ハーレムバスタード 第六章 庶子の時代へ U P |
- 日時: 2023/01/07 20:24
- 名前: 陣
- 「おめでとう。マックリィ」
大聖堂での挙式を終え、そのままゴットリープ内のバイバルス本邸に向かう参列者たち。
本邸とはいえ、実質的にはゴットリープ内におけるもう一つの城といっても過言ではない威容。 十数年前のアルキピアデスの乱を受け、内城化したものだが、その時に叛乱を起こした娘婿との不義の子を孕みつつ、内城壁建設を推進したルドヴィカの姿は未だに伝説。
その時に孕んでいたルキエラの結婚披露宴だというのも、当時の伝説を参加者たちに嫌でも想起させる。 但し彼女一人だけでなく、他の二人との合同ではあるが。
屋外だったエルヴィーラと違って、実に豪奢かつ豪勢な内装なのも、「ゴットリープの女帝」家の権勢ぶりを強烈なまでに見せ付ける。
新郎のマックリィと正主人のルキオラをそれぞれルキエラとジュリエットが挟む形。ジュリエットは既にエルヴィーラでマックリィとの披露宴まで終えているので、ルキオラの隣となるが、いささか座り心地の悪そうな装い。
(なによなによ。これじゃあたし一人の蚊帳の外なオバンぶりが嫌でも目立つじゃないのよ)
それを遠目で見て、笑いを堪えるのに必死のライシュ。
また席上では最初の挨拶と共に、今後のマックリィの生活を年間の三分の一をエルヴィーラ、残る三分の二をゴットリープに振り分ける事になるのが発表される。もちろん互いの行き来に制約は無い。心なしか安堵の空気が列席者の多くから流れる。
あとエミリーがジュスチーヌの養女となり、エルヴィーラにおけるマックリィの正式な側室になる事も発表された。
(やるわねジュスチーヌ。すると。あたしもルビオラを養女にして、ゴットリープにおけるマックリィの正式な側室にしてやらないといけないかもね)
すかさず場内を見回すルドヴィカ。移動してもまだビオラは戻ってきていない。
(全く。どこまでも悪い母親よね。ルメリア。あなたの娘まで同床に引っ張り込もうだなんて。怒ってる? それとも呆れ返ってるのかしら?)
ネメシスとクリエートもまだ戻らず、よって新郎側ではサハウエイが同母系を、ウェルキンが嫡流系を代表する形でマックリィの挨拶を受ける。ウェルキンを推すタニキスとしても実に誇らしげな表情である。
バージゼルと三姉妹も同じ席に着くが、この場合は実父であるバージゼルの方が上席。もちろん三姉妹に異議は無い。
同時にファシリアの不在を惜しむ気持ちにも。
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