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ハーレムバスタード  第四章 婚儀という名の政治 C
日時: 2022/11/27 14:26
名前:

「おい。見ろよ。今度はレナス家のお出ましだ」

参加者たちの見守る中、新たに姿を会場に表す四人組。その威容ぶりにどよめく周囲。

「今度、ゴットリープで大将軍就任の儀式を挙げたクリエートと」

「ああ。ミラージュ戦役で参謀長を務めた、傭兵上がりのダリアナだ」

「後ろの二人も罪華出身の手練と言うな」

「まあレナス家というより、いまやレナス本家、いやレナス原家というか単家だな」

「その割には、妙に胡散臭そうな連中ばかりだな」

「それはそうさ。今やオグミオス以前のレナス家の歴代の譜代は、それぞれの子女に付けられて各家に散っている。現在の家は、むしろ外部採用の新参者ばかりだ」

「その意味では新設のクリエート家と言った方が近そうだな」

「例の警備がどうのってのにもその辺の事情が絡んでるかもな」

「ああ。領内に不慣れだったとか。手引きした奴がいるんじゃないかとか色々とな」

「だからあの後でその辺を徹底的に洗ったらしいな。それもかなり荒っぽいやり方で」

「その辺のプロも多そうだしな」

改めて随行の連中に目を向ける。

「で。結果は」

「公表出来ると思うか。そもそもレナス家としては『あの件』が起きた事すら認めてないからな」

「『オルディーンの愚行』と同じか」

「レナス家もまたその轍を踏むってわけかな」

「それでもレナス本領を継ぐ事の意義は低くないだろう。あくまでも本領の相続者は奴だ」

「ああ。だからここそ未だに最後の家督相続だけは出来ないんだよな」

「そう。そうなればどうしても姉のネメシスと最後の優劣を付けなければならなくなるからな」

「未だ当主代行の座に留めさせられているのもそれが原因か」

「ああ。今度の新郎の兄なのに、未だ正式な縁組が決まらないのもな」

「どこと縁組するか。それでまた政治バランスも大きく変わるからな」

「ミラージュ戦役の前の山麓朝との縁組も、バルザック分家とのそれもいつのまにか流れたしな」

「ああ。雲山朝とのもな」

「いっそゴットリープのバイバルス家とかはどうかな」

「あそこの本家には、嫁に出せるような余った娘がいないだろう。分家筋くらいなら何人かいるようだが」

「とにかく。もう少し情勢が落ち着くのを待つしかないのかな」

「『あの件』でまた色々とややこしくなったわけだしな」

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Re: ハーレムバスタード  第四章 婚儀という名の政治 C ( No.1 )
日時: 2022/11/26 23:10
名前: 鬼末忠次
参照: http://onisue-chuuji.blog.jp/

確かにクリエートの婚姻は難しい問題ですね。いっそシャーミーナという手もあるかもしれませんね。ネメシスが許せばです。
Re: ハーレムバスタード  第四章 婚儀という名の政治 C ( No.2 )
日時: 2022/11/26 23:18
名前:

どちらかといえばクリエートは易姓派ですからね。

ネメシスもまたヘリオードを婿にする事が出来るか微妙ですし。
Re: ハーレムバスタード  第四章 婚儀という名の政治 C ( No.3 )
日時: 2022/11/27 08:39
名前: 鬼末忠次
参照: http://onisue-chuuji.blog.jp/

『オルディーンの愚行』! 気になりますねー。とにかくクリエートには「釣り合う相手」がいないというのは大問題ですね。オルディーンのときより不利なのはネメシスの存在。もちろん家臣のなかの保守派にはウェルキン派もいるだろうし、両朝統一を願う野心家の家臣はケーニアスを放っておくもはずもない。ダイナスト、マルガリータが存命なら、ケーニアスが新家を立てるなんてことも。とにかく陣さんワールドの面目躍如のストーリーになりそうですね。
Re: ハーレムバスタード  第四章 婚儀という名の政治 C ( No.4 )
日時: 2022/11/27 23:35
名前:

どれか一つでも生き残れば良いなリスク分散なら格好でしょうが、逆に言えば全ての力を一つに集中させる事が出来ない形でもあるんですよね。
なんかレナス本家も得宗家というより名越家に近い感じになってきましたし。

そして外部としてそんなのに巻き込まれるのは真っ平なわけで、場合によっては「歪んだ」三姉妹系全体を凍結整理してしまえにもなりそうですし。

あるいはシャリアスがレナス家を放置した一因もそこにあるかもですね。
究極的にレナス家は脅威にならない。

シリウスさえそこを分かっていればって。

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