ハーレムバスタード 第五章 ゴットリープの女帝 E |
- 日時: 2022/11/13 23:47
- 名前: 陣
- 「で。御母様。いつからマックリィに?」
気を取り直して、話題を進めるルシタニア。
「ウェルキンがカンタータに行くと決まった時だよ。あるいはこっちに来るかと思ってたんだがね。そうなればレナス家もウェルキンでまとまり、あるいはミラージュ戦役だって防げたかもしれない。だが連中にはそこまでの度胸が無かった。もしかしたらこっちから言い出すのをギリギリまで待ってたのかも知れないけどね」
「その意味では何を今更という気持でしょうね」
「かと言って断るだけの度胸もあるかい。それにマックリィはあの三人の子じゃない。そしてバージゼルとしてもレナス家にメリットのある話を断るはずも無い。いやマックリィを手元に置いていたのも、そのためだったかも知れない。ルキオラとは年も近いしね」
「レナス家としては、あの事件があった後では、マックリィの婿入など、もうどこにも無理だと思っていた事でしょうね」
「そ。だからあたしが真っ先に手を出してやったのさ。底値でこそ手を出すのが商売の基本だ。悪名高い『ゴットリープの女帝』のお墨付きがあれば、他の連中も安心して手を出す。だからこそあれも『聖汚物』となれた。そうでなければただの汚物のままだよ。あの件を無かった事にしたい、レナス家としてもむしろ有難かったはずだろうしね」
「…そして。その中で私やルキオラまで引き込みなさった」
「おや。お前だって結構楽しんでたじゃないか。まるで母親みたいに思い切り胸に吸い付かれて喘ぎまくって。再婚話をあれだけ断ってた、お前があれだけ乱れるなんて思わなかったよ」
まるで小娘のように真っ赤になるルシタニア。
「ま。マックリィとしては実の母と年の近いあたしの方をそう見てるっぽいけどね。最初の夜のむしゃぶり付きったら、そりゃ凄かったからね。あれであたしもまだまだ捨てたもんじゃないと自信を持てた」
「…でもルキオラは」
「あの子はあたし以上の化物だよ。いやマックリィに処女を捧げてからかね。聞いただろ。あの子はあたしやお前がマックリィの子を産むのをむしろ心から楽しみ望んでいる。あれならマックリィがこの家の公娼役を果たすのを邪魔すまい。一番肝心なのはそこさ」
「…耐えられないでしょうね。ルキエラなら」
「そう。だからあれは『聖汚物』の正主人になれないのさ」
「…」
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