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ハーレムフロントライン 第四章 外交 F
日時: 2023/03/08 05:41
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「どうも。はじめまして。イシュタール王国王太子の名代シャクティと申します」

目の前の女をシゲシゲと見詰めるアスレー。

(こいつか。イシュタールで独自の叛乱を起こしたという女は)

側に付いているのは、こちらも馴染みのガブリエラ。当然にクリームヒルトからの目付役だろう。
結局はクリスティンらによって追い詰められ降伏したが、女王グロリアーナの勧誘を断り、フィリックスの三顧の礼を受けて、その直臣になったと聞く。

(よくもクリームヒルトが許した物だ)

まあおそらくはグロリアーナが認めたからだろう。あの砂糖頭には王国と王族、そして自分の一族の立場と利害の違いが分かっていない。またクリームヒルトもその辺を追求して、娘を下手に混乱させたくないというのがあるのだろう。

(但し監視は付けるという事だな)

国外的な視野は分からないクリームヒルトだが、国内的な権力闘争において抜かりは無いという所か。

(まあそれがイシュタールという国にとって幸福かどうかは分からんが)

少なくとも現時点でドモスとの直接交渉が封じられ、他に頼れる対象も無い現状では、イシュタールと運命を共にしなければならないはず。下手な小細工をし難い分だけ、こちらとしてもやり易いか。

「確か先立ってはセルベリア王国の祝賀式に出向かれていたとか」

「はい。途中のシェルファニール王国は私の留学先でしたので、私も同行しまして」

シャクティを遮るように、先に発言するガブリエラ。なかなかやる。

西方半島は三方を海に、一方は山脈に守られた一種の巨大要塞だ。いざとなったら亡命先に確保しなければという腹も当然にあるのだろう。

(我がクレオンレーゼは海にも面している。これが果たしてこれからどういう意味を持つのか)
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