ハーレムバスタード 第四章 婚儀という名の政治 E |
- 日時: 2022/11/30 13:02
- 名前: 陣
- 「最後はドゴール家か」
レナス本家の後に続いて入ってくる女性集団。その先頭に立って威風を払うかのように歩みを進めるネメシス。
それを見て、苦笑とも苦虫と付かない表情を浮かべる列席者たち。
「おい。まるで狙って最後にやって来たって感じだな。主役は自分だって」
「預り中のシャーミーナ女王の名代だってわけかな」
「むしろ自分こそが『女王』だと言わんばかりだな」
「流石に『女帝』にはまだまだって感じだがな」
「ああ。バーミアとゴットリープの本物に比べればな」
顎をしゃくり上げる一人。
「見ろよ。あの大きなブローチ。カンタータ家の時もだったらしいが、とても婚礼の際の礼じゃないぜ」
「礼は自分だけに尽くす物とか思ってんじゃないのか」
周りの中傷など、知ってか知らずかの堂々とした歩みを進める「レナス家の女王」。
「側付は隊長のカディアをはじめの親衛隊だけか」
「例のヘリオードは来ないのか」
「あいつはドゴールで女王の警護だろう」
「それでなくとも顔は出し難いだろう。今度の新郎を痛ぶった連中は、昔の仲間っていうしな」
「ああ。あの後。昔の仲間を相当に粛清したとも聞くな」
「レナス本家は外様を、そしてドゴール家は旧体制派を懐柔する分担だったんだろうが、結局はあの件で両方とも大きく傷付く結果になったんだよな」
「それを狙ってやったとなれば、やったのはやはり相当な奴って事だな」
「それに。顔を出した義理かとなれば、そもそもエルヴィーラの主人こそが本来のドゴール家じゃないか。よくもまあ」
「まあ本人としてはむしろ代わりにエルヴィーラを任せてやってるんだから、文句ないだろうなんだろうがな」
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