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スレッド表示 - No. 171 -

映画『HAZARD』 〜まさしく”劇薬”としての存在感〜

[1]投稿者:ひかり@管理人 投稿日:2004/10/23(Sat) 10:54 No.171  
園 子温 監督作品 映画『HAZARD』… 公式サイト

未見の作品であり、しかも、今後もおそらく、見られる可能性が希薄な、
地方在住の私にとっては、いささかの寂しさは拭えないものの、
DVD発売等の希望を最後まで棄てずに、この作品の興行的成功も地味に願うばかりです。

私は、CS・トラベラーズTV『オダギリジョー・思い出のニューヨーク』で、
この映画『HAZARD』の収録現場風景や、映画のワンシーンに触れることができました。
また、『INVITATION』NO.〇 Dec 2002で、
オダギリジョーの、映画『HAZARD』に対する思い、撮影現場での様子などを
伺い識ることができました。

オダギリジョーは、かつて、日本テレビ系『秘密の大爆笑問題』にレギュラー出演当時、
同番組のHPの中の、彼独自の、映画についてのコラムのコーナーで、
園 子温監督作品についての思いを語っておられたことがありました。

その後、奇しくも、園監督作品に呼ばれることとなり、
また、映画の仕事で、思い出のニューヨークに再び戻れた…ということは、
とても感慨深く、価値ある経験で、嬉しい…というようなことを、
ご本人も仰っていましたが、
ファンの端くれとしても、見ていて嬉しく、思わず目を細めてしまいました…(笑)

映画『HAZARD』をご覧になったかた…
もし宜しかったら、ネタバレ注意という一語をお添えになって、
ぜひぜひ、ご感想などお聞かせ下さいませ…。




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[2]投稿者:ひかり@管理人 投稿日:2004/10/23(Sat) 20:54 No.172  
↑上レスで、
映画『HAZARD』をご覧になったかた…
もし宜しかったら、ネタバレ注意という一語をお添えになって、
ぜひぜひ、ご感想などお聞かせ下さいませ…。
…と、私、みなさまにお願いを致しましたが…。

こういう公開のサイトでは、なかなか、どこまでがOKで、どこまでがNG…っていう、
線引きが難しく、管理人と言っても、ただのファンの端くれで、
これまでのファン経験に基づいて、動物的カンとかで動いているようなものですので、
わからないことの方が多いわけです。

…で、
映画『HAZARD』は、これまでの経過を見ても、
監督ご自身が、興行に際して、いろいろ苦心惨憺なさっているご様子だったりもして、
或いは、この先も、いろいろ前途多難振りが見え隠れしたりもしますので、
まあ、作品に対するご感想なども、ぼちぼち、無難に、主観的に、差し障りなく、
語って頂けたらいいかな…と思っております。

やっぱり、作品を観た後で、その感動を、自分ひとりの胸に収めて終わってしまうのが、何だか物足りなくて、
それで、ファンの人たちが集う場所で、ちょっとだけでもお喋りしたい…と言う気持ちって、ありますよね…? 
そのお気持ちは、ぜひとも尊重したいんですよ…。せっかくの場所ですから。

ただ… こういう場所で語られることが、いつどこで誰の迷惑になるかわからない…という危険性を、
できるだけ回避しなければならないということですね…。

何だか、自分で書いてて、よくわからない文章で、申し訳けありませんが、
そういうわけで、映画『HAZARD』については、ちょっとトーン・ダウンで、無難に語り合いましょう…
と言うことで…。どうぞ宜しくお願い致します。



[3]投稿者:ゴロー 投稿日:2004/10/25(Mon) 09:36 No.173  
お久しぶりです、ひかりさん。ずっと前に「アカルイミライ」の方にかき込みさせていただいた者です。時々、Jupitar訪れては、皆さんのオダギリトークを読ませていただき、色んな事を教えてもらい、そうそううんうんと深く頷いたりしています。簡潔な文章を書くことがニガ手の上、PC環境も悪くてなかなか自分から参加できないのですが、今回下手なレポ書かせていただきます。
 HAZARDの前売りなんとかギリギリ手に入れて(その後、シンクロニシティ、パッチギは2連敗)この日を待ちました。学校のバザーの手伝いを午前中だけにさせてもらって12時半には自宅発、はやる心をおさえつつ池袋へ。
 手持ちカメラの使用、1シーン1カットの多用などとプログラムに書かれていたので、目が回りそうな映像を想像していましたが、クリアで見やすい画面でした。
 のっけから、テーマ曲にのせてオダギリ氏演じるシン(シンイチ、罪のシンとも。)のアップ。(テーマ曲は作曲、唄/
オダギリジョー、唄というか園子温作詞の朗読) 「アカルイミライ」の雄二が、東京を逃げ出してNYへ行っちゃったみたいな感じ(シンは大学生で20歳の」設定でしたが。)
 当初、不安がいっぱいでおどおどした感じのシン(英語も下手で辞書を片手に「アイムルッキングフォワードアーサンキュー」とかなんとか、、、笑えました)ですが、怪しいアイスクリーム屋の2人とつるんでるうちに、、。ストーリーを何処まで書いていいのか、このへんにしときますが、最後は別人のように不敵な面構えになったシンはめちゃくちゃ格好いい!英語も流暢、これってオダギリジョーのプロモーションフィルム?って思うほど魅力的。こんな面白い映画、大勢の人に見てもらわないと本当もったいない。絶対全国的に上映してほしいし、DVDもだしてほしい、強くそう思います。
 上映後のトークショーには監督と深水元基さん達が、思い出話などを披露。NYでも特に危険地帯でロケしたので、撮影終わった15分後には本当の銃撃戦があったり、銃を撃って走り出すシーンでは、一応警察に許可をとってるものの、周りには一般の人もいて、ジャンキーが勘違いして本当に撃ってくるかもと言われたり、、と、正にHAZARDな現場だった等々。
 監督のオダギリ評は「勉強家」。「突然電話で、ちょっと貸して下さいと言ってきて、詩に曲をつけて勝手にCDまで作っちゃって、どんどん外堀うめられたからもう使うしかない。でも使ってみたらこれがけっこうしっくりきた。」とはテーマ曲の話。「ただし、勝手に作った罰でエンドロールには載せてない(笑)。」(後で編集し直してちゃんと載せるつもり、ともおっしゃってて、このバージョンを見たのは今日ここにいる人だけだそうです。)
 ちなみに3日前に仕上げて試写した際、深水さんは見たそうですが、オダギリさんは未見だそうで、本人より先に私とかが見ていいのかなーとも思ったり。
 今後の上映への参考にアンケートを採ったので、迷わず大満足に○をつけました。
 [HAZARD」についてご意見がございましたら、wearehazard@yahoo.co.jpまでメールをお送り下さい。
また今後「HAZARD」を拡げていくにあたって、協力スタッフ」も募集しています
[HAZARD」ULR:http://www.hazardmovie.com 近日公開
 だそうです。
 駄文を書き連ねてしまいましたがちょっとでも雰囲気伝ったでしょうか?「血と骨」のプレミアにもいった幸運な人間なので、できればこちらについても今度書かせてもらいます。(これが結構難しい、、。)





[4]投稿者:ひかり@管理人 投稿日:2004/10/26(Tue) 09:44 No.175  
ゴローさん。 
お忙しいなか、とても興味深いレポをありがとうございました!

ゴローさんのレスは、全然、大丈夫ですからねー。

いや、管理人がこのとおり、偉そうで自己陶酔的な文章書くヤツなもんだから、嫌う人は嫌うのよ…(笑)
そういう管理人を好きだと思って下さる人たちにこそ読んでもらって、声かけてもらってればいいわけだし、
嫌いなら、アクセスしなきゃいいわけでさ…。

だから、ゴローさんは、全然、お気になさらないでね。
これから、病院行かなくちゃならんので、こんなレスの仕方で、ごめんなさいー。
[5]投稿者:まじょみ 投稿日:2004/10/27(Wed) 21:14 No.176  
2002年にクランクインし、その完成が長らく待たされていた待望の新作がついに完成し、オープニング作品として日本で初上映されます。日本で満たされなかった男がニューヨークで何かを求めて彷徨い、もがく姿を描いた切ない青春映画。ほぼ全編ニューヨークロケを敢行し、手持ちのカメラ使用、1シーン1カットの多用により緊張感とスピード間のあるドキュメンタリータッチの映像が展開されます。

・・とパンフに書いてあります(爆)

遅くなりましたが「HAZARD」観てまいりました。
上で、ゴローさんが素晴らしいレポをアップしていただいているので、ちょっとつけたし付けたし程度のレポなど。

・主題歌は「HAZARD」まんまです。
・「シン」の名前は「シンイチ」なのですが、1回苗字も言っているんですよね。ちょっと聞き逃してしまい凹んでます。
・FC限定の○レンダーのフォトのシーンにうっとり。
・遊び仲間の女の子とkiss(するんじゃなくてされてしまう)
・ラリパッパでハイテンション
・ベットでうなされるシーン、シャワーのシーンにドキリ
・なんと!「ぼくいき」「プラセク」で共演した石丸謙二郎さんも出演なさっています。ジョーくんかなりの悪態つけてます(爆)

一緒に観たオダ友達は「すごくよくて感動した」と仰ってた方がほとんど。そんな中不感症な私は(爆)「???」だったんです。
でも、時間がたつとジワジワきて今かなりキテます。

という訳で、園監督も、鈴木プロデューサーも「HAZARDを口コミで拡げて欲しい」と仰っていたのでレポってみました。
ネタバレで気分を害する方がいらしたらお許しを。



[6]投稿者:IVY 投稿日:2004/11/01(Mon) 00:42 No.183  
 ゴローさん、まじょみさん>
私も『HAZARD』、見てきました!
そして自分以外の方がどのような感想を持ったか、とっても興味深かったので、
楽しく拝見しました。ほんと、あとからジワジワ効いて来ますよね、あれは。
本当に沢山の方に見て頂きたい映画です。
全国公開&DVD、ゼッタイお願いしますですよー、監督!鈴木さん(←プロデューサー)!

つきましては、出遅れましたが、私にもちょっとレポらせて下さい〜。
また少し長くなってしまいそうなので、ひかりさんにも相談したんですが
心配ご無用と背中を押してくださったので、思い切って書き込んじゃいます!
ただ、ゴローさんが書き込みされた時には実はもうレポ作成済みだったもので、
少々内容が重なってしまっている所もあったのですが、
申し訳ありませんが手直しせずそのまま載せて頂いちゃいます。
どうぞご了承ください。

それから、映画自体のレポ&感想も、肝心な事は余り書いていませんが、
それでもだいぶネタバレしてしまっております。
私個人の偏った意見も多々あると思います。
それでもいいと思ってくださる方、どうぞ、宜しかったら読んでやって見て下さい・・・。

           **********************

 眠い国、日本。でも眠れない国、日本。
  学校でもぼんやり立ち尽くすばかり、彼女の言葉ももうまるで耳に入っていない。
  滑走路を徒歩で走り飛び立てずにいる夢を繰り返し見続ける青年。
  彼の得体の知れない苛立ちは完全に限界に来ている・・・。

私はトラベラーズTV『オダギリジョー・思い出のニューヨーク』や
『INVITATION』誌を前もって目にすることなく鑑賞したので、
初めは自己確立に悩むごくありふれた若者の話かと思っていました。
そう思って見始めたら、とんでもない。
お話は見る人の想像を遥かに超えるような、とてつもないスケールへと展開してゆき、
ただただ圧倒されるばかりだったわけなのです。

  
  90年代初頭。NY、喧嘩、強盗、銃撃、ドラッグといった、まさしく“HAZARD(危険地帯)”を、
  3人の若者が疾走する。テーマ曲の強いビートに合わせて、時に蛇行しながら、でも速度は落とさずに・・・。

最初のうちは字幕なしの英語のシャワーにとても困惑し、
なんだか訳がわからないまま、ふと気が付いたら映画の世界に引きこまれていましたが、
それは主人公であるシンの気持ちにそのままシンクロするように作られているようです。
最初はたどたどしい英語がかわゆいオダギリ・シン。
なんだかとても若く見えるのは、2年前の撮影だからではなく、
オダギリ氏の巧みな役作りによるものだという事が、最後のほうを見ていくうちに判りました。
服装なんかも途中まではまだ、私たち普通の日本人から見ても理解できるような、
どちらかというとカジュアルで派手な学生、みたいな感じだったような。
  
 
  英語の下手な田舎物のジャップと馬鹿にされ、小心者の自分に気付いて挫折し、
  しまいには身包みはがれて空腹でさ迷うシン。そこに世にも劣悪な救世主が現れる(笑)。
  馬鹿ばかりやっているようで実は面倒見の良いリーと、
  キレると手が付けられないが、女の子には一途なタケダ。
  この2人の不良青年がシンを日本で抱えていたジレンマや渡米後の挫折感から
  一気に開放してくれる。そして次第に彼らと友情を育んでいく・・・。

2人と出会い、充実感を感じるようになったシンの変化、そして3人の数々のご乱行が、
蛇行しつつも猛烈なスピードで疾走するアイスクリーム屋のワゴンにのせて、
とにかく痛快極まりなく描かれていて、とっても快感!
しかも、ただ、ストーリーにスピード感があるだけでなく、映像のカラフルさは目へ、
オダギリ氏の作るテーマ曲は猛烈に映像とマッチして耳へと、
ダイレクトに“刺激”として侵入して来て、その心地よい事といったら。
とにかくハチャメチャをやりたい放題やってくれているので
見ている人の破壊願望をこれ以上ないほど満たしてくれます。・・きっとR指定だよなあ、これ(笑)。
服装もどんどん派手にカラフルに、3人まとめてトータル的にかっこいい。どんどんNYの空気が滲み込んで来る。
でもそうかとおもうと、途中、スピードある描写とは違った、詩の朗読を交えた、物寂しい心象風景なんかもあったりして。
中でも特に、破れ傘をみんなで揃って持っているシーンが印象的だったけど・・、これってなんの象徴なんだろう。
まだまだ胸の奥のモヤモヤも完全に解消されたわけではないシンに、なんだかとても似合っていました。
馬鹿騒ぎをしても、ふと顔を覗かせる依然として弱いままの自分が嫌い。そんな風情。
自嘲気味に笑う寂しい顔のオダギリ・シンが、なんだかせつない。
でもそんなシンにとって、リーとタケダはとてもいい仲間だと思いました。
とにかくむちゃくちゃな人たちだから、大人は解ってくれないだろうけど。
ちょっと距離を置いて見守りながらちゃんと理解してくれていて、
シンが自分の悩みを自分で乗り越えられるようにさりげなく力を貸してくれる。
押し付けがましい見せ掛けの親切とは違った、本当の男の友情って、
案外これ位あっさりした感じなんだろうな。女には入れない世界で、羨ましく思う。

  
  そして転機が訪れる。はっきり芽生えた「仲間」としての意識。キーマンといえる人物との出会い。
  顔なじみだったはずの刑事からの執拗な接触。全てが揃った所で、事件が起こってしまう。
  死んだような顔のシン。そして初めて滑走路から飛び立つ・・・。

完全にNYのアンダーグラウンド界に馴染んだシン・オダギリは、ぞっとするほど素敵。
でっかい悪者仕様のサングラスがめちゃくちゃ良く似合う。顔を歪めて不敵に笑う。銃をぶっ放す。
英語も完全に慣れ、いつかの不安そうな若者はどこへ行ってしまったのかと思うほど、
見る見るうちに表情が変わってしまった。
ジャズの生演奏をしている暗いバーのシーンがあり(一瞬クラブ進駐軍かと思った・笑)、
そこに現れたときの、シンのガウンかと思うほど長いコート(?)がすごく似合っていてかっこよかった。
とにかく、そんじょそこらの人じゃ着こなせないようなものを次々と自分のものにしてみせていく
オダギリ氏は本当にスゴイと思う。そして映画全体が、実はやっぱりすごくおしゃれなんだろな。
そして事件後。1人彷徨って、無表情で黙々と目的を達成していくオダギリ・シンは・・・。
辛いです。怖いし。でもやっぱり痛い。そして一番大きく表情が変化してしまっている。
もうこれ以上の変化は無いだろうと思った所での一番の変化は恐ろしいほどで、
今にして思うと本当に芸達者ないくつもの顔を演じ分けられる人にしか出来ない役だなあと思いました。
 

  そして最後にとても静かな顔をして、大事な約束を友とする。
  乗り越えるべきものは乗り越え、自信と力がみなぎっていて、
  自分の可能性を完全に信じ切っている。
  そして今度は自分で自分の場所を築かんと、ゼロからのスタートをする・・・。

この時になると、シンはもう、背伸びもしていなければ、やさぐれてもいない、
本物の大人のワルになってしまっているような感じがしました。
360度ぐるっとまわって、また前向きに戻ってきているみたいで、
積極性と自主性を兼ね備えた大きな男になっている。もう怖いものは余り無いんだろうな。
日本の若い男の子がこの映画をみたら、シンに憧れてしまうかもしれない。
でも同時に、最後まで見ると自分たちの小ささを嫌というほど解らされてしまうし、
形だけ真似してもかっこ悪いとわかるから、かえって不良少年が更生したりして。
そんなことも思ってみました。


    **********************


この映画の最大の持ち味は「疾走感」なのではないかと思います。
先にも書きましたが、アイスクリーム屋のワゴンを筆頭に、マイカー(多分・・)もあり、
強奪した車もあり、とにかく車で沢山走りまくっている。
そしてこの「疾走感」の心地よさは、誰もが心の奥底に、実は密かに抱えている
「危険なものへの憧れ」を呼び覚ましてしまうみたいです・・・。
映画鑑賞後、帰宅し、日常生活に戻りながらも、今もどこかで『HAZARD』を引き摺っているらしく、
ちょっとしたストレスを感じるたびに、あの暴力的で歯止めの利かない「憧れ」にも似た気持ちが
胸の奥でふつふつと小さく湧き上がり、苦しくなってしまう・・・。
そしてあの心地よさを味わいたいが為に、また何度でも映画館に足を運びたい、とさえ思ってしまいます。
本当に、まさしく劇薬、です。オダギリドラッグの禁断症状が表れ始めているという事なんでしょうか・・・。

あと、この映画は共感する事で自分を慰める、というよりは、
快感を与えてもらって引っ張り上げてもらう、といった感じの映画だと思います。
私個人としては、「さえない日常」を「解って」くれる傷口舐め合い系の映画も嫌いじゃないんだけど、
『HAZARD』のように、「さえない日常」なんてぶち壊しちゃえばいいんだ!と「教えて」くれる映画で
自らを縛る既成概念からしばらくオサラバするのは、とても気分爽快でした。
日ごろストレスを抱えている人にお勧めの映画ですよー。(って、早く公開決めてよーって感じですよね。)


追記、1回見ただけの映画なので、ところどころ記憶違いしている所もあるかと思います。
間違った解釈しているところも多々あると思いますが、何卒ご了承お願いします。
[7]投稿者:IVY 投稿日:2004/11/01(Mon) 00:44 No.184  
スーパーインディーズ映画祭『HAZARD』トークショー at テアトル池袋(2004.10.23)

『HAZARD』上映終了後、トークショーがありました。
園子温監督、タケダ役の深水元基さん、ミサ役の椋名凛さん、鈴木剛プロデューサーがいらっしゃり、
インタビュアーの方の質問に答えるという形式でした。
以下順不同で、しかも内容もはっきり記憶しているわけではないので
実際と違う所も多々あると思いますが、なんとなくニュアンスで捉えて頂ければ幸いです。

*撮影について*
撮影されてから2年も経っているだけに、
皆さん当時の事を思い出すのに苦労しながら質問に答えていたようです。
まず撮影についてのコメントをいくつか。

  撮影はいつも危険と隣りあわせで、無事故で終われたことは奇跡のよう。
  映画の神様が付いていて下さったからだと思う。
  車が(?)爆発してハリウッド映画さながらに車が宙に(垂直に)飛んだり、
  危険といわれている地域で銃撃戦の撮影をし、無事終了して帰ってきてから、
  撮影のあと15分後に本当の銃撃戦があったと後で知らされた。(園監督)

  銃を持って走り回るシーンが多かったが、危険の無いよう撮影だという事を知らせる警察官が周りにいてくれた。
  でも、実際に撮影が始まって走り出してしまうと、結局は警官がいてもいなくても余り意味は無く、
  いつどこからジャンキーとかが出てきて逆に撃たれてしまうかとハラハラした。
  いくらでもそういう事が起こりうる状況だった。(深水さん)
 
  撮影期間は2週間。ずっと家に帰らずホテルに泊まっていたが、
  そういった状態での撮影は役柄が帰宅する事によって溶けてしまわないから
  とても映画作りのためにはいい環境だった。(園監督)

  特に3人(オダギリさん・深水さん・ジェイさん)がずーっと一緒にいる事によって生まれる
  「空気感」が、映画の中にも活きて、とても良かった。
  3人とも撮影を離れても本当に役柄どおりで、
  リー(ジェイさん)はずっと機関銃のようにしゃべっているし、
  オダギリくんは物静かな感じ、僕(深水さん)は隣でニコニコしてるといった調子で。(深水さん)

  とても暖かい現場だった。撮影から2年も経っているから、出来上がったときは本当に感動して
  最初の5分で泣きそうになった。(椋名さん)

*監督とオダギリさん*
園監督に関しては、流石は芸術家とでもいいましょうか・・・。
質問が映画の内容についてではなく、オダギリさんについてどう思うか、とか、
オダギリさんとの出会いはどうか、といったようなことになると、
それまで映画の事を熱く語っていた時とはがらっと一転して
ニヒリストっぽい独特の話しっぷりになってしまって・・・(笑)。

  オダギリ?うん、いいんじゃなーい。とても勉強家だしね。
  出会い?今更どうといわれても・・・。
  撮影してから2年経ってるわけだから出会ったのはずっと昔だし、
  それからそのあと彼でもう一本撮ってるしねー。
  その頃の事、あんまり思い出せないなあ・・・。
  でも、会ったのはビジネスとか映画とか芸術とかではなく試写会で会ったんだけど。(園監督)

といった調子。オダギリさん作曲の『HAZARD』テーマ曲の話に至っては、
笑いながらではありましたが、こんな事を仰っていました!
 
  僕が帰って来たら、曲がもう出来ていて、いきなり持って来られたんですよ。
  最初は迷惑だなーと思っていたんだけど、編集の時ずっと使っていったら馴染んでいって。
  馴染んじゃったから、まあ使おうかと。
  それにこれ、CD出したんだって?持ってる人手、挙げて。
  (ここでパラパラと控えめに手を挙げる観客。なにやら納得する様子の監督。)
  ・・・しかもタイトル、『HAZARD』だし。もうこれは使うしかないでしょー。
  その上、僕の詩を、ちょっと貸して、っていうから貸したら、
  そのCDの中で勝手に朗読していて。僕は全く知らないのにひどい話ですよ(笑)。
  この映画は今回のバージョンは今日だけなんですが、
  勝手に曲を作った罰で(笑)今回エンドロールには(作曲・歌オダギリとは)出してないんです。
  次回のバージョンからはちゃんと出しますけど。(園監督)

監督はみんなが何を聞きたがっているかよりも、
自分の話したいことを話したいように話す、という方のようで(笑)。
まあ、お客さんに気を使ってサービストークをする芸術家ってなかなかいないだろうし、
そういう人ではあんな映画作れないだろうなと思うわけで・・・。
オダギリさんのことも「オダギリ」「オダギリ」と呼んでいたし、結構親しい間柄なので、
こういった本気とも冗談ともつかぬブラックジョーク(?)を言えちゃうんじゃないでしょうか。
実際とても気に入っているからこそ、次の映画でも又オダギリさんを起用した訳なんでしょうし。
ただ今回は映画ファンよりもオダギリファンが多い事が、
イヤではないけどでもちょっとフンッ、みたいな気分が、もしかしたらあったのかも知れません。
ここいら辺は私の想像なので、事実はその通りとは全くもって限りませんのであしからず・・・。

*公開予定について*
映画の公開についての話は主に鈴木プロデューサーがお話してくださいました。
全国公開やDVD化の予定はどうですか?という質問に対し
 
  もう大体そういった道筋は出来てきているんだけど。
  でも、皆さんでこれからどんどん『HAZARD』を盛り上げ行きましょう。
  掲示板に書き込みとかして頂くとか、口コミで沢山宣伝とかしてください。(鈴木プロデューサー)
 
といったような返答。全体の印象として
公開はするけど、規模はまだこれから決める、
DVDといったことまではまだ考える段階ではない、といった感じのお答えだったと思います。

それから映画の感想等を書くアンケート用紙が配られたのですが、
その中に、
  
  『HAZARD』を広めるにあたってなにかイベントをしたいと色々検討中です
  (例えばクラブやカフェで上映するetc)。何か希望があったら書いてください。

というような欄がありました。
それと、アンケート用紙に細い紙がホチキス留めされていて、持ち帰れるようになっていて、
  
  「HAZARD」についてご意見がございましたら、wearehazard@yahoo.co.jp までメールをお送りください。
  又今後「HAZARD」をひろげていくにあたって、協力スタッフも募集しています。
  「HAZARD」URL:http://www.hazardmovie.com 近日公開

と記載されていました。
全ては周りの反響次第、ということなのでしょうか。

それから『夢の中へ』についても、多分同時公開する(同時期に公開という意味かも?)と仰っていました。
ただどのみち、『HAZARD』にしても『夢の中へ』にしても
正式にいつ頃公開される、といった話までは、やっぱり聞けませんでした・・。
[8]投稿者:ゴロー 投稿日:2004/11/02(Tue) 09:18 No.187  
まじょみさん、IVYさん、素晴らしいレポありがとうございました。何で誰もかいてくれないのー?と思って書いた自分の駄文が恥ずかしいー。もっと早くUpしてくれれば良かったのにー。
 特にIVYさんの詳細なレポ、何日かたってそろそろ禁断症状の出てきた私に強力なカンフル剤となりました。これこれ、こんな風に書きたかったのよ、なんて。文章力のある人が羨ましいです。
 それにしても「HAZARD」また早く観たい。すでに廃人ジョー態というか、ジャンキー一歩手前な私に、何かできることはないのか、考えてしまいます。
[9]投稿者:ひかり@管理人 投稿日:2004/11/02(Tue) 10:44 No.188  
いやいやいや…(…って、ジョーさんふうに。笑)ゴローさん、駄文などと仰らないで… 
私は、とても、興味深く読ませて頂いて、
自分が観られなかった欲求不満な思いを、ゴローさんのレポで、存分に満足させて頂きましたよー。
改めまして、どうもありがとうございました。

ちょうどゴローさんや、まじょみさんがレスして下さった頃に、私が、間が悪くて、バタバタしていたもので、
丁寧にレスもお返しできないでいて、ごめんなさいね…。

ゴローさん。
「すでに廃人ジョー態というか、ジャンキー一歩手前な私に、何かできることはないのか、考えてしまいます。」
とは、また、何とも鋭い、ハッとさせられる一文で、私的に、非ジョーに刺激されるツボ所なんですが…(笑)

まさしく、私なんぞの表現も、こんなサイトも、
時折、なんだか底意地の悪い気分に襲われて、
崩壊寸前、ジャンキー寸前…ってな、投げやり気分になる時もあるわけですが、
ゴローさんの、その一言に触発されて、
自分もまた何か書いてみたい…という思いに駆られたりするわけですよ…。
そんなふうに、ただ、細々と言葉を繋いでいくだけで、
管理人自身、成るように成れ…って感じで、半ば突き放してるようなサイトですけど、
どうぞ、これからも末永く、仲良くしてやって下さいね…。
お忙しいかたには、いくら神出鬼没して下さっても、構いませんので…。
私のこんな気持ちさえご理解頂いていれば…。


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そして、そして… IVYさん!… もう〜〜〜圧巻です! 熱く拍手喝采を捧げたい。
お忙しいなか、渾身のレポ、ほんとにありがとうございましたー。
乙彼さまでしたー。 じ〜っくりと熟読させて頂きました。

いやー。何と言うか、絵が浮かんできます…。
実に客観的に、その場をまるごと運んで来て下さって、
もう満足感で、言うべきことも見つからないと言うか…(笑)
ますます、『HAZARD』を観たい…という思いが募りました。

つきましては、ゴローさん、まじょみさん、IVYさん
みなさんに、せっかく、いいレポを書いて頂きましたので、
記念に、『レポの部屋』に、新たに、内装を施した部屋を作って、
お三方のレポを上奏させて頂きたく、考えているのですが、宜しいでしょうか…?
もし、ご迷惑でしたら、ご遠慮いたしますので…。どうぞ宜しくお願い致します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

追伸… まじょみさん… そうか…「シンイチ」だったのね…。
ごく個人的に…だけど、「シン」よりも、「シンイチ」という響きの方が萌えるかも…(殴)
苗字…なんだろう…。気になる〜(笑)
[10]投稿者:IVY 投稿日:2004/11/02(Tue) 23:38 No.192  
ゴローさんー。
ほんと、書き込み遅くてごめんなさいでした〜。
それに全然駄文なんかじゃないですよう。
それどころか素早いタイミングで大体私の言いたい事のほとんどを上手にまとめてらして、
すごい!と思っていました。
私といえば、書くのが遅く、しかも無駄に長くなってしまうのが悩みで・・・。
この『HAZARD』に関しても、事前に見に行くと宣言してしまっていて、
多くの方に、レポをお約束していたのに、筆が遅く、
いつまでたっても仕上がらなくて焦っていたのでした。
でも、ゴローさんやまじょみさんが素早い書き込みをしてくださっていたので、
とてもほっとして、これで一安心とばかりじっくり取り組んでしまったのです・・。
そしてますます遅くなってしまったのですが(爆)!
『血と骨』試写会レポも、是非お願いします!行きたかったです〜!

ひかりさん!
嬉しいお言葉、ありがとうございます。
本当一日も早く一秒でも早くひかりさんの目に届く日が来る事をお祈り申し上げます。
そして、皆の意見が一致しているように、一度見たら、きっと何度でも見たくなると思います。
だから、ゴローさんの仰るように私も何か園監督サイドに少しでも大規模な公開となるよう
働きかけをしないと、と思っています。

それから。レポ部屋UPは、とてもとても照れてしまうのですが・・・。
こんなんで宜しければ。ゼヒお仲間に加えてやってください。
ありがとうございます!
[11]投稿者:まじょみ 投稿日:2004/11/03(Wed) 16:57 No.195  
あぁ・・・ゴローさんやIVYさんのような素晴らしいレポでもないのにありがとうございます。
こんな小学生のような拙い駄文でよかったら喜んで。


[12]投稿者:ひかり@管理人 投稿日:2004/11/24(Wed) 18:33 No.227  
レポの部屋に、やっと、ゴローさん、まじょみさん、IVYさんからお寄せ頂いた、
『HAZARD』レポを収録させて頂きました。

あらためまして、ありがとうございました。
内装工事に手間取ってしまい、申し訳ありませんでした。 
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