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ハーレムバスタード  第四章 婚儀という名の政治 F
日時: 2022/12/01 22:06
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「集まってますね」

歩きながら先頭の主君に声を掛けるカディア。

「ああ。私のためにな」

胸をそびやかした感じで、威風堂々に歩くネメシス。その胸には大きな宝石を散りばめたブローチが輝いている。

そうした主君を仰ぎ見つつ、いささか懸念の表情を浮かべる親衛隊長。

「しかしネメシス様。失礼ですが。今日はマックリィ様の晴れの日です。流石に今日ばかりは」

カディアの言わんとするところは分かる。彼の遭難の一因が主君の所業にあると見られている現状において、余り高飛車は拙いのではないかと言いたいのだ。

「だからこそだ。マックリィにはすまんが。ここでしおらしいところを見せたら、かえってラルフィント王国宮宰たる私の立場と威信に陰りが出る。あれには後で必ず埋め合わせをする」

思わず顔を綻ばすカディア。世間では強面で通ってる主人であるが、決して不人情な方ではない。

それだけに。

「いえ。気になるのは、むしろマックリィ様の御付の…」

顔をしかめるネメシス。

「ビオラか。確かにあいつは得体が知れん。何よりあいつは私に敬意が全く無いからな。私に対しあれだけ不遜な態度を取った者は、ヘリオード以外ではあいつだけだ。あのタニキスですら、あそこまでの態度を取った事はない」

過去にマックリィの扱いで詰め寄った時の光景が蘇る。

「あいつ。この私が問い詰めてるにも関わらず、平然として、鼻まで鳴らしおった。まるで犬が吠えてるのを見物でもするかのようにな」

「ネメシス様」

「分かっている。しかし私も今やラルフィントの宮宰だぞ。いかにゴットリープの宰相である父上がバックにいようと。あれ以上の非礼は絶対許さん。まあ見てろ」

「…」

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Re: ハーレムバスタード  第四章 婚儀という名の政治 F ( No.1 )
日時: 2022/12/01 22:04
名前: 鬼末忠次
参照: http://onisue-chuuji.blog.jp/

戦闘→先頭かと思います。しかしいよいよビオラの底知れぬ感じが出てきましたね。なにせネメシスの性格とそのうえ地位がありますから凄いです。さて、ネメシスも、ここで政治手腕をどこまで発揮できるか、楽しみです。
Re: ハーレムバスタード  第四章 婚儀という名の政治 F ( No.2 )
日時: 2022/12/02 05:15
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御指摘ありがとうございます。

これからの展開は、実は『フォーチュン』以来やってみたかった物だったので、どうかお楽しみにしていて下さい。

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