ハーレムフロントライン 第二章 王宮 A |
- 日時: 2023/02/24 03:04
- 名前: 陣
- 「アスレー」
しばし報告書に目を通し、再び顔を上げるスマイラス。
「なんだよ」
何杯めかの茶を空けて、顔を向けるアスレー。顔を合わせる兄弟。
「なんとも大胆な献策だな」
「そうかい」
「メリシャントへの援軍派遣。本気か?」
「ああ。本気だよ。なんなら今すぐ準備に掛かった方がいい。書いているように、クィンクェはもうすぐ本格的なジャンダークトの奪回軍を起こす。それに間に合わせなきゃならん」
「指揮はお前か」
「他に行く奴がいないならそうだな」
「あの男と合流する気か」
「なんでそうなる」
「俺ですらそうなら、他の連中なら尚更にそう考えるという事だ」
「分かってるよ。なら他の奴にやらせろ。マッキンレーでもデブランでも誰でもいい」
「そちらも分かってるはずだ。彼らには行く気など全く無い。そもそもクィンクェがこちらに援軍など要請すると思うか」
「あっちの要請など知った事じゃない。そんならこっちから頭を下げてでも送れ。申し出の仕方など兄上の方がよっぽど詳しいだろう」
「なら詳しい俺の意見を言わせてもらう。無理だ」
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