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ハーレムフロントライン 第三章 戦場 F
日時: 2023/02/28 21:34
名前:

「お前か!! お前が噂の妖姫リンダという奴か!?」

ジャンダークト城の前に展開する両軍団。その前にそれぞれ進み出る両軍団長。

「いかにも。わらわがドモス軍最長老ステファンが娘、リンダじゃ!」

こちらからは遠く離れていて見え難いが、とにかくキンキンと響いてくる。年は二十代半ばくらいらしいが、年甲斐もないような派手な格好をしている。
その両脇にはいかにも煌びやかな甲冑の騎士と巌のような武人が立つ。

(あれが。噂に聞く。副将レベッカと首取りヴェルナーか)

この距離からも漂ってくる、只者でない威圧感。これが大陸の中心を股に掛けたドモス大軍団の貫禄か。

横のバラーシャをチラリと見る。目の前の相手を見て、ブルブルと身を震わせている。それは恐怖か興奮か。それとも感動なのか。実戦の面では遥かに及ばないアスレーには想像も付かない。

(奴はどこだ?)

改めて周りを見回す。それらしい影は見えない。

(城内か?)

それもありなん。ここしばらくの小競り合いは奴の隊がもっぱらにやってきたと聞く。ここは本軍団の連中に手柄を立てさせるのが順当か。

それからしばしのやり取りの後、突如として大笑いを始める妖姫。

「何がおかしい!?」

激怒するメリシャントの姫将軍。

「いやいや。お前気に入ったぞ。こんな気分はレベッカを得て以来じゃ! よおし! お前もわらわの牝奴隷に加えてやる! ありがたく思うがよい!」

それを聞いて、まさに正反対に湧き立つ双方。そして黄金の髪を獅子の如く逆立たせるフィオリナ。

「ふざけるな! 総軍! かかれええ!!」

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