零号機

雨のち晴れ

[1] 投稿者:管理人 投稿日時:2021/6/5 21:23 (Sat) No.151


とある放課後、シンジとアスカ、二人一緒の下校途中に突然降りだした雨。
なんとか軒下に逃げ込んで雨宿りしていた所へ駆け込んできたのは、あの「空色の髪の少女」。
雨に濡れた二人の美少女に挟まれた「思春期シンジ」の運命は?

**************

とかなんとかうざったいやりとりをしていても、シンジ、男だった・・・。

アスカもびしょぬれになったのだ。当然、濡れて身体に張りついた制服が・・・(以下略)。

「エッチ、チカン、ヘンタイ!しんじらんない!」
「いかりくんのばかぁ」
 響き渡るビンタの和音。

 ♪
 
レイとアスカが二人、影を並べて歩いている。
水たまりに赤い夕陽が浮かんでいた。

「ねぇ、アスカ」

空き缶を蹴って、レイがアスカの方を見た。

「なによ」
「あのね、さっき、言おうとしてたこと思い出したの」
「・・・ああ、で、なんだったの?」

てへへ、と笑ってレイは、続けた。

「雨ってみんなだいたい憂うつだって言うよね。わたしたちもいったよネ」
「うん・・・まあ、そうね」
「でも、そんなときでもこうやって三人一緒にいれば楽しいねって言おう
 と思ったんだ。雨宿り・・・もいいよね」
「・・・・・・」
「・・・わたしって、寂しがりやかなぁ」

水色の髪を風に揺らして、レイは、空に微笑む。
アスカの瞳に少し迷いのようなものが浮かんだ。すぐにそれは消え、
アスカも優しく微笑んだ。

「ううん・・・アタシもそう思うもの」
「じゃ、いっしょね」
「うん」

二人は、笑った。そして後ろを振り向く。
三歩あとを両方の頬を腫らしてとぼとぼと歩くシンジが見えた。
アスカとレイは、目を見合わせてくすりと笑う。

「バカシンジ!」
「碇君!」

夏の始まりを告げる風は、まだ、ちょっぴり冷たかったけどけど、
とてもやさしく吹いていた。

よりそうみっつの影。
やがて、ふたつになり、いつか、ひとつになるんだろう。

[2] 投稿者:管理人 投稿日時:2021/6/5 21:25 (Sat) No.152


HD漁って選んだ最初の作品はこれ。

学園物。発表\時期は確かTEOEの直前もしくは直後位。作者さんはKIDさん、だったかな?
ご自分のサイトではなく、確か「Air Plus」というサイトへの投稿策だった記憶があります。
リナレイ的なレイですが、とにかく幸せそうな3人の姿が嬉しくて、キツイSS/FFなどを読んだ後の精神安定剤替わりに
何度も読み返した作品でした。

ちょっと固い話になりますが、私はLRSが大好きではありますが旧劇の先にシンジとレイがただ単に
再会出来たとしても、そう簡単には上手く行かないだろうな、とずっと考えてました。
つまり身も蓋も無く言うと「単純なLRSにはリアリティが無い」と思ってます。

でも、3人で日常を共有出来たら、そうすればきっとそんな未来もあり得るかもしれない。
この作品での3人は、そんな未来を予\感させてくれます。

でも、もしかしたらシンジはアスカを選ぶのかもしれないけど、それもそれでレイの未来なので。





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