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仮OP

[1]投稿者:ロウ 投稿日:2008/11/14(Fri) 21:37 No.2  
試しに、私が書いた仮OPを書き込んでみようかと思います。
他の書き手の方も、よろしければ意見を聞かせてくださると幸いです。

289さんへ:「まだ早いだろ…常考…」と思いましたら、削除願います。
[2]投稿者:ロウ 投稿日:2008/11/14(Fri) 21:40 No.3  
『オープニング』(仮)


目を覚ました時、
周りは多くの人の気配とそれ相応のザワザワとした音で埋まっていた。
辺りは薄暗かったが、ここが大きな部屋――というよりはホールのような場所であるということは分かった。


赤髪の女性は今の自分の状況を把握しようとキョロキョロと辺りを見回した。

薄暗いため、あまり遠くの人は見えない。
近くにいる人も自分の知らない人ばかりだったが、
誰もが自分と同じように辺りを見回している。
その中で、自分がよく見知った人――友人が2人、
これもまた困惑した表情で立ち尽くしているのを見つけることができた。
たまらず大声で呼びかけた。

「エリー!クリス!」

声に気づいた2人の女性は、表情を笑顔に変えながら駆け寄ってきた。
髪の長い眼鏡をかけた方の女性、クリステルが先に口を開く。
「アーシャ!あなたも来ていたのね!」
来た、というよりはいつのまにかいた、という方が正しいのかも。
そんなことを考えながら、赤髪の女性、アーシャは今疑問に思っていることをぶつけてみることにした。
「ねえ、どうなっているの?この状況は」
「うーん…それが私たちにも全然分からないの
 いつのまにかここにいて…」
この質問にはもう一人の女性、エリーシアが答えた。

アーシャはそれを聞いて、考えた。
周りの人の表情からして、ここにいる人全員が私たちと同じ状況なのかもしれない。
私はたしかギルドのマスターから受けた依頼を終えて、ちゃんと自分の家のベッドで寝たはず。
なのに、起きたらなぜかここにいた。

「他に知っている人はいないかな?」
「分からない…薄暗いし、こう部屋が大きくちゃ…」
周りを見渡してみるが、こう薄暗くてはどこかに知人がいたとしても見つけることは難しいだろう。
三人は一斉にため息をついた。

「いったい、私たちに何が起きたの?」
とアーシャが口にした直後、突然部屋全体に明かりがつけられた。
部屋にいた全員が驚きの表情で周りを見渡す。
そして、全員の視線が、周りより数段高くなった壇上にそそがれた。
とても目立つ格好をした青年が壇上に立っていた。
その男は赤や青などの目立つ色のマントを羽織っており、
いろいろな服装をした部屋にいる者の中でも、ひときわ異彩を放っていた。

男はざわめきたつ部屋を一通り見渡すと、
とても大きく、響く声で言った。
「気分はどうかな!?参加者のみなさん!」

おそらく、部屋にいる全員が「?」となっただろう。
「参加者とは、いったいどういうことだろう?」と。

「初めまして、みなさん。
 僕は、キング・リョーナという者だ。以後よろしく。
 さて、君たちはゲームの参加者だ!
 いきなりだけど、君たちには今から殺し合いをしてもらうよ!」

全員唖然とし、数秒の後ざわめき始めたが男はかまわず続けた。
「君たちは数多くある世界の、様々な時間から集められた参加者だ!
 これから君たちには殺し合いをしてもらい、
 生き残った一人は元の世界に戻し、
 さらにはなんでも願いを一つだけかなえてあげよう!」

「参加者」の人たちはどのような気持ちでこれを聞いているのだろう。
恐怖か戸惑いか、それとも怒りか歓喜か…。

「そう!これは生き残りをかけた『ゲーム』だ!!」
ひときわ大きな声で男は宣言した。
そのとき、突然男に向かって一人の少女が駆け出した。

アーシャも、クリスも、エリーシアも、
その少女と同じ気持ちだっただろう。
「こんなくだらないゲームなんて、絶対にさせない」という気持ち。
その少女の方が、それを行動に移すのが早かったというだけ。

しかし、駆け出した少女は男に掴み掛かることはできなかった。
なぜなら、少女が男に掴み掛かろうとした瞬間、男は突然宙に浮いたのだ。
その少女の背よりも高く、手が届かぬ程に。
掴み掛かる相手を見失った少女は、バランスを崩し床に無様に転んでしまった。
少女は転んだ状態のまま「なんで?」といった様子で男を見上げている。

「ふふ…驚いた?
 僕だって、君のようなおバカさんが出てくることくらい予想しているんだよ」

少女の顔に、悔しさと怒りの表情が現れる。
「み、みんなを元の場所に戻しなさいよ!!
 殺し合いなんてバカなこと、この鈴木さんが絶対にさせないんだから!!」

「君は鈴木さん、か…」
男は宙に浮いたまま懐から紙を取り出し確認する。

「○○番、鈴木さん。君にしようかな。
 ちょうどよく、ゲームを円滑に行うために
 『見せしめ』でもしようと思ってたところだし」

「他の参加者の人も聞いておいてねー。
 君たち全員の首に、首輪がつけられているでしょ?」
全員が自分の首に付けられた首輪に触れる。
アーシャたち三人のように、たった今気付いた者もいるようだ。

「それには実は、爆弾が付けられているんだよ」
淡々とした口調での、絶望的な一言。

ピッ

不意に、鈴木さんと言われた少女の首輪から電子音が鳴り始めた。
少女の顔から一気に血の気が引いた。

「…こ、これ…まさか…!」

ピッ

「スイッチが入ってから、少しの時間の後爆発するよ」
男は淡々と言った。

ピッ

「い…嫌!!嘘でしょ!?」

ピッ

「嘘かどうかは、身を持って知ることだね」
男は笑っていた。

ピッ     ピッ   ピッ  ピッ ピッ

電子音の間隔が、段々と狭まってくる。

「嫌!嫌ぁ!!お願い、止めてよ!!
 やるから!!殺し合いでも、何でも、やるからぁ!!
 だから…止めてええぇぇ!!!!」

ボンッ

爆発音と同時に、少女の生首が宙を舞った。
落ちて転がった生首の目は偶然にも部屋にいた者たちの方を向いていた。

血溜まりの中に浮かぶように転がっている少女の生首。
その目は、虚ろでどこを見ているか分からなかった。
いや、もうどこも見てはいないのだろう。

「キャアアアアアアア!!!!」

部屋の至る所から悲鳴が上がる。
部屋は、どよめきに包まれた。
――目の前で人が殺された。
  しかも、理不尽に、それも呆気なく。
どよめきの中で「参加者」は何を思っただろう。
様々な感情が交錯する中で、共通して芽生える一つの確信。
――殺し合いは、嘘でも冗談でもない。
  自分たちはこれから、命を懸けて殺し合いをする。

男はそんな状況の中、地に降り、今は生首となった少女の虚ろな表情を見ながら
一人でしばらく興奮に身を任せていた。
――ああ、この表情、最高だ。
  僕はまさにこのためにゲームを開催した!
  苦痛に歪む表情、悔しさに歪む表情、憎悪に歪む表情…
  もっともっと、見てみたい。
  …他の参加者の奴らも僕を大いに楽しませてくれそうだ――
だが男の思考は、そこで一旦中断した。

「セイント!!」

自分に向けて放たれた、殺気と呪文を察知したからだ。
呪文によって作り出された神聖な光。
悪魔や魔物の類がくらえば怪我ではすまない、強力な光が男に直撃した

…が、それでも男は先ほどと何一つ変わらぬ姿で立っていた。
平然と、優雅に、何も起こらなかったかのごとく。

「…まぶしいなあ…誰?」

男の視線が呪文を放った者に向けられる。
「…く、効いてない!?」
そこにいたのは、杖を握り締めた少女だった。
自分の呪文が効いていないことに、驚きを隠せないようだ。

「これはこれはお嬢さん。
 たしか君は…○○番、ミア…だね」
男がまた紙を見ながら言う。

「君、今の首輪が爆発したの見てなかったの?
 君もああなりたい?」

男の手がミアと言われた少女に向けて伸ばされる。
少女はそれを、どう受け取ったか。
[3]投稿者:ロウ 投稿日:2008/11/14(Fri) 21:41 No.4  
「ひっ…!?」

その男の手が、自分に死をもたらす死神の手に見えたのか。
少女は手に握り締められている杖に魔力を集中させ――

「マジックロッドよ、私に力を!!」

次の瞬間、茶髪の少女は桃色の髪を持つ女性に
文字通り「変身」していた。

それを見て、男の手が止まった。
単純にそれは、目の前の女性に好奇心と期待を持ったからだ。

「くらいなさい!ファイアランス!!」

先ほどとは違う、膨大な魔力で形成された「炎の槍」が
男に向けて一直線に突き進んでいき、男を――

貫くことはなかった。
それどころか、具現化された炎の槍、その先端部分を男は軽々と受け止めていた。
それは、そのミアと言われた女性の魔法が弱かったからではない。
男が単純に強すぎたのだ。その女性の全力など、片手で受け止めることができる程に。

「う…そ…?こんなはずは…!」
女性にさきほどよりも強く、驚きの表情が浮かんだ。

「ふ〜ん…こんなもんか…」
男はその手で炎の槍を消し去ると、また女性の方を向いた。

「こ、今度こそ!アイストルネード!!」
女性が握り締めている杖から出された、冷気と氷で形成された竜巻が男を襲った。
しかし男はその竜巻の中を、まるでそよ風の中を歩くかのように、平然と歩いていた。
その歩みは少しのズレもなく、的確に女性に近づいている。

「な…んでよ……なんで…」
女性の表情には、もはや絶望さえ混じっていた。
女性の目には、まるで死神が自分に向かって歩いているようにすら感じられた。

「く…バースト…」
女性は次の呪文の詠唱を始めたが、その呪文を叩き込むべき敵は女性の視界から消えていた。
「!?どこに…」
ふと、女性の首筋に何かが触れた。

「……!!」
男は、女性の真後ろにいた。
男は、その白く細い首筋を撫でていた。
…行動とは違い、男からはすさまじい程の殺気があふれ出ていたが。

「あ……あ…」
その殺気を、女性は一身に受けていた。
自分より一枚も二枚も、それではすまない程、上手。
自分の命など、気分しだいで容易く散らせてしまう程、高位の存在。

女性の首輪を撫でながら、男は言う。
「も〜ゲームの進行を邪魔してくれちゃって…
 君も、この首輪を爆発させて殺しちゃうよ?」

その言葉を聞いた途端、桃色の髪の女性は茶髪の少女へと戻っていった。
変身を、自分から解いたのだ。
この男に逆らってはいけないと、本能で理解したから。

少女は、へたりとその場に座り込んだ。
「た…助けて……死にたくない…」
少女の心は、もはや完全に折られていた。

それを見て、男はさも嬉しそうにニヤリと湿った笑いを浮かべた。
「ふふ…いい子だ。
 本能に従順になるのはいいことだよ。
 …君は、生かしておいてあげる」

このミアという少女を生かした理由も、
「これ以上人数が減ってもつまらない」ということや
「この少女も自分の欲望を満たすのに大きく貢献してくれるだろう」という
男の黒い思惑によるものであったが。

男が殺気を静め、壇上に戻っていった後も
座り込んだ少女は、自分を抱くようにしてガタガタと震えていた。


男は参加者に、また大きく、響く声で呼びかけた。
「え〜、みなさん!
 騒ぐのは勝手だけど、あんまりゲームの進行を邪魔する人は
 僕も容赦しないから、そのつもりでね〜」
あっけからんとした声であったが、
どよめきはもう、完全に治まっていた。

男が行った、二つの『見せしめ』はかなりの効果を発揮したようだ。
もう言葉を発する者も、男に向かっていこうとする者もいなかった。

男は説明を再開する。
「さて、君たちはそれぞれ会場のランダムに選ばれた地域からスタートすることになる。
 と言ってもいきなり海のど真ん中からのスタート、なんてのはないからみんな安心してね」

そこまで言ったところで、男の前に二人の少女が手を取り合って歩いてきた。
「…何かな?君たちも僕の邪魔をするって言うなら、首輪を爆発させちゃうよ?」
ピンクのワンピースを着た少女が言った。
「わ、私たちを同じ場所からスタートさせてくれませんか?」
男はそれを聞いて、驚いた表情を浮かべた。
また懐から紙を取り出し二人を確認する。
「君たちは…○○番、篭野 なよりと○○番、篭野 りよなだね。
 ああ、なるほど、お姉さんのりよなさんが…
 だけどいいの、なよりさん?不利になるかもしれないよ?」

さきほど喋った少女、なよりは隣にいるりよなに目をやると、
決心した様子で力強く言った。
「かまいません。お姉ちゃんの傍にいられるだけで…それだけで十分です」

男はそれを聞くと、少しの間黙り込んだ。
悩んでいるようだったが、やがて何かを思いついたようにニヤリと笑うと言った。
「…いや、それは認められないな。
 これはあくまでも個人での殺し合いだ。
 まあ、仲間として組むのは勝手だから、会えるのを願うんだね」

二人は男の答えに落胆しているようだったが、
やがて来た時と同じように手を取り合って元いた場所に戻っていった。

男は心の中で快感を覚えていた。
お姉ちゃんの傍にいられるだけで十分…そこまで言った妹の気持ちを、自分はいとも簡単に踏みにじった。
その時の二人の絶望の表情は、もっともっと眺めていたいほどであった。
…男は、そういった風に女性を精神的に(肉体的にでも)いたぶることに快感を覚える人種だった。

男はますます確信を深めた。
この殺し合いは、自分を大いに楽しませてくれるだろう、と。

男は嬉々として説明を続けた。
「首輪は無理にはずそうとすると爆発するよ。
 それと、定時放送で知らせる禁止エリアと呼ばれる地域に入っても爆発しちゃうから気をつけてね。
 これも殺し合いを円滑に行うための配慮だよ」
「後、こっちから支給品を与えるよ。
 その中には、水、食料、地図などの他に、
 武器なども入ってるからそれで頑張るなり現地調達で頑張るなりしてね」

「そして、今から僕が君たちを会場まで送ってあげる。
 会場には様々な有益な施設とかもあるけど、命の危険がある場所なんかもあるよ。
 せいぜい殺し合いと関係のないところで命を落とさないようにね…」

一通りの説明を終えると、男は高らかに言った。
「さあ、後は殺しあうだけだ!!
 君たちを会場まで『ワープ』させてあげる!
 参加者の健闘を祈るよ!!」

部屋の多くの者がまた「?」となっていたが、
部屋にいた全員の視界が、突然揺れた。
それは言うならば先ほどの女性が使っていたような、魔法。
男の魔法で、参加者は会場のそれぞれの場所に運ばれていった。



参加者に突然突きつけられた、残酷な試練。
なぜ殺しあうのか、理由も分からないまま、
参加者は殺しあわなければならない。

そんな、理不尽で残酷な殺し合いのゲーム、
バトルロワイヤルが幕を開けた――


【鈴木さん(左クリック押すな!!) 死亡】
[残り ○○人]
[4]投稿者:289◆P554yc3s 投稿日:2008/11/15(Sat) 00:13 No.5  
おお、さっそくの書き込みありがとうございます!
とりあえずは投稿して他の人の反応を見るのがいいん
じゃないかと自分は思います。
ちょっとした練習程度に思いついた展開を書き込んで
みるのもいいかもしれないと思いますね。
[5]投稿者:s 投稿日:2008/11/15(Sat) 01:24 No.9  
これからどうなるのかワクワクする素敵なOPですね。

「わ、私たちを同じ場所からスタートさせてくれませんか?」
っていうのが、
「分かれた場所からスタートしたら困る」
ということを考えられるほど冷静でいられるもんなのかなあ、
というか、状況をすんなり受け入れて、かつ、お願いをしようと思うほど冷静でいられるもんかなあ、というか、
まあ、そんなふうに感じました。
[6]投稿者:14スレ目の74 投稿日:2008/11/15(Sat) 02:59 No.10  
す、すげぇ、格が・・違いすぎる・・。(((;゚Д゚))ガクガクブルブル・・・
なんというか、雲の上の人な気がしてきました。

キングさんが予想より男っぽくて驚きましたが、これもありですね。
大部屋に全員集合だとルシフェルとかTPOお構いなしに
本能に従って殺戮をするようなタイプが大人しくしているとは思えなかったりも・・。
本番も大部屋に全員集合でやるなら、
その辺りの辻褄合わせなんてのも考えた方がいいかもですね。

PC復旧もひと段落し、安心して半日寝てしまった14スレ目の74でした。
[7]投稿者:14スレ目の74 投稿日:2008/11/15(Sat) 17:45 No.11  
とりあえず、ウィキで書いた「個室からマジックミラー越しに主催者と対面」というスタイルで、
見せしめ役視点の練習文を書いてみました。
新しくスレを立てるのもあれなので、この場所に投下します。

はじめに、視点キャラとなった作者の方、ならびにファンの皆様大変申し訳ありません。
ワタクシのイメージで勝手に書いたので、かなりイメージが違う可能性があります。
予行練習とはいえ、実力不足で至らない部分がたくさんあると思います。
それでも、生暖かい目でも構いませんので、見守ってくれたら幸いです。
[8]投稿者:14スレ目の74 投稿日:2008/11/15(Sat) 17:46 No.12  
〜〜〜〜
気づいたら薄暗い部屋に閉じ込められていた。
部屋を調べていると急に部屋に光が差し込んできたので、
そこから光の差し込んできた方を見てみたら主催者が居たという所から。
〜〜〜〜

窓らしき場所から覗き込んだわたしの視線の先には、男がいた。
見た目は軟弱そうな、どこにでも居そうな男だった。
しかし、わたしは直感した。あの男がわたしを此処に閉じ込めたのだと。
どんな方法でかは分からないし、目的も皆目見当がつかない。
だが、わたしをこんな所に閉じ込めた天罰【落とし前】はつける。
(ビンタ100回かな?いや、でも弱そうだし、50回で許してあげようかな?うーん、)
わたしが頭の中でヤツに与える天罰の内容を考えていると、ヤツが何やら話し始めた。
「レディースアーン・・・ヤロウはいいか。」
「君達に集まって貰ったのは他でもない、僕の”暇潰し”に付き合ってほしいんだ。」
(”暇潰し”?)
天罰の内容を考える事に夢中だったわたしは、ヤツの話など殆ど聞いていなかった。
加えて言うならば聞くつもりもなかった。
だが、偶然にも耳に飛び込んできた『暇潰し』という単語に、何故か反応してしまった。
「・・・僕はね、女の子が大好きだ。」
(はっ?)
男の子が女の子が好きというのは分かる。実に当前だ。
わたしだって、いい男性【ひと】が居たら付き合ってもいいかなとか考えた事もある。
尤も、そんな話を教会の目が届く所でしたら『なんて、穢らわしい。聖職者たるもの云々・・』と、
ぶっ倒れるまでお説教をされるに違いないので口に出した事はない。
だが、それと”暇潰し”の関係がいまいち理解できない。
ハーレムをつくる・・にしてはこの仕打ちはあんまりだ。
「特に、可愛い女の子が無残にも壊され、泣き叫び、犯され、恐怖と絶望に顔を歪めながら事切れる様を見るのが大好きだ。」
「なんですとぉっ!?」
わたしはヤツの言葉に思わず声を荒げてしまった。
何が『恐怖と絶望に顔を歪めながら事切れる様を見るのが好き』だ。
そんな事言う輩は大抵根性のひん曲がったロクでもないヘタレで、誰かがガツンと正義の鉄槌を食らわせてやらないと目が醒めない。
「・・・よし!グーパンチ1万回!わたしがあんたのヘタレ根性叩き直してあげるっ!」
わたしはヤツへの天罰をそう決めると、何とかヤツの元へ行けないかと思考を巡らせた。
ヤツは無邪気な明るい声で言葉を続ける。
「というわけで、今日集まってもらった僕のお嬢さん、お姉さん方。」
「殺しあってよ。」
「はいぃ??」
何を言い出すのかと思ったら、『殺しあえ』だって?
破綻している。そんな事頼まれたって誰もするわけがない。
少なくとも、わたしはしない。
「あ、みんな『誰がそんな馬鹿げた事するか。』とか思ってるでしょ?」
当たり前だ。いいからさっさと此処から出せ、あたしが天罰を与えてやる。
「そうだよねー、うんうん。わかーるわかるよー君の気持ちー♪」
「・・というわけで、こんなの付けさせてもらいマスタ!(キラーン☆)」
そう言って突き出されたヤツの右手には、首輪のような物が1つあった。
言われるまで気づかなかったが、確認してみると確かにわたしの首に何か巻かれている。
「これはねぇ、僕が1日徹夜して考えた素敵アイテムなんだよ。」
ヤツが持っていた首輪を前に投げ捨てた。わたしの視線は自然とその首輪を追っていた。
「僕がこうして、ちょっと意識を集中させると・・。」
ヤツの言葉がそこで一旦止まった。そして・・・破裂音。
「ボンッ!ってなるんだよ。どう?凄いでしょ?」
窓越しであったせいか音はそれほどでもなかったが、確かに威力は凄そうだ。
わたしの首元で爆発したら・・と思わず想像してしまった。

「僕としては、今のでみんな分かってくれたと思うんだけど。」
「『どうせ見た目だけ』と高をくくってる子のために、もっと分かりやすくしてあげるよ。」
わたしが自身の悲惨な光景を想像して戦慄【わななか】せていた事を知ってか知らずか、ヤツはそう言って指を鳴らした。
すると、突然ヤツの隣に一人の女性が現れた。
ショートカットの活発そうな女の子で、歳はわたしと同じぐらいだろう。
首にはあの首輪が巻かれている。
女の子は何か言いながら激しく何かを叩いている。
恐らく、透明な壁のような物があるのだろう。
「分かりやすくって・・まさか!?」
わたしは今し方忘れ去ったばかりの悲惨な光景を再び思い出した。
ヤツは彼女を使い、それを現実の物としてわたしに見せようとしている。
「やめなさい!ちょっと!コラッ!聞けって!聞こえてるんじゃないの!?おーい!」
あんな光景は現実にしちゃいけない。そんな気持ちも確かにあった。
それ以上に、彼女があのヘンタイ男の歪んだ性癖のために、
その尊い命を奪われようとしているという事がわたしには堪えられない。
彼女を救わないと。わたしは必死に声をあげ、窓を叩き、ヤツを睨み続けた。
ピッ。
言葉にするとそんな感じの音が、突然鳴り始めた。わたしは驚いて一瞬動きを止める。
「さっきはすぐに爆発させちゃったけど、本当はこうやってタイマーが働くんだよ。」
ヤツはにやけながら鳴り始めた音について説明を始める。
「この音が段々早くなって行って、そうだね。今の設定だと5分後ぐらいかな?」
「まぁ時間が来たらさっきみたくボン!ってなるのさ。素晴らしいでしょ?」
ヤツは一人でケタケタ笑い始めた。なんてヤツなんだろうか!あたしが早く天罰を与えなくては!
わたしはヤツを睨み付けながら一段と強く、大きく、声を荒げ窓を叩き続けた。
「やめなさいってば!このヘンタ・・へっ!?」
突然、目の前にあった硬く冷たい感覚が無くなった。
「!っ、痛たぁー・・。」
一瞬の事のように思えた。何が起こったのかまったく分からない。
気が付くとわたしは尻餅を付いていた。今分かっているのはそれだけだった。
何が起きたのか今一度整理したい気持ちを抑え、わたしは素早く立ち上がり周りに注意を向けた。
戦士としてのわたしがそうさせた。
普通の聖職者にはない思考。わたしが周りから時に白い目で見られる原因の思考。
この時ほど、わたしは戦士としてのわたしが在る事を感謝した事はないだろう。
「・・・ちょうどよかった。あたし、あんたに用事があったの。」
視線の先にはヤツが居た。
そして、わたしとヤツの間にはつい先ほどまで在った分厚い障害物はない。
これは願ってもないチャンス。わたしは今、ヤツと同じ場所にいる。
あの甲高い無機質な音がさっきよりもちょっとだけ早くなった気がする。
ショートカットの彼女は顔をぐちゃぐちゃにしながら透明な壁を叩き続け何かを叫んでいる。
このままでは彼女の精神が参ってしまうだろう。あまり悠長な事をやっている余裕はない。
「うん、僕も用事があったんだ。いや、もしかしたら無かったかも。」
「はぁ?ハッキリしない男って大っ嫌い。」
「まぁ、ちょっとだけお話きいてよ、ルカお嬢ちゃん。」
「!」
わたしはヤツに名前を名乗った記憶はない。なのに、ヤツはわたしの名前を知っている。
今目の前でニヤけている男は、単なる気紛れでわたしを此処に連れて来たわけではない。
直感的にわたしはそう悟り、身構えた。
「君を含めて、何人かやっぱり同じように力づくでも止めさせようとしている子が居るんだけどね。」
「ちょっとうるさいから、その子らを黙らせるために代表して君を使おうかなって思ったわけですよ。」
「これから始まる楽しい”ゲーム”の余興も兼ねてね。」
ヤツは相変わらずニヤニヤと下衆なニヤケ顔を浮かべながらそう言った。
「『ゲームの余興』ですって?」
わたしはもう我慢の限界だった。
名前を言い当てられた事で警戒して今まで様子を見ていたが、もうだめだ。
この男を神様に誓ってぶちのめさないと気が済まない。
そして、彼女を救って此処から出る。ヤツの”ゲーム”とやらを開始前にゲームオーバーにしてやるんだ。
「うん。余興。ルールは簡単だよ。時間内にお嬢ちゃんが僕を倒せたらあの娘【こ】は助かるの。」
「へぇー・・。」
「というわけで、あの娘、助けたかったら僕を倒してよ。お・じ・ょ・う・ち・ゃ・ん。」
態と『お嬢ちゃん』を強調したヤツの言葉に、わたしは完全に緒が切れた。
「もう許さない!神様が許しても、あたしが許さない!」
わたしは素早く腰の愛刀を抜き、ヤツに向かって飛び掛った。
[9]投稿者:14スレ目の74 投稿日:2008/11/15(Sat) 17:48 No.13  
あの甲高い無機質な音は少しずつではあるが確実にその間隔を早めていた。
「くっ!このっ!ちょこまかとぉ!」
「ほーら、僕はこっちだよー。ルーカちゃーん♪」
ヤツは見た目に似合わず素早く、わたしの放つ高速乱撃をいとも簡単に掻い潜っていた。
「あんたみたいな最低野郎でも一応お祈りしといてあげるから、安心してあたしに殺されなさい!」
わたしは焦り始めていた。わたしの戦法は素早さを生かしたヒットアンドアウェイだ。
ゆえに、身のこなしに関しては絶対の自信を持っていたし、今まで誰にも引けをとった事はなかった。
それが今、揺らぎ始めている。それもあんな最低野郎相手に。
(そんな事、許せるわけがない!)
ちらりとあの娘の方を見る。
彼女はぐちゃぐちゃになった顔のまま、不安そうな目でこっちをずっと見て何か言っている。
(早く、助けないと!)
わたしは愛刀を持つ手に自然と力を込めていた。
「僕、飽きてきたよ、お嬢ちゃん。」
「じゃあ、さっさと倒されなさい!」
ヤツはあのにやけ顔のまま、つまらなそうに言った。
それがわたしの神経をさらに逆撫でする。
流されてはいけないと思い必死に堪えるが、それでもやはり抗いがたい。
「よし、分かった。こうしよう。僕に一撃でも当てられたらでいいよ。」
「一撃?十分だわ!あんたをぶちのめすのにそれ以上いらない!」
「その代わり、そろそろ反撃してもいいかな?」
「好きにしなさいよ!」
「あー、でも反撃しちゃうとどーせ僕に勝てないと思うけど、それでもいいの?お嬢ちゃん。」
「五月蝿い!いいから、あたしが引導を渡してあげるっ!」
「じゃ、決まりだね!」
ヤツを取り巻く空気が変わった。普段のわたしならその変化に絶対に気付いていただろう。
しかし、わたしは気付けなかった。それほどまでに焦りと怒りがわたしを支配していたのだった。
それが命取りだと気付いた頃には遅かった。
「せいぜい、いい声で啼いてね?」
わたしの目の前に、ヤツは居てそう呟いた。一瞬、本当に一瞬だった。
何が起きたのか考えるよりも早く、わたしの戦士としての意識が次に起こりうる事態に備えわたしを身構えさせた。
「がはっ!」
腹部に鈍痛が走る。咄嗟に身構えたおかげでいくらか軽減できたが、肺の空気が一気に外に押し出されわたしは思わず前によろけた。
ヤツがこの隙を逃すはずがない。予想通り、立て続けに連続攻撃を仕掛けてきた。
この状況ではわたしはただ、身を固めて衝撃に耐える事しかできない。
「くっ!・・・このっ!・・・痛っ!」
格闘戦の心得は殆どないとはいえ、わたしなりにしっかりと受けているはずだが、痛い。
この男、見た目以上に力もあるようだ。
(ちょっと・・ピンチかも。でも!)
「ほらほらどうしたの?攻めてこないの?お嬢ちゃん!」
ヤツはケタケタと薄汚く笑いながら連打を続けてくる。
先の腹部へのダメージがだいぶ薄れてきたわたしは、
ヤツの挑発には耳を貸さずヤツの連打を見極め始める。
こうしている間にもあの非情な音はどんどん間隔を早めている。
何とか反撃の糸口を見つけなくては、このままでは彼女を救えない。
そう考えていた刹那、一瞬だけヤツの攻撃が大振りになる。
(今だ!)
[10]投稿者:14スレ目の74 投稿日:2008/11/15(Sat) 17:48 No.14  
千載一遇のチャンス、わたしはその隙を衝き必殺の一撃を当てようと攻勢に出た。
「アハハハ!残念賞♪引っかかっちゃったネ、ルカお・じ・ょ・う・ち・ゃ・ん!」
ヤツの言っている事が一瞬まったく理解できなかった。
それが分かったのは、事が実際に起こってからだった。
「がっ!」
ヤツの見せた隙はいわば撒き餌だった。わたしのガードを崩し、無防備にさせるための囮。
まんまとヤツの策にのせられたわたしは、胸部に凄まじい鈍痛を受け、その衝撃で凄い速度で吹き飛ばされた。
「ぐはぁっ!」
恐らく壁だろう。わたしは硬い物に背中から激しく叩きつけられ、その反動で前に倒れこむ形になった。
(えっ?なんで・・居るの!?)
わたしは一瞬目を疑った。わたしは今、結構な距離をかなりの速度で飛ばされたはずだ。
背中からわたしの全身を貫いた激痛が確かな証拠だ。
壁に激突した瞬間は意識が飛んだ事も認めるが、そんな短時間で迫れる距離でもない。
それなのに、どういうわけか目の前にヤツが居る。この状況、誰でもいいから、ウソだと言ってほしい。
そしてわたしは今、壁に打ち付けられ反動で前へと倒れこもうとしている所をヤツに狙われているのだ。
身構えようとも、ショックで体がうまく動かせない。あまりに無防備だ。
(ヤバ・・)
ヤツのにやけた顔が、悪魔の嗤い顔に見えた。
「ぐっ!ふぎゃっ!がはっ!やめっ!ごっ!げえっ!痛ぁ!」
ヤツの鉛のように重くて硬い拳や蹴りがわたしの身体に容赦なく降り注ぐ。
「げふぁっ!」
再び吹き飛ばされる。今度は地面に打ち付けられ、殺しきれなかった勢いがわたしに激しく地を滑らす。
「げほっげほっ!・・・痛ぁっ!」
内臓がやられたのだろう。口の中が鉄の味でいっぱいになり、地面に赤黒い水溜まりを作る。
息がかなり苦しい、肺に穴でも空いたのかもしれない。
全身が重い。視界が揺らいできている。ヤバい、このままじゃ・・死ぬ。
(わたしが・・死ぬ?)
急にわたしを取り巻く空気が急に冷たくなった気がした。寒い。凍えそうだ。
歯の根が合わなくなってきた。どうしよう。
「ルーカちゃん♪どうしちゃったの?さっきまでの元気は?ねえねえ。」
「!!」
横たわるわたしの頭上にいつの間にか居た悪魔がわたしを見下ろし蔑んだ嗤い顔を浮かべている。
(殺される!くそっ!早く!早く離れないと!)
何とか起き上がろうとうつ伏せになり、四肢に力を入れた。
「!!くあっ!」
急に視界が浮き上がり、わたしは驚いた。
わたしはヤツに片手で上から頭を掴まれ、宙に持ち上げられたのだ。
目の前に見たくもない悪魔の顔がいっぱいに映る。
「・・・このっ!・・・はなし・・なさい・・・!」
歯の根が合わないせいか、うまく喋れない。しかし、精一杯強く噛み付いた。
この状況でもわたしはまだ、愛刀をしっかりと手に握っている。
わたしにとって、これだけがもう最後の頼りだった。
「うーん、やっぱり君みたいな可愛い子がそんな物騒な物、何時までも持ってちゃいけないね。」
「というわけで・・・棄てて貰うよ!」
わたしが最後の力を振り絞って両手を動かすよりも早く、ヤツの一撃が私の手首を貫いた。
「痛!」
ヤツは片手であっという間に私の両手を撃ち抜き、わたしは最後の頼りを落としてしまった。
「しまっ・・・ひぎぃっ!」
頭が痛い。ヤツがわたしの頭を掴んでいる手に力を入れ始めたのだ。
このままでは頭が潰されてしまう。
わたしは両足をばたつかせ、全身を揺らしながら何とかヤツの手から逃れようと、両手でヤツの手を掴み引き剥がそうとした。
「アハハハ!イイよ!お嬢ちゃん!その苦痛に歪みながらも必死な顔、最高に萌え!勃ってきたヨ!!」
悪魔が嗤う、ゲラゲラと汚く嗤う。そして、その手にどんどん力を入れてくる。
「ぐっ・・・ぎゃぁ・・・!」
(痛い!痛い!痛い!死ぬ!死ぬ!死ぬ!)
わたしは残った力を全て使い、ヤツの手から逃れるための抵抗を続ける。
「イイね!イイね!実に楽しい!!おにーさん全然シコってないのにもうイキそうだよぉ!」
突然視界が淀む、いつの間にかわたしは泣いていた。
泣きながら、必死に抵抗を続ける。だが、まったく利かない。
悪魔は肩でハアハアと荒く息をしながら、快楽に満ちたような顔でわたしを見ている。
「ひいっ!・・・はなしっ!・・・いたぁっ!!・・ひっぎぃぃぃ!・・・がぁぁぁぁ!!」
ギリギリとわたしの頭を襲う痛みがどんどん増してくる。
そして、ビキッという乾いた大きな音がした気がした。
「!?・・やだっ!・・今の音・・何!?・・・何なのっ!?」
「さぁなんだろうねぇ!?骨でも折れたんじゃないのぉ!?ハハハ!」
(あたまの・・ほね・・・おれ・・・たっ!?)
わたしにはもう何もかも分からなくなっていた。
頭を襲う激痛、最後の頼りを失った喪失感、身のこなしで完全に敗北し崩壊した絶対の自信。
それらだけで頭がいっぱいだった。
「いっだぁぁぁ!!・・・しっ死んじゃ・・うぅぅ!!」
(ウソ・・でしょ?・・・わたし・・死ぬの・・?)
涙が止まらない。身体の震えが止まらない。歯の根が合わない。
「イ・・ヤ・・・!!」
死にたくない。死にたくない。このままじゃ、死んでしまう。
「イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤァァァ!」
(寒い!怖い!痛い!嫌だ!助けて!誰か!わたし!わたし!!)
わたしは今、完全にただの’16歳の少女’になった。

「・・・いいよ。助けてあげる。」
「・・えっ!?」
声の主は他ならぬ目の前の悪魔。
今にもわたしを殺そうとしている者らしからぬ発言にわたしは呆気にとられた。
「『私の負けです。キング様のために全身全霊を掛けて御奉仕させて頂きます。ですので、憐れな女の子を助けてください。』」
「・・って言ったら助けてあげるヨ♪」
「なっ!・・そんなっ・・!」
(そんな事・・・言えるわけが・・・!)
そうだ。そんな事言えるわけがない。わたしは腐っても、聖職者だ。
平和を乱す悪に屈する事など、あってはならない。平和を守るためならば死ぬ事も厭わない存在であるべき者なのだ。
「あーそうだった。ルカちゃんは一応”せーしょくしゃ”ってヤツなんだっけ?僕みたいな悪人には、死んでも屈しちゃいけないんだよねぇ?」
(そうよ!分かっているなら、さっさと・・・)
「・・わ・・わたしの・・。」
(・・えっ!?ちょっと!まさか!)
わたしの身体が、わたしの意思とは無関係に動いている。まさにそういう状況だった。
「・・わたしの・・・まけ・・です。」
(ウソ!?・・・どうして!・・・そんな・・・!!)
認めたくない。わたしは今、”わたし”よりも”生物”を優先させている。
「んんー?聞こえないなぁ?」
ヤツが更に力を入れる。ミシミシという音が頭の中で響いた気がした。
「うぎぃぃぃ!!わっ、私の負けですぅ!!」
(ダメ!そんなこと・・・言っちゃダメ!)
もう完全に”わたし”がわたしを抑えられなくなっていた。こうなったら行き着く先はただ一つ。
「キング様の暇潰しのため!全身全霊を掛けて御奉仕させて頂きますぅ!」
(ダメよ!それ以上は!絶対ダメ!)
分かっている、でも諦めるわけにはいかない。
「ですから・・ですから・・・」
(ダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメぇぇ!!)
それ以上言えば、確実にわたしが”わたし”ではなくなってしまう。
わたしは”わたし”を守るため、必死にわたしに懇願した。しかし、非情にもそれは叶う事はなかった。
「ですから!憐れな女の子を助けてくださいぃ!!」
(うわああああああ!!・・・あ・・・ああ・・。)
身体が物凄く重い。視界がぐにゃりと歪み色を失う。もう何も考えられない。”わたし”は・・・死んだ。

「アハハハ!これは傑作!!”せーしょくしゃ”が死ぬの怖くて悪に屈しちゃうとか、素敵すぎておにーさんついイッちゃったよ!!」
微かに生臭い臭いがしている。しかし、わたしにはもうどうでも良い事だった。
ようやく開放されたわたしはそのまま糸の切れた操り人形のように地面に崩れ落ちた。
「おっ、後5秒。」
「えっ・・?あっ・・。」
ヤツのその一言でわたしは大切な事を思い出した。わたしは彼女を助けなくてはならない。
「・・もう、十分・・・でしょ?」
「ん?何が?」
「あ、あんたの・・余興は・・十分・・・あの娘は・・もう・・」
ヤツの言っていた”ゲーム”の余興なら、わたしにとって最悪の形ではあるがもう終わったはずだ。
「え?何言ってんの、お嬢ちゃん。」
ヤツはあの嗤い顔で答えた。
「アレは、『どうせ見た目だけ。』と高をくくってる子へのプレゼン。で、君との余興は『力づくでも止めさせる』と息巻いてる子へのプレゼン。OK?」
「そ、そんな!でも!・・わたし・・・!」
そうだ、わたしは不本意ながらも負けを認め、助けを求めた。
当然、彼女も憐れな女の子だ。助けられるはず、そう思っていた。
「おいおい、約束したじゃん。『僕に一撃当てられたら』ってさ。」
「というわけで、さーん。」
「ウソ・・そんなのって・・・!」
「にーぃ。」
「いや・・・やめて・・・」
ふと彼女の方に視線を移す。彼女は両手を真っ赤に染めながらも壁を叩き何かを叫び続けている。
「いーち。」
「!!」
わたしは顔を背けようとしたが、ヤツの手によって阻まれる。そして、あの破裂音。
わたしの目の前で今、人が死んだ。
首輪の威力は紛れも無く本物で、彼女の首と胴を一撃で切り離した。
彼女を殺したのは、間違いなく・・このわたしだ。
(わたしが・・殺した・・。)
わたしがもっと強ければ、彼女は死ななかった。
わたしがもっとしっかりしていれば、彼女は死ななかった。
わたしがもっと”わたし”ならば、彼女は・・。
「わたしは・・・わたしは・・・うあ・・」
泣くしかなかった。わたしにできるのは、その場で力無く泣き続ける事だけだった。
「あー、面白かった♪これほど楽しい余興は初めてだったなぁ♪」
目の前で男がゲタゲタと嗤っている。怖い。この男にはどう転んでも絶対に勝てそうにない。
この男は・・悪魔だ。全てを壊し、犯し、喰らい尽くしても決して満足する事のない狂気の化身。
「さて、約束通り、お嬢ちゃんは助けてあ・げ・る。」
「そうそう、肝心の”ゲーム”の説明。どんな手を使ってもいいから、最後に生き残った一人だけは元の世界に返してあげるよ。」
「それと、禁止エリアってのをテキトーに決めていくよ。入って5秒以内に出なかったら首輪が爆発するから気をつけてネ!」
「首輪は全員の居場所と発言を僕に知らせてくれるから、下手な行動は謹んだ方がいいよ。」
「勘のイイ子なら薄々感じてるだろうけど、無理矢理外そうとすれば爆発するように作ってあるんでよろしく。」
「じゃあ、僕のお嬢さんとお姉さんたち、頑張って僕を楽しませてネ!ルカお嬢ちゃんもだよ♪」
薄れ行く意識の中でわたしが最後に聞いたのは、ヤツの狂気に満ちたゲームの説明だった。
[11]投稿者:14スレ目の74 投稿日:2008/11/15(Sat) 17:53 No.15  
状況説明
●キャラクター名
ロカ・ルカ

●現在位置
不明

●健康状態
・全身打撲(ただし、主催者の計らいでゲーム開始時に今回に限り全快する)
・内臓損傷(ただし、主催者の計らいでゲーム開始時に今回に限り全快する)
・激しい自責の念
・抗いがたい敗北感
・主催者やそれに似た”狂気”への激しい恐怖心

●装備武具と詳細
不明

●道具と詳細
不明

●今後の行動予定と優先順位
未定


●キャラクター名
鈴木さん

●現在位置
不明

●健康状態
・死亡(首輪爆発による爆死)

●後書きという名の言い訳。
スレ汚し申し訳ありませんでした。しかも3レスも・・。(´・ω・`;)
この程度の文章力しかない自分ですが、どうか本番もよろしくです。

うーん、思ってるよりも行間がつまり過ぎてて読みにくい・・。(ただでさえ読みにくいのにw
本番で投下するときはもっと行を空けよう。_〆(。。;)メモメモ・・・
[12]投稿者:ロウ 投稿日:2008/11/15(Sat) 18:34 No.16  
意見ありがとうございます。

なるほど、あの場面のなよりの冷静さは確かに違和感がありますね。
むしろ、なよりたちとキングのくだりはいらないかもしれませんね…。なくても展開的にあまり変わらないですし。

ルシフェルは個人的に、意味不明な事態に遭遇したらただ黙って突っ立って、その場の状況を見極めるタイプかな〜と思い、
書かなくてもいいかなと思ったのですが…。
確かにルシフェルはお構いなしキャラの方がいいかもしれませんね。

みなさんの意見、とても参考になりました。ありがとうございます。

>>最高に萌え!勃ってきたヨ!!
>>おにーさん全然シコってないのにもうイキそうだよぉ!
>>素敵すぎておにーさんついイッちゃったよ!!

( ゚д゚) …

( ゚д゚ ) 

キング鬼畜変態すぎフイタw
やはりキング一つ取ってみても書き手によって全然違うキャラになる
というのがこういった企画の面白いところですね。
ガラス越しでの対面という形なら、ルシフェルなどのキャラも暴れたりすることもなくキャラ的に矛盾も起きずに話を進めることができますね。
行間には私も苦労しました…。読みやすいように、開けすぎず、つめすぎず…バランスが難しいところです。
[13]投稿者:14スレ目の74 投稿日:2008/11/15(Sat) 19:06 No.17  
さ・・さっそくレスが!?(ざわっ・・
ありがとうございます。
自分の中でキングのキーワードは「ドS」「腹黒」「外道」「精神異常者」で、
キャラクターボイスが付くなら確実に石田彰氏以外ありえないキャラだと思っていました。
他の書き手さんの描くキング像も見てみたいですね。

ロウさんも行間にかなり苦労なされたようですね。(−−;
しっかりとパスワードをつけて微調整ができるようにした方がよかったなぁ・・。
と今更ながらに反省しております。

なよりの申し出に、キングはレミたんを1匹召喚して「この小動物を殺したら聞き入れる」と・・。
男の提示した狂気の条件に、なよりは困惑し暫く立ち尽くした後、
震える手で小型犬くらいの(サイズこれぐらいでいいのかな?)女の子の首筋にそっと手を回しゆっくりと力をいれる。
自然と涙が頬を伝っているが、姉のために心を鬼にしようと力を込めていく妹。
そんな妹の気配に恐怖を感じて後ろから抱きつき、止める様に懇願する姉。
最初は抵抗するが結局姉の願いを聞きいれ諦める妹。
その様子をみて快感に浸る男。

こんな感じの展開でも面白そうかもです。
・・・すみません、ワタクシかなりSです。(゚ω゚)

改めて、作者様ならびにファンの皆様すみませんでした。
14スレ目の74でした。
[14]投稿者:289 投稿日:2008/11/16(Sun) 15:32 No.18  
なんという変態…いいぞ、もっとやれ。
目の前でこんなことが起こってたら、絶対に何人かが興奮して
暴走してそうですね。
開始早々、はっちゃけてくれそうだ。
ルシフェルとかはいきなりの展開に混乱しているということでは駄目ですかね。

さて、自分も一応書き手的な何かをやってみようかと思ってたけど、
なんか無理そうな気がしてきたw
やっぱりゲームのテキストとは違いますね。

ともあれ、仮OP投下乙でした。
[15]投稿者:14スレ目の74 投稿日:2008/11/17(Mon) 17:28 No.19  
>>目の前でこんなことが起こってたら、絶対に何人かが興奮して
>>暴走してそうですね。

・・モッヒーとかモッヒーとかモッヒーとかですね?w(^ω^)

頭が弱そうで好戦的な方々は混乱するとかそれ以前に、「いきなりの展開」にすぐに気付くかどうか・・。

気付いたら目の前にいっぱい獲物→狂喜乱舞→早速堪能→満足→で、ここ何処?何でこんなとこに居るの?
もしくは、
狂喜乱舞→早速堪能→堪能中→主催者登場→あんた誰?

・・・となる可能性が十分ありそうです。(^^;

後、言い出しっぺの法則ですよ。ふふふ(ぇ
・・まぁ冗談ですが、できれば読んでみたいなと思ってますよ。(・ω・)

最近思いついた順に行動してしまうようになって焦ってます。
14スレ目の74でした。
[16]投稿者:289 投稿日:2008/11/18(Tue) 00:12 No.20  
実はモッヒー視点で、途中までOPを書いてみたんですよね。(鈴木さん爆破後、見せしめ2号(未定)が主催者襲撃直前まで)
さすがに完全に状況無視で欲望を満たそうとはしませんでしたが、
それに近いことはしようとしてた気がしますw
しかし、小説を書くというのは思ったより難しいもんですね。
書き終わったら投下してみようかと思ってますが、
もしエターなったときは勘弁してください。(´・ω・` )
[17]投稿者:9スレの550 投稿日:2008/11/18(Tue) 01:19 No.21  
なんという良作・・・
見ただけで興奮してしまった
この作品は間違いなくリョナ
       
   / ̄\
  | ^o^ |  
   \_/


>はじめに、視点キャラとなった作者の方、ならびにファンの皆様大変申し訳ありません。
>ワタクシのイメージで勝手に書いたので、かなりイメージが違う可能性があります。
>予行練習とはいえ、実力不足で至らない部分がたくさんあると思います。
>それでも、生暖かい目でも構いませんので、見守ってくれたら幸いです。

いやいや、おいらが適当に書いたキャラのプロフィールだけで
ここまで自分の中のイメージに近いものが書いて頂いて嬉しいです。
普段から文章書いてる方はやっぱ違いますねぇ。

ここから少年漫画的に再起→成長→逆転な展開に持っていくもよし、
更なるリョナ展開に持っていくもよしな良作ですね。

ていうか、続き読みTeeeeeeeeeee!!
[18]投稿者:14スレ目の74 投稿日:2008/11/18(Tue) 20:53 No.22  
>> 289さん
(*゚∀゚)。彡゚ 投下!投下!(ぉ
文章はボキャブラリーがないと結構キツいですね。
自分も書いているときは辞書やウィキペディアをフル活用でした。

>> 9スレの550さん
レスありがとうございます。
どうにか気に入っていただけたようで幸いです。(^^;

ルカ嬢の言動は「やたらアクティブ」「神学のテスト、何それ?」「得物を振り回すとハイになっていく」この3つで何となくイメージして書きました。
愛刀は普段どう持ち歩いてるのだろうかと結構悩んだのは内緒の話です。(ぉ

妄想はしょっちゅうやってますが、文章はまだ数える程度しか書いてませんね。
今のところ全部一人称タイプの文章なので、
今度は本編向けに三人称タイプの文章にもチャレンジしないと・・。

『犯りながら殺る』や『殺りながら犯る』シチュが好きな鬼畜変態は僕だけでいいです。(^ω^)
14スレ目の74でした。
[19]投稿者:82@アスロマ 投稿日:2008/11/19(Wed) 00:55 No.23   HomePage
遅れながら読みましたー。
ロウさんもななよんさんも筆が走ってますね。素敵だ!
素敵すぎておにーさんついイッちゃったよ!!

82@アスロマの脳内流行語大賞候補

鈴木さんが早速お亡くなりになられて個人的には非常に嬉しかったりします。
自分が考えたキャラクターが自分以外の誰かによって動くのって嬉しいものですね。
顔がにやけて戻りません。

ロウさんの文はOPの状況説明として綺麗にまとまっているし、
ななよんさんのはルカが可愛い。
お二方ともGOODです。
[20]投稿者:9スレの550 投稿日:2008/11/19(Wed) 01:51 No.24  
>妄想はしょっちゅうやってますが、文章はまだ数える程度しか書いてませんね。

何と。
文章の出来の良さからてっきり書き慣れてるもんだと思いましたが、そんなでもないんですか。
それなのにこのクオリティとは、レベル高いですなぁ。
ロウさんのOPも素敵だし、本編が楽しみになってきたんだぜ!

Rクエのリョナラー連合の面々の素敵過ぎるやり取りにはいつも楽しませてもらってますので、289さんのOPも大いに期待してます。

そして文章書けないんだからその分も早くボーラビの続き作れ、俺。(^q^)
[21]投稿者:289 投稿日:2008/11/19(Wed) 04:05 No.25  
ども、書き終わったのでちょっと投下してみますね。
やたら長くてグダグダかもしれませんが、お付き合いいただけると
嬉しいと思います。(^ω^ )
[22]投稿者:289 投稿日:2008/11/19(Wed) 04:06 No.26  
薄暗い部屋の中、俺は目覚めた。
周りでは何人かの声がざわざわと聞こえることから、この部屋は比較的広いことと
数十人の人間がいることが分かる。

・・・で、ここはどこだ?
たしか、俺はいつも通り女を殴って犯して拷問した後、自分の部屋で寝たはずだ。
そのとき、着替えるのが面倒だったから全裸で寝たが、なぜか今はパンツをはいている。

実に不可解だ。
俺は夢遊病者じゃないし、寝てる間にパンツをはくというわけの分からん特技はもってない。

・・・いや、そんなことはどうでもいい。
それよりも状況の把握だぜ。

少しずつ暗闇に目が慣れてきたので、知っているやつがいないか周りを見渡してみた。
そうして分かったことは、この部屋にいるのはほとんどが女ばかりで、しかもなかなかの
上物ぞろいだということだ。
残念ながら見知ったやつは見当たらなかったが、それを補って余りあるほどの素晴らしい
光景に俺は思わずほくそ笑んだ。
(何が起こったのかさっぱり分からねーが、そんなことは関係ねぇ。せっかく大勢の獲物が
俺様のそばにいやがるんだ、適当に何人か捕まえて拷問して犯してやる!)
さっそく湧き上がる獣欲を満たそうと手近な少女に掴みかかろうとしたとき、いきなり前方に光が射した。

光が挿した先には、一人の優男が立っていた。
その男は頭が沸いたような派手でいかれた格好をしていた。
口元に厭味な笑みを浮かべていて、あいつとは違う意味で殴りたくなるような男だ。
その男は無意味に仰々しいポーズを取りながら、口を開いた。

「やあ、皆さん初めまして!僕はキング・リョーナ!君たちをここに招待した者だ!」

キング・・・リョーナだとぉ?
よく分からんが、名前からしてこいつはリョナラーか?
いや、名前で決まるってわけでもないだろうが、あいつの例もあるしな。
部屋にいる人間は突然現れた派手な馬鹿に対して、唖然とした目を向けている。
中には可哀想なものを見るような目を向けているやつもいるが、男はそんなことには
気づかないのかさらに喋り続ける。

「ふふふ、いきなりこんなところに連れてこられた驚いたかい?だが、僕の目的を叶えるためには
どうしても君たちが必要だったんだよ。」

・・・目的だと?何をしたいのか知らねぇが、勝手に人を連れてきて好き勝手なことを言いやがるぜ。
だが、まあこんなアホのことはどうでもいい。それよりも女だ。
俺は気を取り直して、先ほど襲おうとした少女に掴みかかろうとする。
しかし、次の男の言葉にその動きを止めざるを得なかった。

「君たちを招待した目的はただ一つ!それは、ここにいる君たち全員でこれから殺し合いをしてもらうことだ!」

ざわめきが大きくなる。こいつは何を言ってやがる?
自慢じゃないが、俺は頭が悪い。俺の属している組織内では年に2回ある馬鹿ランキングで
腹立たしいことにぶっちぎりで堂々の一位を獲得していた。
(余談だが、現在の馬鹿ランキング一位は読み書きも計算もできない学無しの忌み子である。)
だが、頭の悪い俺でなくとも、いきなりわけの分からん場所に連れてこられ、わけの分からん男が
わけの分からんことをほざいてやがる、このワケワカラン三重奏な状況を理解することはできないだろう。

目の前のイカレ男に対して、部屋にいるやつらは戸惑いや不安の視線を向けている。
どうにもこうにもさっぱりな状況だが、この野朗が俺をこんなところに拉致った張本人なことは確からしい。
よし、決めた。こいつは殺す。
本当なら男なんて痛めつけても面白くも無いんだが、この俺様に対して舐めた真似をして
くれた上にあんなムカツク顔をしてやがるんだ、散々苦しんで泣き喚いた挙句に惨たらしく
死んでくれないと怒りが収まらねーぜ。
俺がどうやってやつを殺すか考え始めたところで、男は再び喋り始めた。

「どうやら、君たちはいまいち状況を理解してないようだね。まあ、無理もないさ。
いきなり殺し合いをしろと言われても、悪い冗談にしか聞こえないだろうね。
そんなわけで、君たちに信じてもらえるように用意したのが今君たちの首に着けられている首輪さ。」

言われて自分の首まわりに触れてみると、いつの間にか首輪が着けられている。
その事実に、俺はさらに怒りを募らせる。
周りを見ると、他のやつらも俺と同じように首輪が着けられているようだった。
いつの間にか着けられていた首輪に驚きの表情を浮かべている。
(犬猫のように首輪なんぞ着けてくれやがって!奴隷にでもしたつもりか!?)
もう我慢の限界だ。もっとも、1ミリたりとも我慢などしてなかったが。
俺は男を殺すため、男に近づこうと歩き出し、

「その首輪には爆弾が仕掛けられていてね。僕の好きなときに爆破できるのさ。
もちろん首輪が爆発したら、君たちは首が吹っ飛んで死んじゃうから気をつけてね。」

やつの言葉に再び足を止めさせられた。
・・・こいつ、今なんて言いやがった?爆弾だと?首輪に?
爆発したら首が吹っ飛ぶ?

「ほら、こんな風にね。」
そう言って、男が指を弾いた瞬間。

ボンッ!

いまいち迫力の無い爆発音が響き、ドサッと何かが倒れるような音がした。
音がした方向に視線を向けると、さっき襲おうとした女が倒れていた。
しかも、女は首が無くなっていて辺りには血と肉片が飛び散っていた。

「ひっ・・・!?」
「いやぁぁぁァァァーーーーッ!?」
「し・・・しっ、死んで・・・!人がっ・・・!」

その女が死んだということを認識した瞬間、悲鳴と怒号が湧き上がった。
中には泣き出すやつもいて、怯えた泣き顔がそそりやがる。
だが、今は状況の把握が先だ。
(ちっ・・・首輪に爆弾が仕掛けられてるってのは、どうやらマジらしいな。面倒なことになりやがったぜ。)
俺は苦々しく表情を歪めて男を睨み付ける。
男は構わず喋り続ける。
「これで僕が本気ということが分かってもらえたかな?殺し合いを拒否して僕に逆らうなら、さっきの子みたいに
首を吹き飛ばしちゃうからね。死にたくなかったら・・・。」
「フレイムバースト!」
男の声を遮るように女の声が響き、それと同時に凄まじい速度で迫る火球が男を襲う。
誰かが魔法でも使いやがったか。目の前の殺戮に怒りを感じた偽善者か、もしくは恐怖に駆られた馬鹿か。
どちらにしろ、これであのいけ好かねぇ男が死んでくれるなら願ったり叶ったりだ。
見たところ戦えるようにも見えねぇし、あの速度の火球をかわせるとは思えねぇ。
これでやつが死ねば、俺は首輪から解放されるだろう。
(その後はここにいる女たちを痛めつけて楽しむとするか、へへへ・・・。)
そして、俺の想像通りに火球は男に命中し大爆発を起こした。
それなりに離れているにも関わらず衝撃がここまで伝わってきやがる。
こりゃ確実に死んだな、あの野朗。
俺は男の死体を確認しようと、反射的に顔を庇っていた腕を下ろして男のいた前方に視線を向けた。

だが、男は無傷でそこに立っていた。
まるで、先ほど飛んできた火球のことなど気づいてすらいないかのようなその佇まいだ。
(・・・外れた?いや、たしかに当たったはずだ。)
火球が男にぶち当たる瞬間を俺の目はたしかに捕らえていた。
しかし、結果として男は傷一つないどころか、服に焦げ目すら作らずに悠然と立っている。
男は火球の飛んできた方向に顔を向ける。

そこには驚いた顔をした赤い髪の女が立っていた。
どうやら火球を放ったのはこの女らしい。
剣を提げて胸当てを着けているところを見ると、剣の腕にも覚えがあるようだ。
その女に向かって、男が禍々しく笑いながら口を開く。
「へぇ・・・そんな態度に出るってことは君も爆破されたいのかな?」
「!」
その言葉を聞いた瞬間、女はさせるかとばかりに剣を抜き放って一瞬で間合いを詰め、
男の首筋に剣を突きつける。
「・・・皆の首輪を外して。それから、ここにいる人たちを全員元の場所に帰して。」
「それはできないなぁ。せっかく僕が殺し合いのためにわざわざ集めてきたんだよ?
ただで帰してあげるわけないじゃないか。」
その言葉に、女は剣先に僅かに力を込める。
「・・・言う通りにしてくれないかな?貴方みたいな人でもできれば殺したくないから。」
「へぇー?優しいんだねぇ、お姉さんは。でも、僕は皆を返すつもりはないよ?
つまり、お姉さんは僕を殺さないと皆を助けられないってことさ。さあ、どうする?」
にやにやと笑いながら言う男に対して、女は躊躇うような表情を見せる。
しかし、すぐに表情を引き締めて剣を振るおうと力を込めようとした。

だが、剣は動かなかった。
「え・・・?アレ・・・?」
「ほら、どうしたの?僕を殺さないと皆を助けられないよ〜?」
男が挑発するように言う。
「くっ・・・。」
女は一度離れて間合いを取り、勢いをつけて再び男に切りかかる。
だが、女の剣が男を斬りつける直前、剣と男の間が薄皮一枚ほどまで縮まったところで
唐突に女の剣が止まってしまった。
弾かれるわけでも捕まれるわけでもなく、まるで慣性を無視したかのようにいきなり止まったのだ。
その現象に驚愕の表情を浮かべる女、そこに男の蹴りが飛ぶ。
「あぐっ!?」
それをまともに喰らい、女は砲弾のごとく吹っ飛んだ。
・・・は?いやちょっと待て、こっちに来るな、オイコラ・・・!

ドガアァッ!!

俺は女に跳ね飛ばされて気を失った。
[23]投稿者:289 投稿日:2008/11/19(Wed) 04:06 No.27  
運悪く吹っ飛んだ方向にいた人間(暗くてよく見えなかったが・・・)を弾き飛ばして、
女は壁にぶち当たって倒れた。
「アーシャ!?」
「アーシャさん!」
女の知り合いらしい何人かが女(アーシャというらしい)の名前を叫び、駆け寄ってきた。
しかし、やつらは途中で足を止めた。
男がいつの間にかアーシャと呼ばれた女の前に立っていたからだ。
それはありえねぇ光景だった。男がアーシャを蹴り飛ばした距離はこんな一瞬で詰められる距離じゃねぇ。
しかも、俺はアーシャが吹っ飛んでから今までアーシャから目を離さなかったはずだ。
それなのに、男がいつそこに移動したのか俺には分からなかった。
気が付いたら、そこに立っていたのだ。
魔法を使ったような痕跡はなかったし、そんな素振りもなかったはずだ。
だとすると、これはあの男特有の能力か何かなのか?
「そこをどきなさい!」
俺がやつの能力について考えているのをよそに、アーシャに駆け寄ったやつらの一人、金髪の女剣士が
男に切りかかる。
だが、やはりアーシャのときと同じように剣が急停止し、男を切り裂くことはなかった。
次に眼鏡をかけた魔術師の女が光線を放つ。
だが、光線は男に当たった瞬間に拡散して消滅した。
「あははは!無駄無駄!どんなすごい攻撃でも僕には傷一つ付けられないんだよ!」
愕然とする二人に対して男は嘲りの笑みと言葉を放つ。
「それにしても君たちも困ったものだよね。せっかく、首輪が爆発するところを見せてあげたって
いうのに怯えるどころか僕に向かってくるんだからさ。」
わざとらしくため息をつきながら男は言う。
「どうやら、まだ自分たちの状況を理解できてないみたいだねぇ。もう少し教育が必要かな。」
そう言って、男は指を弾く。
「ぐぅっ!?」
「うぁっ!?」
それと同時に、剣士と魔術師が床に叩きつけられた。
まるで上から凄まじい力で押さえつけられているかのようにミシミシと床が軋んでいる。
「ぐ・・・あ・・・ぁぁ・・・!」
「あ・・・がぁ・・・!」
「姉さん!?クリスさん!?」
理解できない力に押しつぶされて苦しんでいる二人に、一人だけ無事な男のガキが駆け寄る。
「ルー・・・ファス・・・逃げなさい・・・!」
剣士の女がガキに逃げるように言うが、ガキはそれを聞かずに男のほうをきっと睨み、
男に手の平を向けて何かしようとする素振りを見せたが、
「がふっ!?」
男がガキを蹴り飛ばし、ガキはいくらか床を転がった後に動かなくなった。
どうやら、気絶したようだ。
「君は邪魔だから寝てなよ。」
男は白けた顔で倒れたガキに言い放った。
「まったく・・・さあ、気を取り直して教育再開といこうか。」
そう言って、男がまた指を弾く。
途端、さらに圧力が増したのか床が軋み、女二人の身体からメキメキと骨の軋む音が聞こえてきた。
「いっ・・・がぁっ・・・!」
「あ・・・ぐっ・・・あがぁっ・・・!」
二人が目を見開いて苦鳴を漏らす。
床がひしゃげるほどに強い力で身体を押し潰されることに耐え切れるはずがなく、二人とも限界が近づいていた。
(もう、勝ち目はなさそうだな。)
やつらに見切りをつけた俺は、先ほど首を爆破された女の死体に歩み寄った。
男は二人に近づこうとするのが見えたが、すでに興味はなかった。それよりも食事だ。
他のやつらは向こうのやり取りに夢中で、俺のほうにはまったく注意を払っていない。
今こそが気づかれないように食事を取れる絶好の機会だ。
俺は目の前のご馳走にありつき始めた。




「や・・・やめて・・・。」
その声に男は少し意外そうに振り向いた。
見ると、アーシャがふらつきながらも立ち上がろうとしていた。
「へぇ・・・まだ立ち上がれたんだ?でも、大人しくしといたほうがいいんじゃない?
あちこち骨が折れてるはずだし、内臓にもかなりダメージいってるでしょ?」
男の言葉を肯定するかのように、アーシャが咳き込んで口から血を吐く。
男の言うとおりだ。アーシャ、もう無理はしないで。
そう口にしたくても、私は言葉を発することができなかった。
男の力で床に押さえつけられ、喋るどころか意識を保つのもやっとなのだ。
何とかクリスのほうに視線を向けると、彼女はすでに意識を失っていた。
私ほど身体を鍛えていない彼女にはこの責め苦は酷だったのだろう。
このままではクリスも危ない。
何とかこの力から逃れようとするが、どう足掻いても逃れられそうにないこの状況に
じりじりと焦燥感が募っていく。
「二人に・・・手を出さないで・・・!」
アーシャは男を睨み付けて言い放つ。
「ダーメ。どうしてもって言うんなら、僕を倒してみなよ。」
笑いながら男は言う。
「・・・・。」
アーシャはその言葉に答えず、魔法を使うために魔力を練り始める。
「・・・浄化の炎よ・・・全てを飲み込み・・・灰塵へと誘え・・・。」
たどたどしく詠唱を紡ぎ、魔法を発動させようとするアーシャに対し、男は何をするでもなく
口元に笑みを浮かべたまま立ち続けている。
「・・・メキドフレア!!」
アーシャの魔法が発動し、先ほどのの魔法をはるかに上回る威力の凄まじい炎が男に襲いかかる。
その炎は男を焼き尽くし骨まで残さず灰にするかと思えたが、炎が消えた後には火傷一つ無い男の姿が現れた。
アーシャはそれを見て愕然としている。
(そんな馬鹿な・・・!)
私も男が無傷で立っているのが信じられなかった。
さっきの魔法はアーシャの使える魔法の中で最強のものだったはず。
それが涼しい顔であっさり破られてしまったのだ。
しかも、アーシャはもう戦えるような状態ではないのだ。
すでに顔には絶望の表情が浮かび始めている。
それでも私たちを救わなければと思ったのか、悠然と歩いてくる男に向かって剣を構える。
その剣先は震えている。それは怪我のせいだけではなく、自分たちの攻撃が全く通じない目の前の男に
少なからず恐怖を感じているからだろう。
(お願いだから逃げて、アーシャ!その男は普通じゃないわ!たとえ貴女でも、その男には勝てない!)
私の思いが通じたのか、アーシャが私たちのほうに視線を向ける。
しかし、私たちを見て逆に決意を固めたのか、男に鋭い視線を向けて剣を構えなおした。
そんな親友の悲壮な姿を私は見守ることしかできなかった。
「あはは、いいなぁ!すごくいいよ!その絶望と恐怖を押さえ込んで仲間のために戦おうとするその表情!
弱い女の子を虐めるのも大好きだけど、お姉さんみたいな強い人を徹底的に打ち負かしてプライドをズタズタに
してあげるのも溜まらないんだよね!」
「くっ・・・この、外道・・・!」
はき捨てるように言って、アーシャが男に剣を振るう。
その剣筋は最初のものとは比べ物にならないほど遅く、弱々しかった。
当然、男には剣は届かず止まってしまう。
そして、さらに止まった剣を男はアーシャから取り上げてしまう。
「はい、没収〜。」
「あっ・・・!?」
剣を取り返そうとするアーシャに男は再び蹴り飛ばし、壁に叩きつける。
「ぐぅっ・・・!」
今度の蹴りはある程度は手加減されていたのか、前ほどのダメージは無いようだった。
それでも、剣を取られた上にもはや立ち上がる力もないアーシャには男に立ち向かう術は残されていない。
男はアーシャの前に屈み込んで耳元に口を寄せて囁く。
「さあ、おしおきの時間だよ、お姉さん。ちゃんと僕を楽しませてよ?」

ボキベキィィ!!

そう言うと、男はアーシャの右足を踏み砕いた。
「!!?・・・あっ・・うああぁぁぁぁっ!!?」
あまりの激痛にアーシャは目を見開いて絶叫する。
ただの骨折とはわけが違う。
男は足の裏でアーシャの右足のふくらはぎを思い切り踏み潰して、骨を粉々に砕いたのだ。
いったいどれほどの痛みが彼女を襲っているのか、歴戦の戦士たる彼女が無力なか弱い少女と同じように
痛みに耐えられずに悲鳴を上げているのを見れば想像に難くないだろう。
私は必死で自分を押さえつけている力から抜け出そうと死に物狂いで足掻いていた。
(早く!アーシャを、アーシャを助けないと!)
だが、私の痛切な思いとは裏腹に私の身体は全く言うことを聞いてくれない。
「あれあれ〜?まさか、これくらいでギブアップとかないよね〜?」
男は楽しそうに・・・本当に楽しそうに笑いながら、そのまま足をぐりぐりと捻る。
アーシャのふくらはぎから砕けた骨と骨がゴリゴリと擦れる嫌な音が響く。
「いっ・・・あ・・・ああアアァァァァァ!!」
聞いている者が耳を塞ぎたくなるような悲痛な絶叫をアーシャの喉から漏れる。
(アーシャ!?くっ・・・!動いてよ、私の身体!私にあの子を助けさせてよ!)
あんな声で叫ぶあの子は見たことはなかった。
もはや彼女の頭は痛みのみで満たされているのか、激痛から少しでも逃れようと
身をよじらせている。
「ああ・・・!ああぁ〜〜!いいっ!可愛いよ、お姉さん!
そんな声で鳴かれたら、僕はっ!僕はもうっ!」
男は興奮してきたのか、目をギンギンに見開いて口からよだれを垂らしながら
さらにゴリゴリとアーシャのふくらはぎを踏み捻る。
ほとばしるアーシャの絶叫。
泣き叫び、男から必死に逃れようとするが、男に肩を捕まれているせいで身じろぎすら満足にできない。
もはや、すり潰すといった表現のほうが相応しいほどにアーシャの足は紫色に変色し、形がグジョグジョになっている。
あまりにも凄惨な光景に部屋にいる人間の半分ほどは真っ青な顔をしており、中には気絶する者もいた。
私はいつの間にか涙を流していた。
あの子がなんであんなひどい目にあうのか、自分の身体はなんで動いてくれないのか、なんであの男は笑いながら
あんなひどいことができるのか。
そんな無念さ、情けなさを感じながら、私の身体も限界がきたのかだんだんと意識が薄れていった。
[24]投稿者:289 投稿日:2008/11/19(Wed) 04:07 No.28  
男の私への「おしおき」がしばらく続いた後、ようやく男は満足したのか、それとも飽きてしまったのか、
虐待の手を休めた。
私の右足のふくらはぎは筋肉まですり潰されて引き千切られたのか、まるで中の肉と骨を徹底的に砕いて
ミンチにしたようなひどい状態となっている。
私は男の拷問じみた残虐な行為に憔悴していた。
涙腺がおかしくなったのだろうか。まるで子供のように瞳から涙が流れ続けている。
口からはだらしなくよだれが垂れていて、顎に伝っていき、そのまま首周りを汚していた。
この男が怖かった。心底から楽しそうに私に痛みを与え続けるこの男が。
戦いの中でも味わったことの無いような凄まじい激痛を男に与えられ続けたせいで、私の心には
男に対する恐怖が深く根付いてしまっていた。
それでも僅かに残っていた反抗心を奮い立たせ、怯え混じりの視線ではあったが男を睨み付ける。
男はそんな私を愛おしそうに見つめながら、
「ふふふ、良かったよ、お姉さん。あんまり可愛く泣き叫んでくれるから、僕、お姉さんのファンになっちゃったよ。
本番でもさっきみたいに頑張ってね?」
そう言って、私の涙とよだれを舌で舐め取った。
「・・・っ!」
(いやっ・・・!)
あまりのおぞましさに鳥肌が立った。
私が嫌がって顔を背けようとするのを無理やり押さえつけて、男は私の頬や唇に舌を這わせてくる。
(い・・・いやぁ・・・!)
私の顔が嫌悪に歪み、さっきとは別の理由で涙を滲ませるのを面白そうに眺めながら、男はようやく立ち上がって
他の人たちに向き直る。
「さて遅くなっちゃったけど、それじゃ殺し合いのルールを説明するね。」
その言葉を聞き、私は仲間の三人が全員気絶していることを思い出す。
(ルールの説明・・・私が・・・聞いておかなきゃ・・・。)
男がルールを説明しているのを聞き逃すまいと意識を向けようとするが、男の拷問にすっかり体力を
使い果たしていたのか、私はルールの説明を聞く前に意識を失ってしまった。




赤い髪の女の人の凄惨な様子を見せられて、男に逆らおうという考えの人はいなくなったようだった。
そのことに男は満足そうに微笑むと、ルールの説明を始めた。

「まず、君たちは一人になるまで殺しあわなければいけない!
もし最後の一人になることができたら、一つだけ何でも願いを叶えてあげるからね!
それと、最後の一人になった人は元の世界に帰りたいなら僕が帰してあげるよ!
これは願いとは別だから安心してね。

それから、殺し合いのために君たちにそれぞれ素敵なアイテムをプレゼントしよう!
一人ひとりにこんな感じのデイパックを渡すから、中身を確認してね。
中には、食料、水、照明道具、殺し合うフィールドの地図、筆記道具とメモ用の紙、方位磁石、
時計、ここにいる参加者全員の名前が書かれた名簿が入ってるよ。
それと、これ以外にもランダムな支給品がいくつか配られている!
武器はこのランダム支給品に含まれているよ。
まあ、中身は当たり外れが激しいから外れを引いちゃった人はご愁傷様ってことで諦めてね。
ああ、もちろん今持ってる武器や道具は没収させてもらうからそのつもりでね。

それと、もし24時間の間に誰も死ななかった場合は全員の首輪を爆破しちゃうからそのつもりでね〜。
それと、殺し合い開始から6時間後に僕からのありがたい放送がフィールドに流れるから聞き逃さないようにね。
放送の内容は死亡者の名前と残り人数、それから禁止エリアの発表だよ。
禁止エリアっていうのは文字通りそこに入るのが禁止されたエリアのことだよ。
その場所に足を踏み入れた場合、首輪が爆発しちゃうから気をつけてね。
ちなみに、参加者同士で手を組んだり、支給品を交換したりするのは自由だからね。
せいぜいお互いを利用して上手く生き残りなよ?

おっと、そうそう。
忘れるところだったけど、さっき僕がおしおきしてあげた4人の傷はフィールドに送るのと
同時に治しておくからね。
怪我しているところを狙おうとしても無駄だよ?

説明は以上!それじゃ、殺し合いのゲームを開始するよ!
皆をフィールドにワープさせてあげるね!」

男がそう言うと、眩しい光が視界を包んだと思ったら部屋の中には私と男だけになっていた。
男はくっくっと笑っていたが、私に気づくと軽く手を振った。
すると、ポンという音と共に女の子が3人現れた。
「レミングス、あれを片付けておけ。」
男はそういうと、部屋から出て行った。
レミングスと呼ばれた女の子たちはせっせと私を片付けていく。
私はレミングスたちに片付けられながら、殺し合いのフィールドに送られた人たちのことを考える。
特に私が気になるのは、あの赤い髪の女の人だ。
たしか、アーシャさんって名前だったっけ。
あの人があの男に向かっていったのはきっと私のことに対して怒ってくれたところもあったんだと思う。
そのことは嬉しいと思うけど、同時に申し訳なくも思った。
だって、私のせいもあってアーシャさんはあんなひどい目にあったのだから。
アーシャさんには死なないでほしいと私は思った。
もちろん他の人にも死んでほしくない。
でも、あの人は私のために怒ってくれたんだから、私はあの人に生き残ってほしかった。
すでに死体となってしまった私には何もできないけど、そう願うくらいは許されるはずだ。


神様、どうかアーシャさんが生きて無事に帰れますように。



[25]投稿者:289 投稿日:2008/11/19(Wed) 04:08 No.29  


【鈴木さん(@左クリック押すな!!)死亡】
【残り?人】

【?/?/1日目 0:00】

【モヒカン(@リョナラークエスト)】
[状態]:気絶
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
 基本スタンス:女は痛めつけて犯す
 1.気絶中

【アーシャ(@SILENT DESIREシリーズ)】
[状態]:気絶、憔悴、右足が二度と動かないほどの大怪我(ただし、次には回復)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
 基本スタンス:対主催
 1.気絶中
 2.主催者に恐怖心

【エリーシア(@SILENT DESIREシリーズ)】
[状態]:気絶、全身の骨のところどころにヒビ(ただし、次には回復)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
 基本スタンス:対主催
 1.気絶中

【クリス(@SILENT DESIREシリーズ)】
[状態]:気絶、全身の骨のところどころにヒビ(ただし、次には回復)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
 基本スタンス:対主催
 1.気絶中

【ルーファス(@SILENT DESIREシリーズ)】
[状態]:気絶、肋骨二本骨折(ただし、次には回復)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
 基本スタンス:対主催
 1.気絶中

【オーガ(@リョナラークエスト)】
[状態]:健康、腹八分目
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
 基本スタンス:マーダー対主催
 1.食い足りねぇ・・・。
 2.食料(人肉)確保


【キング・リョーナ(@オリジナル)】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
 基本スタンス:ゲーム(殺し合い)を完結させる
 1.さあ、楽しいゲームの始まりだ!

【レミングスA,B,C(@Remmings)】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
 基本スタンス:主催者に服従
 1.お片づけ〜。

※モヒカン、アーシャ、エリーシア、クリス、ルーファスはルールの説明を聞いていません。
※アーシャ、エリーシア、クリス、ルーファスは次の話までには気絶も含めて全回復しますが、
 モヒカンは気絶したままです。


[26]投稿者:289 投稿日:2008/11/19(Wed) 04:12 No.30  
やっと書き終わった・・・。
見せしめとしてアーシャを使ってみましたが、アーシャは仲間が多くて見せしめには不向きだと
いうことに書き始めてから気づいたっていうorz

普通なら、

見せしめピンチ → 見せしめをリョナる

で終わるのにアーシャの場合は、

アーシャがピンチ → 仲間が助けに入る → 仲間ピンチ → アーシャが助けに入る
→ アーシャピンチ → アーシャをリョナる

という風になってしまったわけです。
初心者にはきついぜ。(´・ω・`;)
最初っから5人も気絶させちゃったし、ありえんw
OPがこんなに長いとかありえんw

こんなんでも書き続けてれば、そのうち上手く書けるようになるだろか。

お目汚し失礼いたしました。
[27]投稿者:14スレ目の74 投稿日:2008/11/19(Wed) 06:17 No.31  
>> アスロマさん
レスありがとうございます。
「素敵すぎておにーさんついイッちゃったよ!!」は自分でも後で読み返して吹きました。
キング様鬼畜変態すぎますね。
そんな鬼畜変態キャラを書いた自分も同類・・?(´ω`)

> 9スレの550さん
視点となるキャラを中心に他のキャラの動向は極力書かない所謂一人称視点な文章なら適度に制約が入るおかげで、
これぐらいはネタさえ思いつけば後は辞書やウィキペディアと根気よく睨めっこで何とかなりますよ。

ロウさんや289さんみたく三人称視点の文章で書けた方が
エンターテイメント的には読みやすいので今回のような企画ではベストなのですが、
三人称の文章は自由度が高いが故の難易度の高さみたいのがありますからね・・。(^^;

>> 289さん

>>そんな声で鳴かれたら、僕はっ!僕はもうっ!
なんて素敵な変態セリフなんだ・・。今度使わせてもらいます。(ぉ
踏み砕くシチュとか舌で舐めとるとか鬼畜変態すぎる、もっとやれw

モッヒー氏が一番活き活き描かれていたのはこれは本編でもモッヒー大活躍フラグとみてよろしいでしょうか?(ぇ
吹っ飛ばされてきたアーシャと一緒に跳ね飛ばされて気絶するあたり何とも彼らしいといいますかw

どうやら、ここでは改行は比較的頻繁に入れて行った方が読みやすいのかもですね。


PCの調子が再びおかしくなってきましたが、近日中に三人称視点な練習を上げられたらなぁ・・と思っています。
14スレ目の74でした。
[28]投稿者:ロウ 投稿日:2008/11/19(Wed) 16:40 No.32  
289さんのOP…素敵過ぎるぜ…。
289さんのキングはななよんさんの書いたキングよりも変態な感じですねw
私のキングが比較的普通の人に見えてくるから困る(´・ω::;:..;..:.;....

私は一度に四人も五人もいる場面が苦手だったりします…(今誰がしゃべっているのか、などを書き分けるのが苦手です…)
なので、289さんのように人数が多い場面をしっかりと書ける人はすごいと思います。

でもこれはアーシャ勢はかなり不利ですねw
誰もルール聞いてねえ\(^o^)/

289さんにも本編を書いてほしいなと思いました。
[29]投稿者:サデ中 投稿日:2008/11/19(Wed) 21:38 No.33  
>289さん
ズタボロになっても必死に戦うアーシャが素敵ですね!
アーシャの、どんなときにも必死にがんばるところが、私は大好きです。
そして絶望に打ちひしがれ、キングに恐怖するアーシャがもう、なんていうかビンビンきましたw
再度キングを目の前にしたときは、さすがのアーシャもふるえが止まらないかもしれませんね。
[30]投稿者:289 投稿日:2008/11/19(Wed) 23:36 No.34  
おお、さっそくのレスが!
皆さん、自分の拙い文章を読んでいただき
ありがとうございます!

>>14スレ目の74さん
キングはできるだけ変態っぽく書こうとしましたね。
最初は難しいかと考えてましたが、意外とあっさり
変態っぽく書けました。
おそらく自分も同類だからでしょうw
舐め取る云々は、自分ならそうすると思って書きましたw

モッヒーは活躍するか分かりませんが、貴重なエロ要因として
頑張ってもらいたいと思いますね。
まあ、ネタキャラでもあるので空回りしまくりで終わるかもしれませんがw

>>ロウさん
自分は逆に人が少ないと動かしづらいですかね。
たくさん人がいたほうが、この状況ならこいつが
喋ってくれるとか、こいつはこういう技能を持って
いるからこんな展開に持っていけるとかできるので。
人が少ない場合は、間を持たせるのが難しくなって
ちょっと難しく感じますね。

サイデザの面々はルール聞いてないかわりに、殺し合いには
乗ってなさげなことを認識されたということで足し引きゼロ
ということで…いや、ステルスに利用されるかw

書き手の人が多ければ自分は書かなくてもいいかなと
思ってましたが、今回書いてみて自分も本編を書いて
みたくなったので、書き手参戦しようかなと思ってます。
なので、そのときはよろしくお願いします!(`・ω・´ )

>>サデ中さん
サデ中さんのレスきた!これで(ry
自分も辛くても頑張るアーシャは大好きですね。
キングがアーシャを虐める場面は書いてて
ものすごく楽しかったです。(^ω^*)
自分的にはもっとひどい感じに虐めてトラウマを
植えつけたかったのですが、OPなので自重しましたw
[31]投稿者:9スレの550 投稿日:2008/11/20(Thu) 01:53 No.35  
さっそく289さんのOPキター
鈴木さんで締めるって展開が斬新ですね。

>アーシャ、エリーシア、クリス、ルーファスは次の話までには気絶も含めて全回復しますが、モヒカンは気絶したままです。
これはひどいww吹いたwww

しかし、どのOPも仮OPなのがもったいないほどのクオリティですね。
[32]投稿者:289 投稿日:2008/11/20(Thu) 12:00 No.36  
9スレの550さん、感想ありがとうございます!

鈴木さんはいきなり爆破されて一言も喋ってなかったので
頑張って喋ってもらいましたw

>>これはひどいww吹いたww
ひどくてもいいじゃない、モヒカンだもの。

たしかにこれらのOPがボツになると考えるともったいないですね。
何らかの形で活用できないかなぁ。
[33]投稿者:14スレ目の74 投稿日:2008/11/23(Sun) 00:19 No.37  
>>舐め取る云々は、自分ならそうすると思って書きましたw

>>自分的にはもっとひどい感じに虐めてトラウマを
>>植えつけたかったのですが、OPなので自重しましたw


( ゚Д゚)・・・。


(゚Д゚)


鬼畜変態キャラ描写の師匠と呼ばせてください。(ぇ


三人称の文章を練習中ですが、やはり難しいです。
セリフや内言や行動のタイミングが特に難しいです・・。
とりあえず2人ぐらいで練習してますが、
本番で十数名とか出てきたらどうなることやらと不安が募ってます。
14スレ目の74でした。
[34]投稿者:289 投稿日:2008/11/23(Sun) 15:09 No.38  
こんなのを師匠にしたら人生駄目になるですよ。(^ω^ )

タイミングはきっかけを作ってやれば書きやすくなる…のかな?
大勢出てくるとしても、A VS B、C VS Dみたいな
感じに分けて書いてやれば、書きやすくなるかもしれないですね。
自分も練習不足なので、書き手として書くことで
上達できたらいいと思います。
[35]投稿者:うにょROM 投稿日:2008/11/24(Mon) 19:04 No.39  
おぉぉぉ!2週間ぶりに自宅に帰ったら賑やかになってる!
レベル高いし。勉強しないとなぁ。
仕事が一段落ついたら私も駄文貼りに来ますね。
うにょROMでした。
[36]投稿者:289 投稿日:2008/11/25(Tue) 20:51 No.40  
お帰りなさいです。
2週間お疲れ様でした!

そろそろ企画が動き出しそうでわくわくしてたりしますw
うにょROMさんの作品も期待してます!d(`・ω・´)
[37]投稿者:289◆J9f1Lk6o 投稿日:2008/12/20(Sat) 01:16 No.76  
過去スレがageれるか、実験。
[38]投稿者:289◆J9f1Lk6o 投稿日:2008/12/20(Sat) 01:19 No.77  
大丈夫みたいですね。
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