ハーレムエンカウンター 第一章 血塗れの聖地 A |
- 日時: 2023/11/23 19:54
- 名前: 陣
- 「お疲れ様」
手拭いを持ってエリンに近づく一人の少女。エリンの同僚の小姓仲間で、このマリオベール家臣の一人の娘であるレイナ。
「あんがと」
手拭いを受け取るや、それをまたクルクルと回し、流れるように拭き取るや、また相手に返す。その仕草がまた実に見事な芸になっている。
それを見てまた湧き上がる艶やかな歓声。
それを横目で見ながら、膝を着いたままの主人に近づく、先程まで審判役を務めていた女性。主人の汗を拭いながら、他に気付かれないように耳打ちする。
(よろしいのですか。セシル様。あの者は近頃ますます図に乗っています)
マリオベール家筆頭家臣の跡取娘で、セシル個人の親衛隊長。そしてセシルの幼き日からの側付のキルエリッヒである。
その忠臣に対し、フフッと魅力的な笑いを返すセシル。
(いいんだ。何度も言ってるだろ。僕はむしろここをエリンがああしていられる場所にしたいんだ)
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