ハーレムフロントライン 第五章 惨劇 G |
- 日時: 2023/05/21 23:40
- 名前: 陣
- 「フィオリナ!? …殿下!?」
兄宰相と打ち合わせを済ませ、急いでバジルール砦に取って返すアスレー。
相変わらず国境を越えて入って来ている難民の群れ。それはあちらの情勢が未だに落ち着いていない事も示している。
「アスレー様」
砦に入るや、直ぐ様に近づいて来るカエソニア。あくまで平静の自然体を装っているが、明らかに様子が違う。
「どうした?」
「…」
無言のままアスレーを砦の奥に誘うカエソニア。砦の内外は難民の差配でごった返している。
やがて奥の一室に入ると、その奥に一人の影が。 如何にも汚れたマントを羽織り、フードを頭から被っているが、どことなく見覚えがある。
「お連れしました」
それを聞くや、向きを変え、アスレーの方に向き直る人物。
「やっと来たか。待ってたぞ」
忘れもしない不遜な声。そのままにフードを外す。顔を汚しているが不敵な目は隠せない。
「久しぶりだな。アスレー」
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