ハーレムフロントライン 第四章 外交 M |
- 日時: 2023/03/21 14:53
- 名前: 陣
- 「なんだ! それは!?」
ふざけるなとばかりに怒鳴り付けるアスレー。それに対し顔を顰めるヒルクルス。
「おいおい。それはないだろ。可哀想じゃないか。忠臣なのに」
「忠臣?」
「ああ。こいつらはな。俺がここを離れると聞いて俺の首を狙ったんだ。当てが外れて手土産に帰ろうと思ったか。あるいは最初からそのつもりで潜り込んでいたか。いずれにせよそちらにとって忠臣なのは違いないだろう?」
「…」
無言の返答。そしてそれを受けて首を戻すヒルクルス。
「じゃあ渡しておくぞ。持ち帰ってせいぜい遺族を顕彰してやるんだな」
桶の山を置いて、再び向きを変えるヒルクルス一行。
「待て。これからどうする気だ」
背中に声を掛けるアスレー。
「さあな。確実な事は、今の俺にとって西国は全てじゃないって事だけだ」
それきり振り返る事なく去って行くヒルクルス。
それこそ。かつて彼がバジルール砦の窓から見つめていた方角へ。
「…」
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