ハーレムバスタード 第四章 婚儀という名の政治 H |
- 日時: 2022/12/03 23:46
- 名前: 陣
- 「新婦の入場です」
司会役に告げられて鳴り響く拍手。
女主人のジュスティーヌにエスコートされて入ってくる、ジュリエット。
その純白のウェディングドレスが多くの賞賛を呼ぶ。
それを少し離れて見ているライシュ。
(あいつ。あれってアンドレイとの時のと同じじゃないか…)
同じ感想を持った者がいるかは不明ながら、いずれも惜しみの無い拍手の中で、中央の席に歩みを進めるジュリエット。
普通なら花嫁が後だが、今回は婿入りなので、花嫁が先に席に着く。
流石に二十過ぎの未亡人なだけに、華やぎの中に落ち着きと威厳も漂う。
そしてざわつきが次第に落ち着くや、告げられる第二声。
「新夫の入場です」
さっき以上にドッとした歓声が響く。
こちらも正装したビオラにエスコートされた形で入ってくる、マックリィ。
いかにも男子といった風情でありながら、まるで清楚な少女を思わせるような中性的な容姿。
(すごい…)
(まるで妖精だ…)
そしてそれをエスコートする、ビオラもまた強烈に目を引く。
新夫に比べれば当然に抑え気味だが、まるで森の狩人でも思わせるかのような出で立ちが、手を握った相手との一体性を実感させる。
(かっこいい!)
(まるで、あちらがカップルみたいだな)
(で。どっちがどっちなんだ)
(決まってるだろ)
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