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ハーレムエンカウンター 第一章 血塗れの聖地 F
日時: 2023/11/28 05:31
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「お兄様ー! エリーン!」

劇場から出て、屋敷に戻ろうとする一行に声を掛けながら走って来る少女。
エリンを除き、一行の顔に何とも言えない笑みが浮かぶ。

ギャンブレーの孫娘ビルギッタ。
あの惨劇の後、その母親でありギャンブレーの王女でもあるビルギッドと共に、マリオベール家に下賜された少女。

母のビルギッドは仙樹教の女教皇シルフィードの同母妹。かつては山麓朝の王子エダートとの婚約も取り沙汰された事もあり、姉に劣らぬ豪奢な美貌を持つ存在。結局はエダートが死んだ事により、豪族のクラリス家に嫁ぎ、一男一女を儲ける。
但しクラリス家がレナス家の調略で山麓朝に転じた事に伴い、クラリス家とは離縁。跡取りの息子を残し、娘のビルギッタのみを連れてバーミアに戻る。彼女を心身共に溺愛していたクラリス家の当主としては不本意であったが、レナス家に調略された家臣一同の総意には逆らえず、少しでも彼女を味わい尽くそうと励み抜いた末、遂には往生したとも伝わる。
そしてちょうどマリオベール家の悲劇があったため、母と妹を失ったばかりのセシルの元に、その代わりとばかりに娘と共に送られる事になった。彼女たちからすれば、別れざるを得なくなった息子や兄の代わりという事になるわけか。
普通ならば孫娘との政略結婚と言ったところだろうが、今回の特徴はそういう指示が全く無い。つまり母親の方を相手にしても良いし、実の母妹と同様に扱っても良い。お前の好きにしろというわけである。
要するにギャンブレー得意の悪趣味。それにいまさら実の母親代わりにしようにも、実はセシルとは既に例の百人組手の一人として関係を結んでいた。噂では、その時の味が忘れられずに、父と姉にマリオベール行きを自ら志願したとも言われる。生き別れた息子と同じ年というのも、背徳感を刺激されたとも。

実際マリオベールに下向して数日も経たない内に、早くもセシルとはベッドイン。セシルもセシルで、前夫を往生させたという豪奢で妖艶、しかも母乳まで出る完璧な肉体に忘我で溺れ切る。母の代わりとはいえ、どちらかと言えば清楚で大人し目だった母とは全く対照的なだけに遠慮はない。
ビルギッドもまた息子と男を都合よく使い分け、背徳の楽しみを思う存分享受するのに遠慮がない。もはや生き別れた実の息子の事など覚えていない。いやむしろ自分一人を置いて行き、同じ年の男とあからさまに快楽を貪っている母を殺してやりたいほど憎み蔑んでいるかと思うと、それこそ堪らないくらいの興奮を感じる。いつかはセシルと一緒に殺されるかもと思えば尚更に。
まさにあの父の娘。既に面識のある舞踏団の面々とも直ぐに仲良くなり、昔から贔屓だった座長のミランダとはもはや姉妹どころか夫婦の仲。当然に夜も二人掛かりでセシルを挑発し、その圧倒的な女としての魅力と迫力は、キルエリッヒも含めた若い娘たちを羨望させて止まない。
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