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ハーレムバスタード外伝 輪廻の一族 A
日時: 2023/10/06 06:32
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「で。その後は?」

「それですっかり気落ちした御祖母様は以後すっかり老け込んでしまったわ。私とクレメンスとの挙式の後、新しい男を作る気力もなく、次第に御母様に実権を渡して隠居して、すぐに亡くなってしまった」

「それで」

「そりゃ後は御母様の天下よ。長く御祖母様の横暴に耐えて来ただけに、もうやり放題」

「例のクレメンスとも?」

「ええ。自分に自信を付けてくれた功績者として、またベッドの相性も良かったのか、私と挙式の後のクレメンスとの関係も続いた。クレメンスも最初の女だった御母様が忘れられなかったみたいだし」

「あなたは?」

「それでも良かったか? ええ。平気だったわ。だって二人とも好きだったんだもの。だから私から言ったわ。三人で寝ましようって」

何とも言い返せないまま話は続く。

「でも御母様が嫌がった。自分も娘婿と関係しているというのに、妙にそういう所には拘った。しかし私に二人目の娘が産まれた時、遂に私に詰め寄った。いい加減にクレメンスと離婚しろ。そもそもあの子の最初の女は私だ。お前は弟のクリスチアンと再婚すれば良いとまでね。明らかに普通じゃなかった。だから閉じ込めたのよ。それが出来ただけでも普通じゃないでしょ。そんな方にこの家を任せるわけにはいかない」

「…」

「クレメンスは何も言わなかったけど。御母様に同情していたのは確かだった。だから忍んで行くのも黙認したのよ。まさか一緒に死ぬなんて思ってもいなかったし」

「で。わたしの御父様とは?」

初めて出た台詞。今まで母と思ってた異父姉には散々やってきたが、この女に父の事を聞くのはこれが初めて。

「アルキピアデス? ええイイ男だったわよ。野心的で。ギラギラしていて。計算高くて。野心だけのワガママ男だったクリスチアンとは大違い」
メンテ

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