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大人達の晩酌模様
日時: 2020/07/15 15:15
名前:

ライル軍の場合

半舷休息中、ゲイリーは長野を読んで酒を飲み交わしていた。今回は長野が手に入れた日本酒だ…

ゲイリー「ふう……大分日本酒の味わいが読めてきた。アジア人の主食である米で酒とは驚いたが、考えてみれば麦も酒になるからな。」

長野「主食の原材料を、という意味では東洋も西洋も同じでしょう。」

ゲイリー「………で、若い連中はどうだ?」

長野「ええ……パイロット達は皆、努力しておられます。まあ、負けん気が強いというか、特定のタイプへの敵意が強いのが問題ですが…」

ゲイリー「それは向上心に繋がるだろう?殿下は口癖のように言っておられた。『人種や爵位で威張るブリタニア人より、見返してやろうという庶民やナンバーズの方がずっと頼りになる』と。」

長野「皇族らしからぬお言葉ですね。」

ゲイリー「ナンバーズにまで広めるのはどうかと思ったが、お前や畑方を見ているとそれで良かったと思える……それ、注いでやる。」

長野「どうも。」

租界で買ったつまみをかじりながら、それとない談笑をかわす二人。

ゲイリー「長野……お前は娘がいるそうだが、どうなんだ?」

長野「ええ、来年には高校生という年齢です。枢木郷も通っておられた、アッシュフォード学園の入学試験を受けておられまして。殿下も取りはからってくれました。」

ゲイリー「高校か……息子達にはそうした生活など殆どさせなかったから、娘だけでも比較的自由に育てているのだが、息子達には贔屓扱いされているようだ。」

長野「皇族の側近も育児という戦争では無能、ですか?」

ゲイリー「うるさい。畑方の後見人をしているのも自己満足なのは分かっている……」

長野「その畑方は?」

ゲイリー「ああ……息子達や使用人達とも何とかやっている。児童向け番組をたまに部屋で見ているそうだ。」

長野「児童向けの番組さえ殆ど見せてもらえなかったのですか…」

ゲイリー「親として私は相当駄目な部類だと思っていたが……相手がナンバーズでも哀れみを禁じ得ん。」

幸い、秀作は大分打ち解けており…息子達と食卓を囲む時間も何とか作れている。

長野「心底嫌っているわけではないのでしょう……将軍こそ、一区切り着いたらご子息方とアウトドアや旅行でもしたらどうです?」

ゲイリー「旅行か……たしかに、それもいいだろう。」




バルディーニ・海棠の場合

『ロンスヴォー』の任務は今回『も』なく、海棠とバルディーニは訓練規定を終えて、酒を飲んでいた。上物のバーボンだ。

海棠「どうも、将軍自らごちそうしていただけるとは。」

バルディーニ「いや、気にすることはない。部隊の方は?」

海棠「ウチの子達はみんな、真面目に頑張ってますね。市民兵組も極一部は頑張ってるんだが、後はねえ。」

イレヴンの海棠の部下ということ自体が気に入らず、階級が下なのにE.U.市民の自分が偉いなどと屁理屈以下の理屈をごねる始末だ。

海棠「ウチはウチでサクラダイトや枢木政権のプロパガンダで駄目になった挙げ句に意味のないカミカゼしまくりで終わってたが……」

バルディーニ「分かるだろう?300年間のぬるま湯のツケが回ってきたんだ……未だに戦争を上流階級のステータス程度にしか認識できないバカ共があふれている。」

もっとも、ピエルス大佐のような極一部の上流階級出身者は真摯だし、実力もある。実力が多少低くても、低いなりの努力を模索する人間もいる。イレヴンだからと文句つけてもやることはやるだけ、遙かにマシだ。

バルディーニ「いっそのこと、ブリタニアの領土になってしまった方がすっきりするのだがそうなったら割を食うのは一般市民だ。奴らは絶対に自分達だけ助かるように手を回す。」

海棠「ったく……キョウトの爺さん達にも言ってやりたかったよ。その恩恵を少しでも受けた俺が言うのもどうかと思うが………やっぱり思わずにいられませんよ?政庁からKMF買う金があれば、ゲットーの復興資材をどれだけ買えるんだろう?ってね。」

軍人が守るのは威信や国土よりも市民の命と生活……そう考える海棠にとっては『日本解放戦線』でさえ自己満足の集団にしか映らない時があった。もしかしたら、藤堂さえも。

海棠「っとま、辛気くさい話はやめましょう……」

バルディーニ「では、大佐。君は結婚する気はないのか?知り合いにはイレヴンでも気にしない人間はいる……」

海棠「よしてくださいよ、俺みたいなおっさんが美人のお嬢さん貰ったら婦女暴行になりかねませんって。」

バルディーニ「既にナカタ准尉で半分婦女暴行の疑惑があるぞ?」

………確かに、セーラは子供達の中では年長だ。しかし、まさかそう思われていたとは。

海棠「娘に手ぇ出す親父って……あたしゃそこまで腐ってませんって。」

バルディーニ「だが、親のお前に落ち着いて欲しいのは、彼らの方ではないか?」

海棠「ああ……もう。ウチの連中もよく言うんですよ。いい加減、結婚相手見つけて少し身なり整えろって。」

バルディーニ「全く……なんでこんなボンクラな父親があそこまでしっかりした子供達を育てられたのやら?日本の七不思議かもしれん。」



0083のバニングとシナプスの感じで行くと、年齢的にも彼らになりました。

大人でも比較的若いシルヴィオと木宮……或いは大人になりかけのライルとバカ二匹の酒模様も描けたら書きたいかも。

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Re: 大人達の晩酌模様 ( No.1 )
日時: 2020/07/16 21:19
名前: JlN

一番最後の着地に失敗した印象の強い海棠。

鞍替えするならいっそスザクの下に付けるくらいすれば良かったのにって。
Re: 大人達の晩酌模様 ( No.2 )
日時: 2020/07/16 21:46
名前:

ううん

因みにJINさんなら、海棠が軍人故に日本を見限るならどんな風にしました?私の頭では多方面で意識の低下した日本人を大勢見て、名誉ブリタニア人になった人々に対する迫害を予感したために……要するに逆戻りしか見えなかった。

とかその程度しか出てきません。
Re: 大人達の晩酌模様 ( No.3 )
日時: 2020/07/18 12:34
名前: JlN

実際には扇駄目出しの一環にしか見えなかった。

それ以外はどうでもいいってくらいに。


実際その後は完全に「用済み」扱いだったし。
Re: 大人達の晩酌模様 ( No.4 )
日時: 2020/07/17 11:58
名前: Ryu
参照: http://bbs1.sekkaku.net/bbs/44010916/&mode=res&log=8226

便乗する形で彼等の晩酌模様を。時期的には『亡国』ストーリーが終わって間もない頃の話。



ベラルーシ州のある戦場跡、ゼラートの隊はある部隊と合同でユーロ・ブリタニア軍と一戦交え駆逐し、事後処理を行い周囲の安全を確保した後、ちょっとした交流会を行っていた。



ウェンディ「向こうは盛り上がってるわね…」(男性陣の集まりを見ながら。尚、女性陣は女性陣同士で集まって話している)

「ええ、身内だけで騒ぐのも飽きが来ますし、まして今回は貴女方と一緒と聞いてウチの男共のテンションは上がりっぱなしで…」

「こっちとしても、この機会に色々と聞いてみたい事とかもあるしね」

アレクシア「へぇ、女子会って奴? いいよ勿論! 話せる内容ならじゃんじゃん喋っちゃうし!」

(無論ここにはイロナ等他の女性陣もいる)



アサド「アレ? 中佐は一体どこ行ったよ?」

ジョイド「あ、丁度いい所に……あのすみません、少し宜しいでしょうか? チャンドラーさん?」

チャンドラー「ん、どうした?」

ジョイド「ウチの隊長が何処に行ったかご存知でしょうか?」

チャンドラー「ああ、今ウチの隊長と2人で酒盛りの最中だよ」

アサド「へぇ…バルテルミーのおっさんと2人……」

チャンドラー「それよりこっちもお前達の事探してたんだ、お前ら3人組の今いない1人を引き取ってくれないか?」

ジョイド「……はい、了解です」

アサド(クラック……飲みすぎて潰れたんだろうな)



バルテルミー「こうして酌み交わすのは久方ぶりだな?」

ゼラート「…ああ、偶にはこういうのもいいだろう」

部下達の喧騒の場から少し離れた所に、2人の隊長が居た。各々上物の酒類を用意している。

バルテルミーは持参したワインボトルを傾けゼラートのグラスに注ぎ、ゼラートはボトルを受け取り今度はバルテルミーに対し同様の事を行い、互いに飲み干した。

バルテルミー「中々サマになっているじゃないか。ククク…かつて顰めっ面で飲んでいた頃からは想像付かんな」

ゼラート「あの頃と比べると、精神的には余裕も出来たものでね」

バルテルミー「言ってくれるな」

互いに酒を飲みつつ、互いの近況報告やら自分が得た情報と相手の情報の擦り合わせ等を行っていた。

個人としても一部隊の隊長としても有意義な会話を交わしていた最中、バルテルミーが最後の情報を伝えた。

バルテルミー「…クバルスキがくたばったらしい」

ゼラート「…そうか」

バルテルミー「この業界では珍しく良い奴だったがな」

ゼラート「同感だ」

ゼラートは別のグラスを2つ用意し、バルテルミーのグラスにウィスキーを少量注ぎ、また同様にバルテルミーもゼラートのグラスにウィスキーを注ぎ返した。

ゼラート「……ヒョードル・クバルスキに、献杯」

バルテルミー「献杯」



※ゼラートと面識のあるアーブ傭兵軍コンビの内、バーバラとの絡みがひたすら目立ってますが、まあバルテルミーとも面識はある以上、こういう事があってもおかしくは無いかなと。

それこそ駆け出しの頃、バーバラ共々当時目上の同僚であった彼に世話になった事もあったり?

チャンドラーはバルテルミーの副官で、リンク先から拝借しました。
Re: 大人達の晩酌模様 ( No.5 )
日時: 2020/07/18 12:38
名前: JIN

ゼラートに比べて「政治的」な理解力も高いというのがバルテルミーですね。

チャンドラーは正規軍崩れで、まだその時代の尻尾がいくらか残ってるって感じでしょうか。

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