我らは考えを改めた。麻薬組織を公認する用意がある。
但し、アメリカ諸州同盟への政治的配慮が必要であるし、カリブ海に与える治安悪化に伴う影響でパナマ運河を航行する船舶の安全が脅かされ、便数が減少している。海賊により被害を被ったとの報告が連日なされている。

そこで帝国として提案がある。
かつて我が帝国軍は第二次大戦時に於いて資金面に優る米英に勝利するべく、戦費の財源として麻薬に注目した。そして黄金の三角地帯と呼ばれる麻薬製造地としてタイ、カンボジア、ビルマなど東南亜細亜を選んだのだ。英国側も古くは清とのアヘン貿易に始まり、第二次大戦時もパキスタンなど中東亜細亜にて行っていた。
帝国政府は管理の下に置かれること、すなわち大東亜共栄圏の円ブロック経済圏内での流通に限ることを前提とするなら麻薬を製造、販売することを許可する。可能であれば政府として販路拡大に手を尽くそう。
単刀直入に申し上げる。麻薬カルテルを東南アジアに作る気はないか？

なお中南米に麻薬組織を拡げることは事実上困難といえるし、伯剌西爾に近い地域への英国の介入を招くことは我が国の方針としても極めて懸念すべき事項である。東南アジアならば彼らは手も足も出ないであろうし、アメリカに至っては裏庭であるカリブから組織が去ることを歓迎することだろう。

我々は先祖から代々受け継がれてきた伝統を捨てる気は無いが、カリブ海における海賊活動・・・ジードの所業であるが我々は諸州同盟からの攻撃を今後一切無くす事、我々の存在が認められることが達成されればカリブ海に於ける襲撃は今後抑えることとする。
また、麻薬栽培に関してだがこちらから生産・栽培に長けている者を派遣することが出来る事も伝えておく。

また、この場を借りて諸州同盟に通告する。
我々は貴国に危害を加えるつもりは無い。
貴国は我々を認めればアンティル諸島に於ける安全は我々が保障すること、そして我々から麻薬は密輸しない。その中でもしあるとすれば我々に反発するカルテルであろう。
また、この拒否は我々の独断でありコロンビア・カルテル、メキシコ・カルテルは関係がないことを宣言する。

我々自身が貴国の管理下に入る気は無いし、コロンビアから動くことも論外であるが、東南アジアに於ける麻薬生産及び販売には十分な関心があることを教える。

東南アジアにはタイのバンコクを中心に我々の姉妹組織である「三協会」が活動を行っており、従来までアジアに於ける業務をアウトソーシングしていた。よって東南アジアに於いて貴国の支援を頂くのであれば、麻薬生産及び販売を貴国の管理の下、彼等に委託したい。ただし貴国の管理に入るのはあくまでも麻薬生産及び販売に関する事業のみであり、所謂暗部の仕事に関しては貴国が干渉することは望まれないことをお伝えする。

また、我々を公認し、国家に準する格式を頂けるのであれば、我々コロンビア麻薬カルテル連盟は日本国籍の船舶のパナマ運河の運行を全力で保護しよう。我々の価値観を理解して頂いた君達に対する好意と考えて頂きたい。

長き付き合いになるであろう日本帝国諸君の賢明な判断に期待する。

　“外交部”とはね！神に呪われた薄汚い混血どもの汚らわしい犯罪組織が“外交”とは！……全く笑わせてくれる。貴様等のような骨の髄からの犯罪者、ハイエナ、蛆虫が“約束”を守る事を期待する愚か者がどこにいる？話にならん。
　栄光あるステイツが貴様等を対等な交渉相手とするなどと言うおこがましい考えを、白痴の脳髄のどこで思いついたか知らんが、とっとと武器を棄てて投降すれば、我々は貴様等には勿体ない事だが、裁判を受けさせてやる事になっているのだから、まだ生き残る確率は上がるというものだぞ。

ふん、諸州同盟は外交部も持たないとは！
一介の大将が罵しるのが外交と！
我々よりも質が悪いな！笑わせてくれる。
栄光あるステイツ？恥知らずのステイツの間違いじゃないのかね？
白痴の脳髄？罵れば良いと考える貴国の方こそそれが言えるのじゃないのかね。
恥知らずのステイツは外交の場で貴様のような罵るだけの武官を使うのか。何処からそんな考えが出てきたのやら。

我々がカルテル向けに用意した場に於いて乱闘騒ぎはおやめいただけますか。（憲兵が小銃を向けて）

すまない。此処に乱入したこのステイツを名乗った方の相手をしていてね。彼の言う通りに「栄光あるステイツ」ならこんなことはしないのだがね・・・一人の行動が全員を貶めるいい例だ。
乱闘騒ぎは反応した私にも責任がある。私は自主退場しよう。大日本帝国の安寧と繁栄を願う。
ああ、あの空軍大将は本当に空軍大将なのか諸州同盟に問い合わせたほうが良いと思うのだが、"自称"じゃ大変だからね。