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ハーレムフロントライン 第一章 凶報 A
日時: 2023/02/22 06:47
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「で。イシュタールの反応は?」

数日後。改めてカエソニアの報告を聞くアスレー。

「はい。平静を装っているようですが。確実に動揺が起きてる模様です」

「だろうな。いくら太平楽な国柄でも、自分たちにも関わってくるとなれば、そうも言ってられまい」

ヒルクルスの健在自体は、実は早い時期から知られていた。あくまで噂だが、遠方のあちこちで様々な出来事に関わっていた事はここにも伝わっていた。
それを聞く度に安堵と不安の不思議な混合を感じていたりしたものだ。

そしてつい最近では、北方のエクスター王国のどこかの田舎城で女城主一家をコマしてその情夫に収まっているというのもあった。
あの男の病的なまでの潔癖症ぶりを知ってる身としては、それこそ信じられないところで、よくある誹謗中傷な揶揄の類かと思っていた。

それが何といきなり反対側に現れたというのだ。それを驚かずに一体どうするのか。

「イシュタールの連中の動きは?」

「はい。エクスターで判明の時点から動き出していた旧ヒルメデス派の一部は、ヒルクルスとの合流を図らんと越境を続けている模様。それを阻止しようとする国境警備隊と衝突しているとも」

「あそこは例のクリームヒルト一族の部隊の持ち場だったか」

「は。あと国内ではヒルクルスとの内通を疑われた箇所が厳重監視に入れられている模様」

「娘の一人があの男に走ったという、例の商会もか?」

「は。謹慎の意味もあってか、ここ数日は休業状態とか。また直接の当事者の容疑を掛けられた、跡取り息子の御披露目も取り止めに」

「それはそれは。お気の毒な」

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