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ハーレムフロントライン 第六章 均衡 U G
日時: 2023/11/06 21:18
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「あーん。フィオリナさまー」

男性教育の前として、まずウォーミングアップとばかりにメリシャント主従にしなだれ掛かる経験者二人。アルテミスにはカエソニア。そしてフィオリナにはバラーシャ。

「姫様で将軍なだけでも最高なのに。メイド姿で初物なんて。世の男ども。いえ女たちでも思い切り涎を流して死んじゃいますわー」

「ま、まずはお前のそれを拭け! どうしたんだ! 一体!」

「だってだって! 初めてクィンクェでお会いしてから、ずっとこうなりたいと思っておりました! ああん! マルビータ奥様! ありがとうございますー!」

「アスレーがいるだろう! お前には!」

「はい! 男ならアスレーですわ! そして女はフィオリナ様! ああん! メイド姿もよろしいですが! 次は甲冑の御姿でぜひー!!」

「いいかげんにしろー!!」


その取っ組み合った二人の横で、静かに身体を重ねている副官二人。

「ああ、ああ…カエソニアさまあ…」

「ふふ。女は初めてのようですわね。アルテミスさん。大丈夫。もう怖い事なんか何もございませんわ…」


そしてその反対側で抱き合う夫婦二人。顔を寄せ合いながら、小声で話し合う。

「おい。あまり色々と引っ張り込むなよ」

「あら。引っ張り込むのは殿方の本懐ではございませんの?」

「おいおい。それを嫌がるのが奥方の普通だろうが」

「私は宰相閣下の奥方ですわ。旦那様の御役に立てそうな方々を遠ざけていては失格ですもの」

「おいおい」

「あ。あと女王陛下の女官長としまして。ジェイングレイ様から旦那様への御伝言がございます」

「伝言?」

「はい。明日の祝賀の席の後、また三人だけでゆっくり話をしたいとの事でした」

その意味する所は明らか。

「おい! 一月の務めはとっくに終わったはずだぞ!」

「ふふ。ならば今度は一月後のお務めになりそうですわね。何はともあれ。国王陛下と宰相閣下の仲がよろしいのは結構な事ではございませんの?」

思い切り溜め息を吐くアスレー。

「全く。やはりお前の方が宰相に向いてるんじゃないのか?」

それにニコリと返すマルビータ。いかにも悪戯好きの小悪魔のように。

「そうでしょうか?」


何はともあれ。夜はまだまだ始まったばかりだった。
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