだ。一応面識はあるだろう？」

秀作「ああ」

ネルゲ「パトリック・ネルゲだ」（ごつごつとした手を伸ばす）

秀作「…」

ゼラート「時には部下が代わって監督役になる日もある。お前一人のトレーニングにだけ携われる立場じゃないからだ」

どことなくゲイリーと長野を足して2で割った感じの奴かと、漫然と考えながら一応こちらも手を伸ばし握手した。（尚結構強く握ったつもりが全く相手は気にして無かった）

ゼラート「そしてこっちはイヴァン。実技担当だな。こちらも立場的にはネルゲ同様幹部級だが…代役はいない」

イヴァン「よろしく」

厳つそうなネルゲとは対照的に、薄っすらと笑みを浮かべた優男、それが第一印象だ。

秀作「アンタは俺が強くなる過程に一切関わらないつもりかよ」

ゼラート「俺も色々と忙しくてな、まあ時折付き合ってやるつもりだが…戦闘スタイルを鑑みると俺よりイヴァンの方が適任だ」

イヴァン「そういう事です秀作君。しっかり芸を仕込んであげますよ、負傷明けのリハビリがてらね」

秀作「おい、俺の事舐めているだろコイツ」

ゼラート「そんな負傷明けでも『今の』お前よりは強いがな」

秀作「…」

千鶴（秀作様……）

※ここでは述べなかったが、ラクシャータにも協力して貰い血液検査をして秀作の体質に合う物合わない物も調べ、千鶴がそれを基に料理して食生活を送る様にしている。

すぐに変われるものでもないが、それでも何もしないよりはマシと。

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Re: 試練IF　初顔合わせ ( No.1 )

日時： 2024/04/20 22:49
名前： ＪＩＮ

神楽耶「で。どう。使えそうなのかしら。アレ」

千鶴「…」

神楽耶「あら。ごめんなさい。で。どうなの」

千鶴「秀作様は御自分の目的の邪魔にならない限り、こちらの要望には最大お応えするとの事です」

神楽耶「ま。いいでしょ。せいぜい広報には役に立ちそうだし。あやし役はアナタに任せるわ。フェンリルへの出向も含めてね」

千鶴「ありがとうございます」

Re: 試練IF　初顔合わせ ( No.2 )

日時： 2024/04/23 05:44
名前： Ryu
参照： https://bbs6.sekkaku.net/bbs/emirio/&mode=res&log=22

千鶴が執務室から退出してほぼ入れ替わりのタイミングで、ノックされる執務室の扉。

神楽耶「入りなさい」

？「失礼します」

千鶴よりは若干年上の、大和撫子を体現したかの様な女性が入室してきた。

神楽耶「例の件についての報告かしら？　沙耶」

沙耶「はい。『フェンリル』に対する物資等の差配の手立てが確立しましたので、その報告を」

報告を一通り聞き終える神楽耶。

神楽耶「向こうの補給担当とも入念に擦り合わせておきなさい。ただ中々手強いらしいけど」

沙耶「はい」

報告も終えて、少しの間ティーブレイクとばかりに休む2人。

神楽耶「……はあ」

沙耶「？　どうなされました？　神楽耶様？」

神楽耶「いえ、今回のハワイへの派兵、無駄足に終わるかと思ったら、とんだ拾い物をしてくれたものね連中…」

沙耶「私も話を聞いた時は本当かと思いましたよ」

神楽耶「まあ連中にはアレを駄犬から猛犬ぐらいには躾けて欲しいけど…どうなるかしら」

沙耶「…」

※『追憶』から桐原沙耶をここでも登場させてみました。

千鶴の素性を知っていたかどうかは…まあ信頼出来る腹心として知らされていた可能性もあるでしょうが。

『試練』の時間軸でも神楽耶の側近格として行動してるとありますし、設定にもある騎士団の物資調達等の仕事以外にも、騎士団とは別口となるフェンリルの物資調達も担当すると。

騎士団側は事務総長である扇と、フェンリル側は後方支援部門総括であるハインツと連携しながら。

Re: 試練IF　初顔合わせ ( No.3 )

日時： 2024/04/23 20:56
名前： ＪＩＮ

藤堂「そうか。断られたか」

千葉「は。『南条静鶴の孫』と一緒でいいならですから。実際の拒否でしょう」

藤堂「まったく。意外と食えんな。まるで将軍そっくりだ」

千葉「やはり彼女の存在が大きいのでしょうか」

藤堂「…君は南条少佐を知ってたか？」

千葉「は。幼年学校で一度だけ」

藤堂「どう見た？」

千葉「…立派な方でした」

藤堂「…」

Re: 試練IF　初顔合わせ ( No.4 )

日時： 2024/04/24 08:26
名前： Ryu
参照： https://www.freebbs.biz/patio/patio.cgi?mode=past&no=463&user=sinseite

「連中」の反応も気になる所。

最初は御孫様の帰還で意気が上がったが、セットで「魔女の孫」が登場した事で冷や水浴びせられたかの様な雰囲気になったり。

あとは帰還直後の秀作と接触を試みるも、ゼラートによって完全遮断されてしまいそうこうする内に処遇を決められ歯ぎしりしたり。

Re: 試練IF　初顔合わせ ( No.5 )

日時： 2024/04/26 20:50
名前： ＪＩＮ

（で。どうなんだ。公方院の連中の反応は？）

（複雑だな。そもそもは「秀子様」の血統こそが公方院の嫡流とも言えるからな）

（その母上も皇家の出だし）

（ああ。公方院に女当主の先例さえあれば、間違いなく当主を継いでいたはずだ）

（だから。これまでの公方院が解体した、この機に乗じて、その新たな再興の意味でもその「御孫様」を担ごうとする向きが居てもおかしくないしな）

（その曽祖母の出身の意味でも、議長が同調する可能性も高いしな）

（それを一番警戒してるのは、今の生き残りどもだろうが）

（特に前当主の孫の秀満か。確かにあんな奴より遥かに御輿に格好そうだしな）

（「公方院の顔」をより濃く受け継いでるという意味でもな）

Re: 試練IF　初顔合わせ ( No.6 )

日時： 2024/04/27 07:17
名前： Ryu

旧日本系勢力の中でも、場合によっては新たなる「公方院家」の象徴として秀作を担ぎ出そうとする動きに、日本軍再建の象徴として彼を担ごうとする連中が同調・連携しそうな感じですかね。

そして現公方院の生き残り達はそうはさせじと考えたり…秀作当人は「知るか」の一言で終わっても、それ以外はそうはなれないものでしょうが。

秀満については「神輿としても使えない」（能無しだけならまだしも、素行も大いに問題あり）のか、「神輿にするには扱い難い」（頭は切れるし素行も問題無しだが、野心も強くて逆に制御しにくい）のかどちらなのだろうかと。

Re: 試練IF　初顔合わせ ( No.7 )

日時： 2024/04/27 11:24
名前： ＪＩＮ

（秀満は決して馬鹿ではない。だが野心を隠せないし、あらゆる意味で危険な奴だ）

（それ以上に奴には問題がある。奴には秀信殿の血すら無いかもしれないという物だ）

（秀信殿か息子には男子が作れず、夫人に他の男をあてがったという奴だな。あるいは二代続きで）

（ああ。奴の顔には公方院に特有の特徴が無い）

（まあ普通ならそういう事もあるで済むが、明らかに公方院の特徴を持つ秀作殿と比べれば歴然だ）

（秀満にとって一番腹立たしい所だろうな）

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