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ハーレムフロントライン 第二章 王宮 F
日時: 2023/02/25 12:35
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「なんですってえ!?」

前日と同じ場所で再び響く大音声。

婚約者との逢瀬を楽しみ、朝食をゆっくり済ませた頃に飛び込んで来た、王宮からの呼び出し。
マルビータの不満顔を残し、カエソニアだけを連れて王宮に向かうと、昨晩全く寝てなかったらしい、兄から告げられた一言。

メリシャントに対する援軍派遣の決定。
派遣規模はクレオンレーゼの総兵力の三分の一にも達する物で、これは本格的な物と言って良い。

「要するに王妃様だ」

メリシャント出身のシルヴィス王妃が、実家の危機に夫を思い切り焚き付けたらしい。
元々若い王妃に頭の上がらない王だけに、スマイラスからの控え目な提案に、むしろ待ってましたと飛び付いたというのだ。

それだけならむしろ願ってもない喜ぶべき所。アスレーが驚く事など一つも無い。
彼が驚いたのは。

「バラーシャ殿ですか。総大将は…」

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