ハーレムバスタード 第六章 庶子の時代へ U C |
- 日時: 2023/01/01 14:17
- 名前: 陣
- 「すっごーい」
まるで子供の用に豪奢な内装を見回すオーフェン。今にもはしゃいで回りそうな勢い。
「ちょっと。みっともないからキョロキョロしないでよ。オー姉」
いかにも頭が痛いという感じで顔をしかめるアーリー。
「だってだって。ゴットリープは結構いたけど、この中のここまで入ったのは初めてだもーん」
一番後ろから話を受けるイヴゥン。
「それはそうだ。ここはそれまでの山麓朝王家ですら余程の儀式でしか使用しなかったという秘中の間だ。それを名家とはいえ、結婚式に使うというのは異例中の異例と言ってもいい」
「流石『ゴットリープの女帝』家ってとこかしら」
「ああ。それに」
「それに?」
「前のゴットリープ大司教はバイバルス家前当主の愛人の一人だったという噂もある」
「聞いた聞いた。確か例の問題三女の父親じゃないかってとかも」
「単なる人脈だけじゃないってわけか」
改めて堂内を見渡すアーリー。
「それにしても。こんな場所で私たちレナス家が華燭の典を上げられるなんて。ずいぶんと上がった物ねえ」
「そうは思ってない者もいるぞ。マックリィは我らの子ではないからな。実はカンタータのタニキスから具申があった」
「タニキスちゃんから?」
「ああ。あくまで示唆だが、要するに今度の件も含め、婿殿と義母殿の子女たちの扱いが厚過ぎないかという危惧だ」
「義母様がバージゼルを操って、レナス家を乗っ取るんじゃないかってあれ?」
「ああ。また早急に家中の一本化を考えろとも言ってきた。もちろんアレの本命はウェルキンだが、こうなったらネメシスでもクリエートでも構わないそうだ」
「まあ。あたしとしてはどちらでも構わないけど」
「気楽に言わないでよ。オー姉。それが簡単じゃないから苦労してんじゃん」
「…」
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