トップページ > 過去ログ > 記事閲覧
世にも珍しい、ぶち切れ有紗
日時: 2020/08/10 20:46
名前:

※本編ガン無視のギャグ。抵触するのなら、消して結構です。



政庁の厨房を借りた有紗はライル達の食事を準備していた。

そこへ、元コーネリアの親衛隊が現れた。ライルによれば、実力は申し分ないが性格は典型的な貴族らしい。

「貴様、ライル殿下の飼っているイレヴンだな?」

有紗「……そうですけど。」

「ふん、東洋の猿が作る代物などたかがしれている。」

有紗「どう言おうと構いませんが、邪魔だけはやめてください。これは兵士の口に入る食事です。」

「は!なるほど、毒を混入する訳か。ならば阻止せねば!」

大人げない理屈を翳し、鍋をひっくり返した。

「おお、これは失礼。違ったのか。」

「イレヴンの不始末だ……自分で始末をつけるのだな。」

「せいぜい女の武器で殿下のお怒りを沈めることだ。」

言いたいことだけ言って帰る……と思われたが。

がしっ

有紗「ちょっと…待ってくださる?」

「ん?なん………だ………」

彼らの目に見えるほどの凄まじいオーラが有紗から放出されていた。

有紗「これ……三時間前からじっくりと出汁を取って、灰汁を取っていたんですよ?」

「さ、三時間?」

有紗「それに……苦労して作った食材を提供してくれた農家の人達に、申し訳ないと思いませんか?」

「い、いや…それは……」

有紗「コーネリア総督の親衛隊で各地を回ったくせに、戦場で食料がどれだけ貴重かも分からないんですか?」

「い、いや…分かって…」

有紗「言い訳無用!!」



有紗「こら!ジャガイモの芽が残っている!」

「は、はい!」

有紗「そこ!タマネギは表面から数枚分むけば良い!!」

「失礼しました!!」

有紗「野菜からは甘みが出るの!灰汁を丁寧に!!」

「も、もうしわけございません!」

有紗の凄まじい迫力に圧された三人は料理を作らされる羽目になった。かのコーネリア皇女殿下の親衛隊がイレヴンの少女に恐れをなしたという醜態だ。

有紗「コーネリア様の遠征軍にいたコックの人達は毎日、こういう苦労をして戦場で戦う兵隊の料理を作っているの!私達の場合はナンバーズ出身の人達にいつ死ぬか分からないから、故郷に限りなく近い料理を作ってあげる!その分、試行錯誤があるのよ!!」

貴族の彼らはこれまで、皿洗いや野菜の皮むきだってしたことがないお坊ちゃんだ。まさか、下々がやりそうな仕事がここまで過酷とは。

有紗「私だって、毎日やっているわけじゃないけど…やるからには手を抜かないの!!戦場でおいしくて栄養をつける料理はKMFや銃、剣の手入れと同じなの!軍隊のコックにとっては厨房こそ戦場なの!!食材を無駄にすれば、あなた達だって戦えずへたすれば飢え死によ!!」

「イエス・マイ・ロード!!」

そこへ、彼らの上官がやってきた。

「おい、貴様コーネリア殿下の親衛隊に何を…」

有紗「邪魔よ!後にして!!」

「な、いくらライル殿下の侍女だからとはいえ…」

有紗「うるさい!!今、大事なところなのよ!引っ込んでなさい!!」

「ひ!!た、大変失礼いたしました!!」

逃げてしまった。



トマトスープとローストポークにサラダ、パンのセットを作って、彼らは実際に食べた。

「美味い……」

「苦労が報われたとはこのことか……」

「くっ……イレヴンごときの指導で、しかし…もっともすぎる。」

有紗「少しは食材の大事さが分かった?普通の家庭じゃおかずの残り物だって、工夫が出来るんです。今回のローストポークだって、色々な工夫でサンドイッチの具になるんですから。」

「はい…」

「誠に勉強になりました…」

「ごめんなさい。」



洗い物でも徹底的にしごかれ、ようやく解放された彼らは……

「普段、怒らない人間ほど怒ると恐ろしいものだな。」

「あんな恐ろしい娘と夜を共に出来るライル殿下は凄いのか。」

「まさか……殿下の軍の方々も怒らせたことがあるのでは?」

その通りです。『ブラック・リベリオン』の前にライルもとばっちりを食ったとか食わなかったとか。その後…尾ひれがついて、飯田有紗はライル軍の影の支配者というあだ名がついたとか着かなかったとか。

そして、無事生き延びた彼らは今回の件で料理に目覚め、貴族制廃止後に除隊。各々の料理店を開いた。

彼らは有紗を『我が師』と仰いでいたそうな。




ライル「正直、あの時の有紗は怖かった。あの状態なら、ルーカスどころか『ラウンズ』の方々だって服従していただろう……」

ヴェルド「げ……あんた、そんな恐ろしい嫁さんによく耐えられんな。」

ライル「愛しているからか?普段怒らない分、怒るとものすごく怖いんだ。」

雛(日常的にキレているあんたも充分怖いけどね)




元ネタはこち亀に出てきたホンダラ親父の奥さんです。両さんもアニメで「お前、こんな恐ろしいハニーによく耐えられるな」と感心していました。うろ覚えですが、向こうは潔癖症で両さんとホンダラ親父、押し入った強盗に掃除をさせていました。しかも滅茶苦茶強いです。




※みんなも食べ物は出来るだけ無駄遣いしないようにしましょう。特に、今熱いのでにんじんなどはあっという間に駄目になってしまいます。常温保存ならば新聞紙などにくるんでおきましょう。キノコは冷凍がおすすめ。

Page: 1 |

Re: 世にも珍しい、ぶち切れ有紗 ( No.1 )
日時: 2020/08/12 12:51
名前: JIN

まさに逆鱗。
Re: 世にも珍しい、ぶち切れ有紗 ( No.2 )
日時: 2020/08/12 21:16
名前:

「良いか、我が師の前で食べ物を粗末にするな?」

「師は我々に食料の大切さを教えてくださった。」

「我らが戦場で戦えるのも、農家の苦労あってなのだ。」

クラウディオ(そんなにあの少女は恐ろしかったのか…)
Re: 世にも珍しい、ぶち切れ有紗 ( No.3 )
日時: 2020/08/15 12:56
名前: JIN

暑い熱い厚い。

昔の教育漫画で違いをやってました。
Re: 世にも珍しい、ぶち切れ有紗 ( No.4 )
日時: 2020/08/15 21:35
名前:

小学校の教科書で厚いの反対で寒いを選んで間違いを指摘される話を国語の授業で読みました。あの頃はよく分からなかったが、『厚い』の反対語は『薄い』ですね。
Re: 世にも珍しい、ぶち切れ有紗 ( No.5 )
日時: 2020/08/20 22:22
名前: JIN

とにかく「暑い」が最高潮の現在ですが、どうか皆様も御大事に。
Re: 世にも珍しい、ぶち切れ有紗 ( No.6 )
日時: 2020/08/29 13:30
名前:

ライル「うう……少し気温が下がったと思えば、また急激に………これはきつい。」

優衣「私達との夜はいくら熱くても良いのに…」

ライル「もう、今日はげんこつを入れる気力もない。」

少し涼しく感じたら、また暑くなるのも身体に悪いので気をつけましょう。
Re: 世にも珍しい、ぶち切れ有紗 ( No.7 )
日時: 2020/09/02 22:20
名前: JIN

少し下がってきましたがそれだけにお気を付けを。
Re: 世にも珍しい、ぶち切れ有紗 ( No.8 )
日時: 2020/09/10 23:29
名前: JIN
参照: https://bbs6.sekkaku.net/bbs/giass/&mode=res&log=24

蓬莱島編以後の彼女の印象。


「盗人の飯を食らう共犯者」。


だから当然に虐殺死刑。

生きたまま顔面から鋸引きにしてやりたいくらい。

Page: 1 |