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ハーレムフロントライン 第四章 外交 K
日時: 2023/03/19 04:41
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「と。いいますと」

徐に口を開く一人の女。動じている風には見えない。但しそれが豪胆による物か鈍感による物かは不明であるが。

「イシュタール。いえ西国にもう未練は無いという事でございましょうか」

そちらに目をやるヒルクルス。目を初めて合わせる男女。

「初めてお目に掛かります。グンダルの娘にしてフィリックス殿下の名代シャクティと申します」

互いの様子をジッと凝視する周囲。なるほど。確かに初対面らしい。

「ほう。あの時の」

「はい。こちらにお出でになって頂けなくて残念でした」

「俺が行ってたらどうした。捕まえてクリームヒルトとの取引材料にしたんじゃないのか」

「それはお厳しい」

「少なくともそう取られないだけの信頼があったか。そもそも会った事も無い相手に対して」

「確かに。しかし貴方に期待を掛けている方々はどうなります?」

「知らんな。俺が今まであそこにいたのはリンダ閣下の指示なだけだ。それをどう取ろうと勝手だが、俺は別にあそこの連中を誘ったり嗾けたりはしてないぞ。もちろんこっちまで来るなら面倒を見るがな」

改めて二人を見比べるアスレー。

(なるほど。もしこの二人が早くから知り合ってたらどうだったかな。しかし噛み合っていなくもあるから、上手く行かなかったかもな)
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