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ハーレムフロントライン 第四章 外交 C
日時: 2023/03/05 23:42
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「アスレー様!」

久しぶりに戻れた屋敷。
その中から思い切り飛び出して来るマルビータ。その後ろから続くカエソニア。
いつも通りだが今回は落ち着いて受け止める。こうなると分かってたから戻る事は事前にカエソニアだけに知らせていた。
いくら何でも王宮の前で引っ繰り返るわけにはいかない。

結局こちらに対する裁定は将功補罪。すなわち功をもって罪を贖えという物。結論は早目に出ていたらしいが、戦死者の遺族の心情を慮って拘束を続けていた。兄上らしい見事な政治判断。
しかし結局、イシュタールからの援軍が来るのが正式に決まり、それを迎えるという理由で、このタイミングで出される事になったわけだ。連中を迎えるには俺たちが格好というのも理由になったらしい。

(メリシャントでのシルヴィア王女の役割は、やはりジェイングレイ様か)

考え事を続けながら、マルビータに腕を引かれて屋敷に入る。
彼女の父マルローゼは立場的には俺たちの処罰を主張したらしいが、決定的なまでには追い詰めなかったらしい。娘のためというより、今はそうする方が国のためという考えだろう。あくまで国あっての法。その意味でマルローゼはガチガチの原理主義者ではない。
兄上とは違う意味で、尊敬に値する未来の義父。その厚意に応えるためにも彼の娘には優しくしてやりたいと思う。

「寂しかった?」

それに対し思い切り頭を振る婚約者。

「ううん。ソニアが優しくしてくれたから」

「ソニア?」

思わず横のカエソニアを見る。勾留中、彼女にはマルビータの面倒を見て貰っていた。以前からの関係もあって、マルビータには気に入られていない感じだったが、今の様子ではそうは見えない。
それは大いに結構だが、何故か逆の意味で妙な違和感を感じる。
それで敢えて思い切りカエソニアを見詰める。すると顔を思い切り真っ赤にして背ける。

(おいおい)

それに構わず、思い切り手を回し、耳に口を近付けるマルビータ。

「だ、か、ら。今夜は三人で。我慢してらしたんでしょ?」

実はバラーシャと散々やりまくっていたのだが、そうは言えない。

「くくく。た、の、し、み」
メンテ

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