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「令嬢」の合格
日時: 2023/07/30 08:08
名前: Ryu
参照: http://bbs1.sekkaku.net/bbs/44010916/&mode=res&log=8317

(革命暦222年・2月 ピエルス邸)

「貴方!」

「そんなに叫ばなくても聞こえているぞミシェル。騒々しい」

「聞きましたわよ! あの子がプロヴァンスのリセに合格したと!」

「ああ、首席でな。それがどうした?」

「何を呑気な…貴方は何をしていたのですか!?」

「何だ、結局お前も認めたんじゃないのか?」

「あの子は名門ピエルス家の令嬢として相応しい場所にいるべきであり、そしてそれは野蛮な軍隊ではありません! 貴方はあの子が合格しない様に学校関係者を買収するなりなんなりの工作をしなかったのですか!?」

「フン。現在スマイラスの派閥が幅を利かせている状況、将軍に就任したてで連中からも睨まれているのだぞ。迂闊な事など出来るか」

「だ、だからと言って…」

「無論『三席以内での合格』『入学後も卒業まで三席以内を確保』という条件は付けたがな。前者については首席合格という結果を叩き出し…後者についても三席どころか首席をキープしかねんな、アレは」

「何笑っているのですか!」

「いや、性別こそ違うが俺の大叔父様に似てきているなと思ってな。アイツは写真でしか知らんが、それでも憧れの対象にしているらしい」

「…」



(いくつか解説)

プロヴァンスのリセ…現実のフランスにもある『リセ・ミリテール・デクス=アン=プロヴァンス』の事。フランス州内では最高峰の中等教育を施す軍学校であり、ジスランやスマイラス、そしてフィリップとリラがここ出身。

クラリスの入学条件…ジスランとの交渉の末、前述の条件を認めさせた。勿論(どんな事情があれ)達成できなければ即退学、ミシェルが望んだ御嬢様学校への編入。

ジスラン夫妻のスタンス…ジスランは静観する一方でミシェルは内心認めていない模様。

ジスランの大叔父…フランスの軍人でかなりの剛腕の持ち主として腕を振るっていた模様。クラリスが生まれるより大分前に亡くなっている。



『戦場』仕様のクラリス両親なら、入学後もあの手この手で彼女を退学させて自分達の望むような教育を受けさせそうと思ったので、『試練』では(母親はともかく)父親の方は応援はしないが妨害もせず、母親も結局そんな夫の姿勢に従って…という事に。

あとスマイラス派閥から睨まれているのと、ここでは言及しなかったが自身に割と近い奴の汚職事件が露呈したのもあって殊更慎重になっている。
メンテ

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Re: 『令嬢』の入学 ( No.1 )
日時: 2023/07/29 08:53
名前: JIN

この父として、どうせなら自派の看板娘として、スマイラス派のレイラに対抗させるのも悪くないと考えてそうですね。

気性の激しい本人自身としても、父の思惑に関係なく、レイラには競争意識が強いとかで。
メンテ
Re: 『令嬢』の入学 ( No.2 )
日時: 2023/07/29 08:54
名前: Ryu

この頃のレイラ(10歳)はマルカル家に引き取られてはいても、スマイラスの庇護下にあると見られているでしょうからね。

ただ将来レイラがクラリス同様軍人になるのは想定外だったでしょうが。

当時のクラリス父(それこそクラリスも含む)を始めとしたレイラに対する認識は、スマイラスがマルカル家を自派閥に引き入れる為の駒。

仮に将来彼女が父の名望も武器に政治家の道を選ぶ事は、まあ想像出来るぐらいかなと。
メンテ
Re: 『令嬢』の入学 ( No.3 )
日時: 2023/07/29 08:55
名前: JIN

ブライスガウ夫婦の暗殺についても色々ありそうですからね。

自分はユーロブリタニアの尖兵説ですが。
メンテ

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