ハーレムフロントライン 第六章 均衡 U B |
- 日時: 2023/11/03 17:34
- 名前: 陣
- 「ここにいるのはジャンダークトでドモスと当たった者ばかりだ。ならば分かるだろう」
無言で応じる残り二人。
「一応の格好は付いて来たがな。あくまでその程度の物だ。歴戦のドモスの連中に仕掛けられると思うか?」
「下手をすれば。いやしなくても鎧袖一触だな。せめて戦場で後退を始めた時ならな」
「二重王国もそう思ってるでしょうかな」
「さあな。戦場にまで連れて来たら逆に突破口で狙われたかもしれん」
「だからあちらも無理に誘わなかったという所でしょうか」
「あちらもあちらで周囲の衛星国を率いるのに苦労だろうからな」
「ディヴァンやヴァスラはともかく。シルバーナやモンテルナモまで動員するとは。明らかに南や西まで意識した示威行動ですな」
「だが南方最大のエトルリアはまだ落としていない。これは大きいぞ」
「噂の守護神ベルゼイアを動かせなかったわけですからな。これもまた後々に響くでしょう」
「ここで調停を行うというのは、西国はあくまで独自の勢力だというのをアピールするという意味かな」
「おそらく。後はそれが双方の政治的事情に合致するかでしょう」
思い切り顔を顰めるバラーシャ。
「大丈夫かな。自分としてあのシャクティという女はどうも信用出来ん。いやあの女がフィリックス派の軍師として動いているのは分かる。当然の事だ。だが懸念なのは才能の中身だ。確かにアイディア自体は悪くない。だがその意図が問題だ」
「どういう意味だ?」
「あの女が本当に現実を踏まえて先の先まで読んでいるのか。それともとんだ夢想家なのか。あるいは一種のハッタリ屋なのか。いずれでもありそうで得体が知れないって事です」
「なるほどな」
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