ハーレムフロントライン 第四章 外交 D |
- 日時: 2023/03/07 05:40
- 名前: 陣
- 「久しぶりだな」
手を差し出す女性。
「二年くらいかな」
手を握り返すバラーシャ。微笑みを浮かべる相手の女性。イシュタール王国虎牙隊隊長クリスティン。
「聞いたぞ。結婚したんだってな」
「まあな」
側に付いている少年騎士に目を向けるクリスティン。いかにも誇らしげに胸を張る少年。
それに顔を顰めるバラーシャ。
「あれが。噂に聞いてたが随分と若いな。親父さんはどうした?」
「泣いて喜んでたよ」
「それはそれは」
「で。そっちはどうなんだ。伯父さんは。うるさくないのか?」
肩を竦めて。
「とっくに諦めてるよ」
「それはそれは。で。どうなんだ?」
「相変わらずだ。あちらからの動きは全く無い」
顎をしゃくるバラーシャ。
ここはメリシャントとの国境近くのバジルール砦。国境を挟んで反対側の遥か向こうに位置するはずのゲーブル城。
そこに位置するはずのヒルクルスの動きは。まだ見えない。
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