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戦場IF ロンスヴォーとw-ZEROの対面…8
日時: 2020/11/28 18:06
名前:

戦場が焦れていた頃………眼帯を付けた軍師が命令を下した。



ライルは鹵獲されたグロースターと切り結んでいた。やはりいるところにはいるのだろう……使い手は。

ライル「っ………強い!」



クラリス「噂の第八皇子様、本当に強いこと!」

二機は互いに一歩も譲らず、一進一退であった。



クリスタル「もう、私一人じゃ裁けないわよこの数は!」

ヘリがいるとはいえ、やはりKMFは目立つ。しかも飛行型だ。敵が集中してくる。

クリスタル「地上に降りてハドロンスピアーを撃つことも出来ない………ん?」



突然、いくつかの爆発が起こった。それはE.U.とブリタニアの双方を巻き込む。


ライル「これは……列車砲だと!?」

ファルネーゼ「味方を巻き込むのを前提に!?」



バルディーニ達の陸上艦にも砲撃が届き、一隻の中型艦が大破する。

「将軍!後方の部隊が無許可撤退をしていきます!!」

バルディーニ「何!?」



「冗談じゃねえ!」

「やってられないわよ!イレヴンと外人部隊が死になさい!」

が、我先にと逃げだそうとした部隊は運悪く列車砲の砲撃で粉々になった。同じく逃げようとした大型艦までだ。

「早く後退しろ!イレヴン共や外人部隊に任せて…」

「艦砲直撃コース!」

「何!?ヘ、ヘリを出せ!逃げるんだ!はや…」

指揮官が言い終わるより先にブリッジに艦砲が直撃した。



デルク「バカが!着弾予測範囲も推定できていないのに逃げるからだ!」

とはいえ、これでは何時巻き込まれるか分かったものではない。



スザク「ちっ!!!」

スザクは切りがないと判断し、距離を置いてハーケンブースターを解除した。四基のハーケンが『ハンニバルの亡霊』に襲いかかった。


アヤノのアレクサンダは左腕、ユキヤの機体はライフルを、リョウはミサイルポッドを潰された。しかし、アキトのみはトンファーではじき返した。

アキト「は!………」

一瞬だけ、アレクサンダの動きが鈍ったのをランスロットが見逃さなかったが……無頼改が割って入った。

浅海「早く後退して!」

今度は無頼改がランスロットと切り結ぶが、性能差が激しく圧されている。



浅海「こ、これが枢木スザク!」

なんて強さだ。ライルと同等…いや、それ以上かも知れない。強いのはランスロットではない、彼も強いのだ。

一旦距離を置くと、またも着弾だ。



ライル「えぇい、雛!狙えるか!?」

雛「狙えるけど、この状況じゃあ本陣に切り込めないわよ?」

スザク〈軍師から撤退の許可が下りている!一時撤退だ!〉

撤退……確かに、この乱戦状況ではやむを得ない。

ライル「よし……全軍ゼットランドの砲撃に合わせて後退!」



ファルネーゼ「……は!」



シン「青二才なりに、考えているようだな。」



ゼットランドの破格の砲撃はE.U.のKMFと戦車をなぎ払い、前線に展開していた陸上艦も一隻足を失った。



バルディーニ「………これ以上は不可能だ。全軍、速やかに後退。追撃は警戒しろ?」



デルク「ちっ、結局また死んだのは外人や日本人か!」



レイラ「………結局、押し返すことなんて出来なかった。ただの消耗戦………」



マスカール「………統合本部と政府は将軍を前線から遠ざけようとするでしょうね。」

バルディーニ「それですめばマシだ。難民保護地区や『ロンスヴォー』の管理まで手放されれば、おそらく……」

『WAR』のwの字も知らないようなボンクラ息子共が溢れかえり、本物のハリボテになってしまう。

マスカール「私からも敵前逃亡を図った連中を誇張して報告を入れておきます。この部隊だけでも存続をさせませんと。」

バルディーニ「ああ、例の枢木スザクを食い止めた日本人の少年達の働きも付け加えろ。可能であれば、彼らは1つくらい昇進させてほしいが。」

マスカール「無理ですね、ピエルス大佐が准将になってしまいます。」

だろう………本人は不本意極まりないだろうが、父親の意向でそれを辞退できない。出世できなくても、また自慢話にされるだろう。

バルディーニ「日向中尉達のように国をなくした者と、ピエルス大佐のように守る価値のない国の権力の椅子に座る親の自慢話にされる軍人……どちらが不幸なのか。」



池田「生存者は?」

「我が隊は、全体の二割を失いました。」

池田「そうか…」



「てめえら、この役立たずのイレヴン共が!」

「あんた達がカミカゼしなかったせいで死にかけたじゃない!」

『ワイヴァン隊』はまたも詰め寄られていた。しかも、無茶な責任転嫁ばかりだ。

クラリス「いい加減にしなさい。」

「ピ、ピエルス大佐?」

クラリス「アレが戦争よ……ただ銃を持ってお散歩して帰ってくるだけだったあんた達と違って、前線ではああいうことが当たり前なのよ!分からないなら、さっさと辞めてしまいなさい!あんた達のような本物の役立たずより、この子達の方が万倍役に立つわ!」

クラリスの迫力に圧され、正規軍の兵士は下がった。

クラリス「ごめんなさい、私も前線にあまり出られないからとやかく言えないんだけどアレはね。貴方達に十発くらい殴らせてあげたかったけどそうしたら、あのドラ息子共はね…」

リョウ「………そういうあんたはブリタニアの皇子様と楽しそうにダンスしてたじゃないの?」

クラリス「ええ、邪魔が入らなければもう少しでダンスのリードを取れたかも知れないわね。」

行村「おお、ピエルス大佐。ここにおられましたか……」

レイラが敬礼をすると、行村は一応返礼をする。

行村「君達、この様なブリタニア人の指揮官などよりこの私に着きたまえ。私は『奇跡の藤堂』やゼロを凌ぐ存在だ…実際に今回の戦闘でもほぼ無傷だった。

ユキヤ「そりゃ、あんたの部隊は後ろだったからね。砲撃が始まった時にも、真っ先に逃げようとしてたんだし。」

行村「何を言うのかね、私は日本を解放するために戦っているのだ。こんな場所で死ぬべきではないのだよ。」

そう来たか……だが、全員が悟った。こいつはただ誇大妄想と虚栄心にしがみついているだけの小物だ。

レイラ「行村中佐、彼らの転属を決めるのは司令部です。貴方にはその権限がありません。」

行村「ほう?マルカル中佐…君はそこそこ優秀だが、若いな。司令部にパイプを作るのも必要な事なのだよ?君とそこの香坂准尉、ピエルス大佐のことは私に…」

レイラの肩に手を回そうとするが、レイラは見事な合気道で払いのけた。

行村「ぐあ!お、おい何をしている!このブリキ女を取り押さえろ!日本人だろう!」

アヤノ「なんで?ウチの司令官に変なちょっかい出したんだし、アレは正当防衛よね?」

アキト「中佐、彼女はマルカル家のご息女です。政府や軍にも多少なりと影響力はありますから、これ以上は辞めた方が貴方と部下のためになるかと…」

行村「!……えぇい、覚えておれ!この裏切り者共が!」

三流の捨て台詞を吐き捨てて去った行村を見てクラリスは…

クラリス「忘れて良いから。」



ゼラート「というわけだ……真っ先に逃げようとしたお前達のことは報告しておいた。」

「ぐ……おのれ亡命者の分際で!」

ゼラート「そういう文句は上に言って頂きたい。」



海棠「はあ、『w-ZERO』の坊や達に迷惑掛けやがって。酒でも奢るか?」

セーラ「未成年ばかりですから、紅茶とかコーヒーにして下さい。」

彼らの部隊は海棠がバルディーニの肝いりだと思われているのか、文句は来なかった。が、代わりに行村が『w-ZERO』に絡んできたのだ。

橋本「なんで、あいつが流れ弾で死ななかったんだ!」

土田「気持ちは分かるが、抑えろ。」




その後、この戦闘は敵前逃亡を図った挙げ句に死んだ部隊に全ての責任を押しつける形でかたが着いた。一応『ユーロ・ブリタニア』の侵攻を阻止したこと自体は成り立つが、今回の昇進は全員が見送られた。政府や軍のお偉方がうるさかったのだろう。

『w-ZERO』も今回は一応の役目を果たしたということその物は認められ、追加予算とアレクサンダの予備パーツは調達が適った。が、それだけだ。

良かったこととすれば、今回はバルディーニが少人数であり、基地の防衛戦力を返すという名目で優先的に彼らに帰還手段が提供されたことだ。前の事件が彼の耳にも入っていたから、彼が直接手を回したらしい。

リョウ「ったく、あのおっさんの半分くらいは真面目にやれってんだよ!!」

アヤノ「早く帰れるんだから、いいじゃないの。」

ユキヤ「正規軍の皆さんと早くお別れできたしね。」



レイラ「アキト?」

アキト「いえ、アレが…枢木スザクが少し気になっただけです。」

レイラ「枢木スザク……元日本首相の息子。」

彼は、どんな理由で名誉ブリタニア人になったのだろうか?……ブリタニア内での自身の地位?それならば、もう充分すぎるほどなのに。



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Re: 戦場IF ロンスヴォーとw-ZEROの対面…8 ( No.1 )
日時: 2020/11/28 22:56
名前: JIN

とにかく厄介なのがスザク。

本来なら政治的な神輿くらいで十分なのに、彼自身が最強の戦士だから始末が悪い。

またブリタニア内部の勢力拮抗状態からして、彼一人でキングメーカー級のキャスティングボードを握っているだけに。
Re: 戦場IF ロンスヴォーとw-ZEROの対面…8 ( No.2 )
日時: 2020/11/29 21:26
名前:

主義者にとってはスザクも『フォーリン・ナイツ』も味方にしたいでしょうね。

設定上、ライルは主義者勢力にとっては同志にしたいか或いはブリタニアの専横の象徴として捉えるか二分されているところ。
Re: 戦場IF ロンスヴォーとw-ZEROの対面…8 ( No.3 )
日時: 2020/11/29 21:37
名前: JIN

どちらにしてもブリタニア内部を分断するための貴重な駒にはなりそうですよね。

いっそそうした主義者のキャラも面白そうですが。
Re: 戦場IF ロンスヴォーとw-ZEROの対面…8 ( No.4 )
日時: 2020/11/29 22:52
名前:

ライルや他の皇族達の追撃を逃れて、本国からE.U.、『黒の騎士団』という本国系の貴族や軍人も確かにアリだった。
Re: 戦場IF ロンスヴォーとw-ZEROの対面…8 ( No.5 )
日時: 2020/11/30 22:29
名前: JIN
参照: https://bbs6.sekkaku.net/bbs/giass/&mode=res&log=118

それこそ元祖はブライスガウか。

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