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ハーレムフロントライン 第六章 均衡 Q
日時: 2023/10/30 08:27
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「で。アルテナスは?」

その問いに悲痛に答えるアルテミス。

「殺されていました」

「そうか。おそらくそうではないかと思っていたが」

言葉とは逆に、むしろ思いたくなかったという口調。その名前に思わず声を発するアスレー。

「アルテナス?」

「聞いてないのか。この者の兄であり、私の副官。そして私の婚約者候補。いや。だっただな。あのクィンクェの悲劇の時に行方知れずに…」

「いいえ! あれは最初から狙ってたんです! あの男! アーダーンが!」

「なに」

「アーダーンは狙ってたんです! 最初から! 反ドモスのフィオリナ様を女王に押し上げ! 自分が夫の宰相になる事を!」

「おいおい。待て待て。そんなの無理だぞ。私には母の身分が上の兄弟姉妹が数多い。私の継承権など最下位の末席だ。それこそラルフィント王国のギャンブレーみたいな…」

ハッとした表情。

「そうです! それを狙ったんです! あの男は!」

「そこまで野心家だったのか。アイツは」

「野心ならまだマシ! ただの自己陶酔のナルシストです! アイツは! 自分がいなければこの国は救われない! そのためには何をしても許されるとすら思っている! 危険! いえ唯の迷惑なだけの輩です! そしてそれをカリスマか何かだと勘違いしている最低の屑どもまでもいる!」

余りの激昂ぶりに、逆に違和感を覚える二人。

「おい。アルテミス。まさかと思うが」

「はい。その屑の一人でした。この私も」
メンテ

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