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ハーレムフロントライン 第六章 均衡 N
日時: 2023/10/25 05:07
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「私が?」

思い切り怪訝な顔のフィオリナ。それこそ冗談はよせとばかりに。
それに構わず話を続けるアスレー。

「そうです。貴方にぜひ引き受けて頂きたい。我ら西国同盟の総大将を」

「私を誰だと思ってる。唯の亡国の元王族だぞ。それに輝かしい大勝などした事もない。ジャンダークトでのザマはそっちも知っての通りだ」

いかにも自嘲といった感じに肩を竦めるフィオリナ。それに構わず話を進めるアスレー。

「そうです。そしてそれすらも無いのが今までの西国」

「なに?」

「貴方は敗れはしたが、少なくとも万の軍を指揮し、潰走もさせていない。それに比べて西国はどの国もせいぜい千や二千で小競りあった者ばかりだ。貴方の事を笑える資格のある者など誰もいない」

「だがイシュタールとかはどうする。うるさくはないのか。あの辺りは」

「あの国はせいぜい自国内の政治や権力を意識した物なだけです。政治的に顔が立つ役を与えてやれば満足します」

「なるほど。だが私だけで軍の統率は出来んぞ。万の軍を指揮するとなれば、副将に参謀、そして副官にある程度の直轄部隊が不可欠だ」

「バラーシャからも聞きました。だから副将にはバラーシャ。そして参謀にはイシュタールのガブリエラ殿が候補に」

ニヤリと笑うフィオリナ。

「イシュタールと言うよりクリームヒルト派だな。バジルール砦で見かけたぞ。なかなかに面白そうな女だった。なるほど。向こうとしては目付役も兼ねるわけか」

「不服ですか?」

「いやいや。むしろ面白い。こちらとしても異存は無い」
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