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ハーレムフロントライン 第五章 惨劇 @
日時: 2023/04/16 18:44
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仙樹歴1043年。

ドモス王国によるメリシャント王国の臣従同盟化から一年が過ぎた。

ドモスの侵攻は依然として継続中。つい先だってはネフティス王国の征服に続き、内紛の続くバザン王国にも侵攻。
そこにおいてはあのヒルクルスも相当に働いているらしい。

その動きの中では、西方諸国もそれぞれに対応を模索中。
各自の防衛努力は当然だが、同時に個々では対応出来ない事もまた歴然。よって共同での防衛協力が必要となるわけだが、それがまた一筋縄ではいかない。
指揮権の統一は必須だが、果たしてそれはどの国の誰が取るのか。
また西国の範囲はどのくらいになるのか。半島のセルベリア王国やペルセポネ王国はその中に含められるのか。
それら全てを含めるとすれば、何処が中心を務めるのか。

その渦中において半島を統一したセルベリア王国のゼークト国王が死去。その後を継いだジューザスにはその種の気概は無いらしい。
隣接するフレイア王国やバロムリスト王国にとっては幸いだっだかもだが、セルベリアとドモスの衝突を期待していた向きにとって失望以外の何物でもない。

そして半島が脱落した事によって、内陸部の中心はイシュタール王国が務めるしかないというのが暗黙の諒解となってきた。
だがその肝心のイシュタールは、依然として政治的に空洞に近い曖昧状態のままである。
こうなるのだったらヒルメデスを王にすべきだったという隠れた世論はますます大きく、それがまた現在の政権を不安定化させ、混迷は増す一方であった。

そして西国全体のバランスがどうであれ、変わらぬのはクレオンレーゼが今や対ドモスの最前線に立たされているという点。ここが突破されたらドモスは一気に西国に雪崩れ込んで来るだろう。
それを恐れる各国はイシュタール以外にも可能な限りの援軍を派遣して来ている。特に海岸線で隣接するシェルファニール王国からの支援は大きい。
もちろんそれらはクレオンレーゼがドモスに寝返るかどうかの監視役を兼ねているのは言うまでもない。

また一年前には介入する余力の無かったオルシーニ・サブリナ二重王国もここ一年余りに急速に力を付けて来ているのも大きい。
つい最近では懸案だったペルセポネ戦線にもようやくのケリを付け、対ドモス戦線に戦力を向ける余裕を見せ始めている。
西国全体として出来ればペルセポネの戦力を対ドモスに温存したいのは本音だったが、調停は不可能に終わり、寄合世帯の弱さを思い知らされる結果ともなっていた。
メンテ

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