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ハーレムバスタード  第六章 庶子の時代へ U E
日時: 2023/01/01 14:18
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「これは…やはりシャーミーナ陛下もお連れするべきでしたか」

貴賓席の一つで思わず嘆息するダリアナ。それに苦笑で返すクリエート。

「それで。再び山麓朝を復権させるのか?」

「ですわね」

「シャーミーナはゴットリープにおいても人気がある。確かにバイバルス家に張り合わせるには格好だろうが、それではせっかく形骸にまでした山麓朝が復権しかねん。本人自身がどう思ってようとだ」

「…」

「それにマックリィについては、俺も姉上も弱味がある。それは後になればなるほど効いてくる。全く。誰かは知らんが、ここまで見越してあれを意図的に仕組んだとなれば、まさに悪魔のような奴だ」

「レナス家にとって、まさにマックリィ様は政治的な楔ですわね」

「忌々しいが、バーミアに雲山朝が、あのニルヴァーナと共に健在である限り、俺たちはゴットリープも山麓朝も完全に潰す事は出来ない。それに母上たちの仲良しごっこが続く限り、一族全体を一本化するのもままならん。ならばいっそのこと」

「いっそのこと?」

「バイバルスの手を逆用して、いっそこちらからマックリィを担ぎ上げるのはどうだ? そうすれば父上の子女全てだけでなく、奴ら全体まで一気に飲み込める」

顔色を変えるダリアナ。

「クリエート様。それは」

それに対しあくまで真面目なクリエート。

「いいか。忘れるなよダリアナ。王になるとか権力を握るとかは、俺にとってあくまで手段の一つだ。俺の目的はそんなもんじゃない」

「…そうでしたわね」

「俺の目的はあくまでこの古臭い国を作り変える事だ。それこそステラやシェリーのような連中を作らないようにな」

「…」

「だからだ。もしマックリィを担ぐ事がその早道になるというなら。俺は喜んでそうする」

あくまで当然といった顔。それに対して。

「…一言よろしいでしょうか」

「なんだ」

「私以外に、その事は絶対口になさらぬように。マックリィ様のためにもです」

「そうだな。気を付けよう」

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Re: ハーレムバスタード  第六章 庶子の時代へ O ( No.1 )
日時: 2022/12/25 05:37
名前: 鬼末忠次
参照: http://onisue-chuuji.blog.jp/

ほほう、陣さん版クリエートはそんなことを考えていたんですね。カッコいいです。彼の言う「悪魔のような奴」が実在しているのかどうかも知りたいですね。
Re: ハーレムバスタード  第六章 庶子の時代へ O ( No.2 )
日時: 2022/12/25 08:50
名前:

『アサシン』の最後でクリエートが言ってた台詞からですね。

小さい枠で解決出来なければより大きな枠に飲み込めば良いというのは、いわばEUやNATOの方式からです。

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