ハーレムフロントライン 第三章 戦場 L |
- 日時: 2023/03/04 10:06
- 名前: 陣
- 「あの野郎!!」
なんとか戦線を強硬離脱し、クレオンレーゼ国境のバジルール砦を目指す、アスレーたち。 後方から追撃してくるグレイセンの一隊をバラーシャが殿軍で防ぎながら、アスレーを先頭に進む。 既に損害は全体の四分の一にも及んでいる。
「アスレー様!」
遠目の効くカエソニアが叫ぶ。
国境の山合いに入る小道。その手前に陣取る一隊。数は千くらいだが、少数でも守れる格好の位置を占めている。 そしてその前の椅子に座り、片足をもう片足の上に乗せている人物。 以前から遥かに精悍さを増し、不敵な雰囲気を漂わせているが、その風采は見間違えるはずがない。
(こんなところにいやがったのか…ヒルクルス!)
相手を認識したか、その片手をヒョイと持ち上げ、よお久しぶりとばかりに軽く振るヒルクルス。
(どうする。降伏するなら悪くしないぜ。ダチ公)
「なめるなあー!!」
頭の中の計算も打算も全てが吹っ飛び、目の前の障害への突撃を開始するアスレー。 故郷への帰還を望む、軍の面々も一気に続く。
かくてここにクレオンレーゼ派遣軍の最後の戦いは始まり。
終わった。
|
|