ハーレムフロントライン 第三章 戦場 K |
- 日時: 2023/03/04 11:15
- 名前: 陣
- 「撤退だと!?」
いつの間にかグレイセンと交代した、ヴィクトリアと派手に打ち合っているバラーシャ。
その耳と目に届いてくる、アスレーと打ち合わせ済の撤退合図。 思い切り顔を顰めるが、いかに剛毅のバラーシャとはいえ、形勢の不利は認めざるを得ない。
「く! この決着は後でするぞ! 恥知らずが!」
「そういくかな?」
身を身を翻そうでした時、突如として地面から伸びる四つの杭!
「なにい!?」
その四つの杭に周囲を囲まれ、身動きが取れなくなるバラーシャ。
「魔法剣か! 恥知らずの上に卑怯者め!」
思い切り毒吐くバラーシャ。それに対して鼻で笑うヴィクトリア。
「私が恥知らずの卑怯者なら、お前は迂闊な田舎者だな。こういう物がこの世にあるのを聞いた事はないのか?」
「く…殺せ!」
思い切り奥歯を噛み締めるバラーシャ。
「そうはいかんな。お前はリンダ将軍への大事な貢ぎ物だ。お前みたいに歯応えのありそうな奴を献上すれば、我がレヴィもヒルクルスも一層覚えがめでたくなるだろう」
「なんだと!? 貴様! どこまでも恥という物を知らんのか!」
「ああそうとも。私は自分の土地とヒルクルスのためなら何だってやる。そういう物はないのか。お前には?」
「…」
その時、思い切り蹄の音を響かせながら、突っ込んでくる一騎!
「なに!?」
「ルーゼモニア!?」
その身体より大きな武器を振り回し、ヴィクトリアを牽制しながら、杭の一本にぶつけて吹っ飛ばす! 明らかに特殊な魔法加工を施した業物だ!
「バラーシャ殿! ここは私が!」
「済まない!」
「傭兵風情が!!」
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