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ハーレムフロントライン 第一章 王宮 B
日時: 2023/02/24 08:05
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「何が無理だ!」

思い切り立ち上がるアスレー。ズカズカと兄の執務机の前に進み、バンッと両掌を叩き付ける!

「これは罠だ! 奴の! いやドモスの狙いは明らかだ! メリシャントの主力を誘い! リンダの方面軍で一気に叩き潰す! 今までのはその下準備に過ぎない!」

「方面軍一つで、メリシャントの主力を潰せるのか?」

「戦力比で考えてくれ! ジャンダークトを攻めた今までの連中は、奴の隊の何倍もあったんだぞ! 少なくともそれ以上の大軍が必要と考えるべきだ! クレオンレーゼが増援すれば、それだけ勝算も増す!」

「なぜそこまで拘る。メリシャントに義理でもあるのか?」

「義理などくそくらえだ! もしメリシャントがドモスの手に落ちたら、今度はここがドモスと接するんだぞ! そうなったらどうする気だ!」

「どのくらい必要だ」

「全部と言いたいが。半分でも仕方がない」

「無理だ。そこまでの戦力は出せない。いやその提案を行った時点で国よりも先に我ら一族が危険に晒される」

「何?」

「そちらは分かってなかったようだな。ジェラルディン陛下はイシュタールがクリームヒルト一族の手に落ちた事を気に病んでいる。今度はこちらでも同じ事が起きるのではないかとな。その場合真っ先に疑われるのは」

「俺たちか」

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