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ハーレムフロントライン 第五章 惨劇 D
日時: 2023/05/05 08:20
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「なんてことだ…」

国境を越え、メリシャントからクレオンレーゼに流れ込んでくる多数の難民。

その人々の口から恐るべき事実が次々と浮き上がってくる。

「…クィンクェで騒乱が発生だと…」

細かい事情は良く分からない。

あるいは参加者とも思しき連中からの話も合わせるとこういう事らしい。

アーダーンに代表される反ドモス派の領袖たちが、国の方針転換を求め、突如として王宮を襲撃。

彼らが最初から意図していたかどうかは分からない。だが強談判は突如として国王を含めた王宮内の王族への無差別殺害へと発展。しかもそれは市街にも及び、親ドモス派と看做された者たちへの襲撃へと発展する。しかも日頃から対立関係のある者へも親ドモス派のレッテルを貼る物でもあり、市内は立ちどころに阿鼻叫喚の地獄絵図となる。

ドモスの駐屯部隊が近くに居る事を考えるなら、こんな事は自殺同様の暴挙に他ならない。しかし難民の話を聞くと、連中が暴挙に参加したのは、煽動して回った連中が近くに二重王国の援軍がおり、参加しなければ二重王国軍にやられるという物もあったという。これでは身を守るためにも参加せざるを得ない。

しかしそれが虚報と分かるのも直ぐだった。

飛び地同然のゲーブル城に居たフェンリッヒ。彼がその報を聞くや、部隊の全部を引き連れて、一気にクィンクェ目指して飛び出したからだ。
メンテ

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