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ハーレムエンカウンター 第一章 血塗れの聖地 @
日時: 2023/11/23 21:20
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「イヤー!!」

カンカンとばかりに辺り一面に響く、木刀の音。

共に激しく撃ち合うが、やがて片方の得物が宙高く弾かれる。

「それまで!」

高らかに響く、試合終了の合図。そこにはどことなく悔しさも窺える。

やがて高い宙からクルクルと落ちてくる木刀。それをヒョイと掴み、クルリと持ち替える少年。そしてそれを目の前で息を切らしながら膝を着いている相手に渡す。その腕にはほとんど汗は流れていない。

「はい。御屋形様」

それを受けながら、汗だくで微笑んで見せる相手。少年というには年嵩だが、青年にはまだ若いという印象。

「やれやれ。君にはまだまだ足元にも及ばないな。エリン」

「いえいえ。足元くらいには及んでますよ。御屋形様」

ワッと周囲にわきおこる歓声。黙っていても華やかで艶やかな空気が、更に絢爛に咲き誇る。

仙樹歴1044年。ラルフィント王国マリオベール地方。その領主屋敷近くの劇場内における一幕。
膝を着いているのが、この地方の若領主セシル。そして立っている少年が側小姓のエリンである。
メンテ

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