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ハーレムフロントライン 第六章 均衡 V
日時: 2023/11/07 22:51
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かくて仙樹歴1036年。ドモス王国のジャンダークト占拠から始まる、メリシャント王国とクレオンレーゼ王国を舞台とした一連の物語は、ドモスとオリシーニ・サブリナ二重王国の初の一大接触戦を持って一つの区切りを迎えた。

後世において百日戦争と呼ばれる、この一連の激戦の最大の意義。それはセレスト王国の征服以来、連綿と続いてきたドモスの侵略活動に初めての歯止めが掛かった事。
それと同時に、それまでの征服各地の中で激しい内乱が続発。ロレントをはじめとする将帥たちは、その鎮圧に東奔西走を余儀なくされ、いわゆる「停滞の十年」を迎える事となる。

だがそれは同時に、かつてのセリューンの「一撃すればドモスは崩壊する」予想が外れた事でもある。後世においては、初期の爆発的拡張よりむしろ苦難苦闘の停滞期を凌ぎ切った事で、ロレントを評価する向きも数多い。

もちろん二重王国としても、南方のエトルリア王国の政変による路線転換による提携など好材料はあった。しかしあくまで防御防衛的な物であり、直接ドモス崩壊に寄与する物ではない。
依然として一部をドモスに占拠されたままの旧メリシャント地域など、体勢はまだまだ万全とは言えない。

そのメリシャント地域であるが、隣接する三勢力に分割された東部に対し、クィンクェを挟んだ西部はサラマンカに代表される各都市がそれぞれ自治体制をとって並立する事となる。
そのサラマンカを拠点としていたのが、あの例のアーダーン一派。しかしある日突如として謎の全滅。
その真相は不明であるが、それをジャシンダ、更にはルーゼモニアらの仕業と信じて疑わないのが、フィオリナとアルテミス。

そしてその停滞期からのドモスの脱出においては、それまで局外的だった西方半島における統一フルセン王国の新たなる勃興。そしてそれを見越したかのようなフレイア王国におけるヒルクルスの活動などが大きな役割を果たす事となる。
それはまた、百日戦争後の束の間の西方の均衡を破る物でもあった。

そこにおいて、西方諸国の最前線にして城塞であるクレオンレーゼ王国もまた新たな試練の時期を迎える事になるが、それはまた別の物語となる。


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