トップページ > 記事閲覧
ハーレムバスタード 外伝 女帝の外孫
日時: 2023/06/25 09:22
名前:

「あのクソババア!」

苛立ち気に手近の物を思い切り壁に叩き付ける少年。

「今度は孫婿の愛人だと!? いい年しやがって! どこまで恥知らずな! あいつの血が流れてると考えただけで、身体中の血を交換したくなる!」

ゴットリープの名門テルモピライ家の前当主アルシノエの息子アルバート。今は亡き父は「ゴットリープの女帝」の異名を持つ前バイバルス家当主ルドヴィカの一人息子ルパート。
数年前にゴットリープで母とバイバルス家に婿入した叔父アルキピアデスがバイバルス家の覇権を奪うべく起こした一大内紛。それが失敗したため、叔父は処刑され、母と共にバーミアに亡命。
そして取り潰しを免れたテルモピライ家の新たな当主には皮肉にも叔父とルドヴィカとの不義の娘であるルキエラが入り、実質的にバイバルス家の分家とされてしまっている。

「落ち着きなさいよ。アル」

そんな彼の反応を楽しむかのように、何とも言えない笑みを浮かべる少女。

ラルフィント王国雲山朝の先代国王ギャンブレーの令嬢マルグリッド。年は同じだが、血縁では現女王ニルヴァーナの叔母に当たる。
母はバーミア有数の豪商の出身で、雲山朝初代国王ギャナックの愛人の一人として名高いリバーが正式な夫ラブラドールとの間に先に産んだ、跡取息子の子孫にも当たる。
公式な側室の娘では無いため、継承権のある王女でなく令嬢の扱いだが、その才覚は誰もが認める所。付いた仇名が「令嬢マルゴ」。同年の姪の即位にも協力し、その影響力は大きい。なかでも譲位の事情もあっていささか微妙な関係にある、ギャンブレーとニルヴァーナの間の仲介調整役を務めているのは重い。

ゴットリープの名門テルモピライ家とラブラドール家は統一時代からの古い交流を持ち、両朝分裂後も、両都市間の裏の外交パイプ役を長年に渡って務めて来た。如何に実力者といえ、新興のバイバルス家ではこの役が果たせず、テルモピライ家を取り潰す事までは出来なかった。
その縁もあって、ゴットリープの政変でテルモピライ家を追放されたアルバート母子の引受人も務めている。

引き受け当時は子供だった二人も、今ではすっかり成長し、周囲公認の関係。政治的な影響の大きさからして、結婚までは出来ないが、誰しもが認める仲なのは間違いない。

「孫婿と言ったって。元々は御祖母様の男だったんでしょ。今度のは寝取りに当たらないんじゃない?」

「だからだ! いい年して、それこそ孫みたいなガキを相手に!」

「あーら。もしかしてアンタ。妬いてんの?」

「なんだと!」

「本当は思い切り甘えたい御祖母様を取られた恨み? それとも噂の聖汚物な美魔少年が気になる?」

「キサマ!」

思い切り掴み、生意気な幼馴染を思い切りベッドに放り上げ、服を剥ぎに掛かる。

「ああん! でももしかしてあっちもアンタを憎からず思ってるかもしれないわよ。アル。アンタの叔父様に手を出したのも含めてね」

「なに! どういう意味だ!?」

「だってそうでしょ。いくら畜生外道の女帝様だって、娘や孫娘に手は出せても、実の息子や孫息子にまでは出来ないわ。だからもしかしてその代わりに…」

「黙れ黙れ黙れ!! お前なんか…こうしてやるー!」

「ああーん! はげしー!」
メンテ

Page: 1 |

題名 スレッドをトップへソート
名前
E-Mail
URL
パスワード (記事メンテ時に使用)
コメント

   クッキー保存