Re: 駒学園の追走St.3−1 ( No.3 )
日時: 2014/12/09 07:56
名前: さくら

2章


4ターン目
「1枚引きます・・・」

 桜花がデッキからカードを引く。先ほどの伏せカードも含めて、
6枚の手札を顧みてその中から一枚を抜き出す。

「私は手札から、六武院を発動します!」

六武院
フィールド魔法
「六武衆」と名のついたモンスターが召喚・特殊召喚される度に、
このカードに武士道カウンターを1つ置く。
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターの攻撃力は、
このカードに乗っている武士道カウンターの数×100ポイントダウンする。

 桜花の背後に立つ巨大な城門。その城門の奥には巨大な城が見える。

「私はさらに、手札から真六武衆‐カゲキを攻撃表示で召喚します!」

 桜花の場に、四本の刀を携えた武士が現れる。武士はその刀を両手、
そして背中に背負った義手に持たせ、それらを掲げて高らかに咆えた。

真六武衆‐カゲキ
☆3 風
攻 200
守2000
戦士族効果:このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下の
「六武衆」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する事ができる。
自分フィールド上に「真六武衆−カゲキ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが表側表示で存在する限り、
このカードの攻撃力は1500ポイントアップする。

「カゲキの召喚に成功した時、手札かられべる4以下の六武衆と名の付いた
もんすたぁを1枚場に出すことができる。さらに、六武院にかうんたあが
一つ乗ります!」

六武院:武士道カウンター0→1

「私は、カゲキの効果でザンジを攻撃表示で特殊召喚します!
さらに、その効果でカゲキは、攻撃力が1500上がります!」

 黄金色の鎧に偃月刀に似た槍を持った侍がカゲキの傍らに現れる。
それと同時に、六武院のカウンターが一つ増える。

六武衆‐ザンジ
☆4 光
攻1800
守1300
戦士族効果:自分フィールド上に「六武衆−ザンジ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが存在する場合、
このカードが攻撃したモンスターをダメージステップ終了時に破壊する。
また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊される場合、
代わりにこのカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する
「六武衆」と名のついたモンスター1体を破壊できる。

六武院:武士道カウンター1→2
真六武衆‐カゲキ攻 200+1500=1700

「そして、私は手札から真六武衆‐キザンを攻撃表示で特殊召喚します!」

 黒い長い髪をなびかせながら、黒い甲冑を着こんだ武士がさっそうと現れる。
腰にはいた日本刀を抜刀し構える姿が凛々しく、その眼光がサラサの
フィールドのウロボロスたちを見据えていた。

真六武衆‐キザン
☆4 地
攻1800
守 500
戦士族効果:自分フィールド上に「真六武衆−キザン」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
自分フィールド上にこのカード以外の「六武衆」と名のついた
モンスターが表側表示で2体以上存在する場合、
このカードの攻撃力・守備力は300ポイントアップする。

「この札は、自分の場に六武衆が2体以上存在するとき、
攻撃力と守備力が300上がります!」

真六武衆‐キザン攻1800+300=2100
        守 500+300= 800
六武院:武士道カウンター2→3

「一気に、3体・・・やっぱり展開力じゃ、六武衆も
アンデットに引けを取らないわね」

「おまけに今は六武院の効果で、300ポイントのダウン・・・。
そして、レベル4の六武衆が2体、つまり」

  雷華と朝倉の言葉を聞いてサラサの額に一粒の汗が流れる。
同じレベルのモンスターが2体、最低ラインのボーダーはそろっている。
つまり・・・。

「私は、キザンとカゲキでえくしいず召喚を行います!」

 二人の武士が武器を重ねる。閃光を纏い一つに交わる。

「いでよ、六武の影、戦場を駆ける黒き鎧武者、
六武衆の影‐紫炎!」

六武衆の影‐紫炎
ランク4 地
攻2500
守 400
戦士族エクシーズ・効果:「六武衆」と名のついたレベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、
自分フィールド上の攻撃力2000未満の「六武衆」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターの元々の攻撃力はエンドフェイズ時まで2000になる。
この効果は相手ターンでも発動できる。

武士道カウンター3→4

「これにより、4つのかうんたあが乗ったことにより、
相手のもんすたあの攻撃力が400下がります!」

ヴェルズ・ウロボロス攻2750−400=2350
ゾンビ・マスター  攻1800−400=1400

「紫炎の効果を発動!素材一つを取り除き、
攻撃力2000未満の六武衆1体のもともとの攻撃力を
この番の終わりまで、2000にします!」

「ってことは、さらに1500上がって・・・3500!?」

 サラサが思わずそう声を上げる。
それを聞いた桜花は微笑交じりによくできました、といった。

真六武衆‐カゲキ攻 200→2000+1500=3500

「では、カゲキでうろぼろすを攻撃します!」

 カゲキの放った二重の斬撃が上段から迫り、ヴェルズ・ウロボロスの
首をたたききり、その胴に痛烈な一撃を叩き込んだ!
 方向を上げながら後ろに吹き飛ばされたウロボロスは、その切り傷に
更に鋭い突きを穿たれ、そのまま切っ先をねじ込まれて絶命した。

ヴェルズ・ウロボロス攻2350×→墓地
真六武衆‐カゲキ  攻3500○
サラサLP8000−1150=6950

「っく・・・!」

「さらに、ぞんび・ますたあに紫炎で攻撃します!」

 紫炎が走り、手にした刀で死霊術師を斬りつける!
ゾンビ・マスターがその切っ先を死霊を盾に受け止めるが、死霊の盾は
瞬く間に切り裂かれ、その斬撃がゾンビ・マスターを襲った。

六武衆の影‐紫炎攻2500○
ゾンビ・マスター攻1400×→墓地
サラサLP6950−1100=5850

「・・・っく!!」

「私は手札から、おぉばあれい・りじぇねれぇとを発動!
紫炎の下に、この札を重ねて、素材を一つ確保します!
さらにこの1枚を伏せて、手番を終了します」

オーバーレイ・リジェネレート
魔法
フィールド上に存在するエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。
このカードを選択したモンスターの下に重ねてエクシーズ素材とする。

六武衆の影‐紫炎エクシーズ素材:1→2
真六武衆‐カゲキ攻3500→1700
桜花手札残:0

5ターン目
「私のターン・・・ドロー!!」

 ドローカードを顧みてサラサが目を見開く。

「私は手札からトレード・インを発動!手札の
銀河眼の光子竜を墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドロー!」

サラサ手札残:1+2=3

「そして、手札から混血の血統を発動!」

混血の血統
儀式魔法
「混血の吸血種族−サラサ・ハーミル」の降臨に必要。
手札からレベルが同じになるようにモンスターカードを生贄に捧げるか、
または墓地から除外しなくてはならない。

「その効果で、私は墓地からゾンビ・マスター2体をゲームから除外し、
混血の吸血種族‐サラサ・ハーミルを儀式召喚!」

 墓地から除外された二つの魂を糧に現れた大型の棺、その棺の中から
現れた色白の女性。肩まである黄金色の髪を揺らしながらゆっくりとフィールドに
舞い降りた。

混血の吸血種族−サラサ・ハーミル
☆8 闇
攻2900
守2000
アンデット族儀式・効果:「混血の血統」にて降臨。
このカードが戦闘によって破壊したモンスターの攻撃力の数値分、このカードの攻撃力はアップする。
このカードが相手によって墓地へ送られた時、エンドフェイズ時に、ライフを1000ポイント払う事で、このカードを攻撃表示で特殊召喚する。

「さらに、手札から死者蘇生を発動!私が墓地から特殊召喚するのは」

死者蘇生
魔法
相手か自分の墓地にあるモンスター1体を選択して、自分フィールド上に特殊召喚する。

 サラサがそういった刹那、彼女の場に赤い十字架を模したような
物体が現れ、雷華と朝倉があっ・・・と、声を漏らした。それを見ただけで、
もう何を特殊召喚する気なのか、一発で見当がついたからである。
 サラサがその十字架状のものをつかんで天高く放り投げる。

「闇に輝く銀河よ、希望の光になりて我が僕に宿れ!光の化身、
ここに降臨!現れろ、銀河眼の光子竜!!」

「やっぱり出た」

「うん、ソリッドヴィジョンだとすぐわかるね、あのカード・・・」

 二人の言葉を聞いてか聞かずか、銀河の輝きをその目に宿したドラゴンは、
大きく咆哮を上げた。

銀河眼の光子竜
☆8 光
攻3000
守2500
ドラゴン族効果:このカードは自分フィールド上に存在する
攻撃力2000以上のモンスター2体をリリースし、
手札から特殊召喚する事ができる。
このカードが相手モンスターと戦闘を行うバトルステップ時、
その相手モンスター1体とこのカードをゲームから除外する事ができる。
この効果で除外したモンスターは、バトルフェイズ終了時にフィールド上に戻る。
この効果でゲームから除外したモンスターがエクシーズモンスターだった場合、
このカードの攻撃力は、そのエクシーズモンスターを
ゲームから除外した時のエクシーズ素材の数×500ポイントアップする。

「まだ!墓地の馬頭鬼の効果発動!!
馬頭鬼をゲームから除外して、墓地のアンデット族モンスター1体を
選択して、特殊召喚する!!出でよ、深遠なる闇の絶望よ!!」

 サラサの影が大きく伸び、その中から現れた巨大な魔物。
その巨体は銀河眼の光子竜をも見下ろすほどに大きく、フィールドが瞬く間に
黒い影に覆われた。

闇より出でし絶望
☆8 闇
攻2800
守3000
アンデット族効果:このカードが相手のカードの効果によって手札またはデッキから墓地に送られた時、
このカードをフィールド上に特殊召喚する。

「ですが、それらはすでに私の場の六武院の影響下にあります。
攻撃力が400下がるのは、現状手痛いのでは?」

 確かに桜花のいうとおりだ。
この状況、銀河眼の光子竜すら、攻撃力が3000から2600まで
落ちてしまっている。効果を使っても、現状では3100ポイント、
わずかに100ポイントでは元が取れるかすら怪しい。

混血の吸血種族‐サラサ・ハーミル攻2900−400=2500
闇より出でし絶望        攻2800−400=2400
銀河眼の光子竜         攻3000−400=2600

「・・・でもま、これだけ消費して3枚もレベル8のモンスターを並べたって
ことは、アレしかないわね」

 まったく、馬鹿の一つ覚えなんだから。と朝倉が溜息。

「私は、3体のレベル8モンスターで・・・オーバーレイ!!」

 三体のモンスターが光の帯となって天に現れた渦の中に消える。
サラサのかざした手に巨大な槍上のものが握られ、投擲されたそれが、
光の帯が消えた渦の中に吸い込まれ、爆発が起こる。

「逆巻く銀河よ、今こそ怒涛の光となりてその姿を現すがいい!!」

 赤黒い巨躯を震わせて、三つ首の龍が咆哮を上げる。

「降臨せよ、わが魂!超銀河眼の光子龍!!」

超銀河眼の光子龍
ランク8 光
攻4500
守3000
ドラゴン族エクシーズ/効果:レベル8モンスター×3
「銀河眼の光子竜」を素材としてこのカードがエクシーズ召喚に成功した時、
このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するカードの効果を無効にする。
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
相手フィールド上のエクシーズ素材を全て取り除き、
このターンこのカードの攻撃力は取り除いた数×500ポイントアップする。
さらに、このターンこのカードは取り除いた数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。

超銀河眼の光子龍攻4500−400=4100

「超銀河眼の効果、発動!
銀河眼の光子竜を素材としたこのカードは、エクシーズ召喚成功時、
フィールド上に表側表示で存在する、すべてのカード効果を無効にする!
フォトン・ハウリング!!」

「ならばその効果に対して、紫炎の効果を使います!!」

 超銀河眼の光子龍のあげた咆哮が衝撃波となって放たれ、
紫炎とカゲキ、そして六武院の効果を打ち消した。

超銀河眼の光子龍攻4100+ 400=4500
真六武衆‐カゲキ攻3500−1500=2000→ 200

「ならば!!超銀河眼の効果により、
オーバーレイユニットを一つ取り除き、フィールド上のエクシーズモンスターの
ユニットすべてを取り除き、その数×500ポイント攻撃力を上げ、
その数だけ、攻撃宣言を行うことができる!!」

 超銀河眼の光子龍の周囲を回るユニットの一つを、三つ首の一つが噛み砕く。
そしてフィールド上にあるユニットをすべて吸収し、吸収したそれを
力に変えた。

六武衆の影‐紫炎エクシーズ素材:1→0
超銀河眼の光子龍攻4500+500=5000

「超銀河眼の光子龍で、カゲキを攻撃!!」

 超銀河眼の光子龍の放った攻撃がカゲキを襲い、それを躱した刹那に
再び別の首から放たれた一撃がカゲキを飲み込み消し飛ばした。

真六武衆‐カゲキ攻 200×→墓地
超銀河眼の光子龍攻5000○
桜花LP6650−4800=1850

「っぐ・・・」

「まだだよ!さらにもう一回」

「・・・それ、できねぇぞ?」

 サラサの言葉をさえぎって聞こえてきた声。
この場にいなかったはずの男の声に全員が振り返ると、肩に届くかどうか位の
長さの髪をした、鈍色の瞳の少年が立っていた。

「超銀河眼の光子龍の効果、よく読んでみな。多分、
割と勘違いしてるやつ多いけど、攻撃力増やすんじゃなくて、
取り除いた素材の数と同じだけ攻撃できるようになる効果だからな、それ」

「・・・・えーっと『1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
相手フィールド上のエクシーズ素材を全て取り除き、
このターンこのカードの攻撃力は取り除いた数×500ポイントアップする。
さらに、このターンこのカードは取り除いた数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。』・・・あ、ホントだ」

「な?」

 そういって肩をすくめて見せる少年を顧みて、桜花はあら、と口を開いた。

「ジンさん。・・・お帰りになっていたなら、声をかけてくださってもよかったのに」

「悪い、今帰ってきたんだ。ったく、リリスも人使いが荒くて困るよ」

 そういってため息をついた少年、ジン・エイジェリングは苦笑した。

「そっか、攻撃できないならしょうがないか。ならば私はこれでターンエンドだよ」

サラサ手札残:0枚
超銀河眼の光子龍攻5000−500=4500

「ではここで罠を発動します」

 桜花の言葉にサラサが顔をしかめる。
このタイミングで発動するカードが六武衆に何かあったのだろうか、と。

「私が発動するのは究極・背水の陣!」

究極・背水の陣

ライフポイントを100ポイントになるように払って発動できる。
自分の墓地の「六武衆」と名のついたモンスターを
可能な限り特殊召喚する。(同名カードは1枚まで。
ただし、フィールド上に存在する同名カードは特殊召喚できない。)

「その効果により、私はらいふぽいんとを100になるように支払い、
真六武衆−キザン、ザンジ、シナイ、ミズホを特殊召喚します!」

 桜花のその言葉とともに墓地から黒い鎧、赤い鎧、青い鎧、橙色の鎧の武者が飛び出し、
紫炎の隣に鎮座した。

桜花墓地
真六武衆‐キザン→フィールド
六武衆‐ザンジ→フィールド
真六武衆‐シイナ→フィールド
真六武衆‐ミズホ→フィールド
桜花LP1850−1750=100

6ターン目
「・・・一つ、面白いものをお見せしましょう」

 ターンの開始前に、桜花はそうつぶやいた。

「この世界では決闘において一度だけ、霊力や魔力、
神力などを用いて自らの思い通りに札を引く力が備わります。
勿論、使わないのが普通ですので、使用はないと思いますが、
万が一にも、使用されても驚かないようにここでお見せしておきましょう」

 静かに目を閉じて、右手を持ち上げる。その一瞬で、空気がわななき電流が
走ったかのように全身がしびれた。

「我が戦いとは生涯。強きを求める武士の生きざま、今この
1枚に込める!・・・天衣無縫の一枚を、今我が手に!!」

 大きく腕を振りぬき、居合抜きのような体制になる。
その圧倒的な圧力に全身に震えが走り、朝倉は思わず生唾を飲み込んだ。
そうして、引き抜いたカードを顧みて、桜花がおろ?と目を丸くした。
それを見て全員が桜花に視線を集中させる。

「・・・失敗しちゃいました」

 全員がずっこけた。

「お前な・・・ここ一番の見せ場だろ?決めろよ」

 ジンがそういって頭を押さえている。

「し、失敗なんてあるんだね・・・」

 雷華がそうつぶやいた。

「まぁでも、これでも十分ですよ。
私は手札から六武式三段衝を発動します」

「・・・あー」

六武式三段衝
魔法
自分フィールド上に「六武衆」と名のついたモンスターが表側表示で3体以上存在する場合、
以下の効果から1つを選択して発動する事ができる。
●相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。
●相手フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠カードを全て破壊する。
●相手フィールド上にセットされた魔法・罠カードを全て破壊する。

「私は一番目の効果を使います。・・・あとは直接攻撃をするだけです。
何か発動できる札はありますか?」

「ないね。墓地発動するカードは馬頭鬼だけだし。
負けちゃったかぁ」

 そういいながらヤレヤレと肩をすくめて見せるサラサ。
映像が消えると同時に、朝倉がツツイとサラサに詰め寄った。

「ちょっとあんた、エクストラデッキ見せなさい」

 そういうが早いかサラサのエクストラデッキをかすめ取るとその中を見て
すっ・・・と目を座らせた。

「・・・超銀河眼の光子龍、No10.No30.No20.
超銀河眼の光子龍、ギャラクシーアイズFAは抜け。それから、
なんか出せるわけでもないのにひっそりと入っている金鼠は捨てろ」

「い・や・だ・っ♪」

 そういってすごい笑顔になるサラサ。笑顔だが、えもいえぬ威圧感を
放つ彼女に、雷華はゾクリと身を震わせた。

「じゃあせめて金鼠を捨てて代わりにNo101を入れなさい!
それで勘弁してあげるわ!!」

「ぜぇったいに嫌だ!!

 そういってぶんぶんと首を振るサラサ。
噛みつく朝倉を顧みて、ジンと桜花は顔を見合わせて苦笑を漏らしていた。