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ハーレムフロントライン 第六章 均衡 A
日時: 2023/10/11 06:22
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「何ですって!?」

岳父であるマルローゼの言葉に思わず愕然とするアスレー。

「そうだアスレー。お前には今度の式の主催を務めて貰いたい。スマイラスの不幸からのお前の仕事ぶりを見ていて問題無いと確信した。これは大将軍のバラケルスも同意見だ」

その意を察し、慌てるアスレー。

「ま、待って下さい。それって要するに」

「そうだ。お前にはスマイラスの後の宰相となって貰いたいのだ」

「そ、そんな! 自分にあの父や兄の後なんか務まるわけが!」

そんな能力など無いと思ったからこそ、武官の道を志したのだ。冗談ではない。

「まだ実績が不足だというなら、最初は代理でも構わん。この危機を乗り切ってから正式な宰相となれば良い」

当然とばかりの口調。それだけに不安も隠せない。

「乗り切れますか…」

「乗り切るのだ! この国をメリシャントの二の舞にしたくなければな!」

そこまで言われたら、もはや逃げるわけには行かない。必要ならばこの首くらいくれてやる!

「分かりました。取り敢えず代理として引き受けさせて頂きます」

それに大きく頷くマルローゼ。そして顔を寄せて小声に変わる。

「よし。ではもう一つお前に頼みがある」

「何です」

「これから一月。ジェイングレイ様の側に常に居ろ。特に夜にだ。御本人とマルビータには既に私と妻から話してある」
メンテ

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