トップページ > 過去ログ > 記事閲覧
ハーレムフロントライン 第三章 戦場 H
日時: 2023/03/02 18:36
名前:

(ち! 西には西ってわけかよ!)

舌打ちする間もなく、突進してくる前方敵。六角棒を構えてくる騎馬の女。

「ダイタロスの娘! グレイセンと知れ!」

「生意気な!」

こちらも豪剣を奮って突っ込むバラーシャ。互いの武器がぶつかる!

「お前など相手ではない! ヒルクルスはどうした!?」

「貴様こそ! 王族を相手に出来ると思ってるのか!?」

「笑わせるな! 国を捨てた王族崩れのくせに!」

「王族を認められるのは王族だけだ! いつからクリームヒルトが王族になったんだ!?」

一旦離れる両者。

「それとも何か!? クレオンレーゼはクリームヒルトの属国にでもなったのか!?」

「ほざくな!」

改めてぶつかる両者。体格はバラーシャが上だが、相手も大陸中央で揉まれただけの凄味がある。

相手の数は千くらいらしいが、明らかに遥かに実戦慣れしている。こちらとしては辛うじて数でカバーしている所か。

(奴はどこだ!?)

王族の旗の下で偉そうに踏ん反り返っているような奴ではない。むしろそれを目眩しに使うような奴だ。間違いなく決定的な場面で出てくる。

乱戦の中、突如として相手の後方から飛び出してくる騎馬の一団。数は百ほどだが、騎兵としては桁違いの数だ。

(奴か?)

思わず身構えるアスレー。しかし先頭に立つのは更に年少の少年らしい。

(あれが噂のフェンリッヒか!?)

ドモス本国兵との初の接触。だが早すぎて弓を構える暇が無い。急いで対騎馬陣を構える。

だが接触の直前、急にカーブを右に切る!

「なんだと!?」

Page: 1 |