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ハーレムバスタード  第四章 婚儀という名の政治 D
日時: 2022/11/29 07:24
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「言われてますね」

聞こえないふりをしつつ、少し斜め前を歩く主君に囁くダリアナ。

「それは言うだろう。俺だってそうする」

あくまで表情を動かさぬまま、答える若き大将軍。

「私たちはともかく。ステラたちが心配です。ステラは無礼な連中を始末しろだし、シェリーは黙って実行しかねません」

「そこは押さえろ。ここでそんな事をすれば恥の上塗りになるだけだ。落ち度は落ち度で甘受するしかない」

「もちろん。当分は。ですわね」

「当然だ。必ず連中を黙らせるだけの成果を出してやる」

華やかな結婚式場らしく、見事に飾られた景色の中を、まるで戦場を歩むかのような表情で歩む面々。それも当然だろう。ここはまさに政治という名の戦場なのだ。

「マックリィ様とはゴットリープ以来ですわね」

「ああ。あいつめ。都会暮らしが馴染んでいたと思ったが。よくぞまたこのような土地に…」

言わなくとも分かっている。このような自然の美しい風景の中で、弟は攫われ、人として最も苦痛で屈辱な生地獄に落とされたのだ。

「…」

「話によれば、既にここの方々と上手くやってるみたいですね」

「ああ。それもビオラのおかげらしいな。流石は父上がアイツに付けた人材だけの事はある。どうやら介護だけでなくマネージメントやプロデュースの才もありそうだ」

それに対しいささか怪訝な顔の参謀。

「…ステラとシェリーは彼女を嫌ってますわ。いつかクリエート様に仇をなすのじゃないのかって」

「暗殺者としての勘か。で。君の。傭兵として長年やってきた事からの勘は?」

「分かりません。楽士系も魔導士系も結構関わったはずの自分ですが、彼女みたいなタイプは初めてです。ただ確実な事は…」

「事は?」

「得体が知れるまで。用心は必要だという事です」

「ふふ。同感だな。それは」

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Re: ハーレムバスタード  第四章 婚儀という名の政治 D ( No.1 )
日時: 2022/11/29 01:12
名前: 鬼末忠次
参照: http://onisue-chuuji.blog.jp/

久しぶりのクリエートの生登場! ビオラの謎がまた深みをまた増しましたね。単なる「手慣れ」でないことが判りました。マックリィのこと、パージゼルなりに愛しているんでしょう。
Re: ハーレムバスタード  第四章 婚儀という名の政治 D ( No.2 )
日時: 2022/11/29 07:23
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現在のマックリィには実質的に母がいないというのもポイントですからね。

バージゼルも含めて、何を考えてるのか分からない、この三人の繋がりその物が今までに無い嵐を呼ぶ感じでしょうか。

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