ハーレムバスタード 第六章 庶子の時代へ @ |
- 日時: 2023/06/17 02:30
- 名前: 陣
- 「ふざけんなあああ!!」
思い切り壁に拳を殴り付けるライシュ。
ゴットリープのエルヴィーラ屋敷。
到着した一行の前に置かれていた二通の書簡。
「バイバルス家ならびにテルモピライ家のレナス家との結婚式挨拶」「四家合同披露宴の招待状」。
「女主人様! あんた! こんな話を聞かされてたのか!? こんな人を、いやエルヴィーラ家を馬鹿にした話を!」
「いいえ」
顔を顰めながら、二通の書状の内容をじっくり吟味するジュスチーヌとリージャ。
傍ではジュリエットが憤懣やるかたないといった表情で黙っている。
他の三人は別室で寛ぎ中。
「でも分かったわ」
「そうかい。そうかい。で。決まったんだろうな! こんなふざけた話断るって!」
「別に我がエルヴィーラに離縁とか破談とかを強いる話じゃないわね。要するに、こちらの縁組に一枚、いえ二枚乗せろって話よ」
「じゃあ! なんで! こっちにいる時にやっちまわなかった!? そんなだったらこっちだってそんな話に…」
「そしたらこっちを乗せられないと思ったからじゃないの?」
「なに?」
「つまりゴットリープの女帝様は、エルヴィーラの利用価値を高く評価している。普通に考えて、これを逃す話は無いわね」
吐き捨てるように続けるライシュ。
「じゃあジュリはどうなる!? そもそもエルヴィーラの本当の…」
「そう。家付はジュリエット。あなたよ。これはあなたが決める問題。どうする?」
「あ、あたしは…」
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