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ハーレムフロントライン 第六章 均衡 @
日時: 2023/10/10 21:30
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「アスレー」

国王ジェラルディン、そして宰相スマイラスの横死。
メリシャントから引き継ぐかのように、続け様の惨劇に見舞われたクレオンレーゼ王国。

しかし外部はそれを斟酌してくれない。
メリシャントの地に向かって戦力を集中しつつある、ドモスと二重王国の二大勢力。

ドモスは言うまでもなく、二重王国とて油断はならない。
西方においても、ダリシン王国に隣接するモンテルナモ王国を遂に衛星化。
更にそこから大陸の西南部に位置するランチェロ王国にまで影響力を伸ばしつつあり、西方諸国を南方から包囲圧迫する形勢を強めつつあった。

それを迎えるためにもクレオンレーゼ、引いて西国全体としての態勢はしっかりと固めねばならない。
そのためにもまずは、新女王の即位戴冠式を内外に向けて完璧にこなさねばならない。
それは周辺の諸国からも代表の伴う一大政治イベントともなるだろう。

絶対的な存在でもあった、兄を失った悲しみを紛らわすかのように式の準備を粛々と進めるアスレー。
段取りは既に兄が残していてくれただけに、後はその仕上げに掛かるのみである。

そんな彼に声を掛けた人物。

「何です。義父上」

クレオンレーゼ王国大法官マルローゼ。アスレーの奥方マルビータの父。すなわちアスレーの岳父である。

「話がある」
メンテ

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