ハーレムエンカウンター 第一章 血塗れの聖地 L |
- 日時: 2024/03/01 06:40
- 名前: 陣
- 「はい!」
先程にも増して完璧なまでの即答。そこにはいささかの躊躇も考慮も伺えない。
「…そうか」
そして改めて。
「お前はどうなんだ。エリン?」
「全ては御屋形様の御存念通りに」
こちらもまた完璧なまでの即答。両親と共に、ここに来た最初からそうだったが、そこにはいささかの躊躇いも戸惑いも無い。当然に揶揄も皮肉も無い。そしてまた阿諛も迎合も無い。 まさに完璧なまでの側近の鑑。これ以上の存在は絶対に有り得ないのは誰にも分かる。
セシルの腹は決まった。
「よし。エリン。ビルギッタは今からお前の物だ。好きにするがいい」
「は」
「うれしー!」
それを聞くや、エリンの傍に走り、思い切り抱き付くビルギッタ。その遠慮の無さには周りもやれやれと苦笑するしかない。
(…と、すると)
改めてほとんどの視線と心中がセシルに集中。
それらを見回しつつ、特にキルエリッヒとガライシャに一瞥を送るセシル。
頷く二人。改めて一同を見回すセシル。
「そうだ。我がマリオベール家の正式の奥も、ビルギッドと定める。嫡子もジゼルだ。それらを報告するため、近い内にバーミアに出向く」
|
|